和英対照聖書を読む 16

2022-05-11 17:02:13 | 

 出エジプト記12,23。 主がエジプト人を撃つために巡るとき、鴨居と二本の柱に塗られた血を御覧になって、その入り口を過ぎ越される。滅ぼす者が家に入って、あなたたちを撃つことがないためである。

 英文は When the LORD goes through Egypt to kill the Egyptians, he will see the blood on the beams and the doorposts and will not let the Angel of Death enter your houses and kill you.

 ユダヤ人のカナン行きを許さないファラオに圧力をかけるために、神はエジプト人の長子を殺してまわる。巻き添えを食わないように、ユダヤ人は目印として自分の家に羊の血を塗りたくる。

 羊は、ユダヤ人の「トーテム動物」なのだろう。神とのつながりを象徴する動物。その血を塗りたくることによって、神とのつながりを確かなものにする。(ていうか、過越祭は本来、羊の出産シーズンである春を祝う祭りだったという説がある。後から「エジプト脱出」の神話が考え出されたのだ、とか。)

 そうしないと、ユダヤ人の家とエジプト人の家は区別がつかない。つまり、両者には経済的な格差がなかった。ユダヤ人はエジプト人に圧迫されたのではなく、いわば新興宗教の教祖である(創世記と出エジプト記の間には400年ものタイムラグがある)モーセに唆されてエジプトを出たのではないか。

 
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