シャーマニズムの起源。インドの「サマナ(修行をする人)」が中国に伝わって「沙門」になり、それが北アジアに伝わって「シャマン(シャーマン)」になり、さらにアジア全域へ広まっていった(ミルチア・エリアーデ「シャーマニズム」)。
他方、エリック・ロバートソン・ドッズは、こう推測している。古代、ギリシア人は地中海周辺の全域に都市国家を創ったが、黒海沿岸に到達した時に、彼らはアジアのシャーマニズムを知った。それが、「ピュタゴラス派」の始まりではなかったか(「ギリシア人と非理性」)。
つまり、「ピュタゴラスは7回生まれ変わった」という伝説は、インド哲学の「輪廻転生」に由来しているのではないか。。
また、プラトンがピュタゴラスの書物を買い求めた話は、ディオゲネス・ラエルティオスの「ギリシア哲学者列伝」に出てくる。彼の「霊魂の不滅」に関する説は、ピュタゴラスからの影響が大きい。彼もまた、ピュタゴラス派の一員だった。
ショーペンハウアーが、「プラトンの『イデア』とインド哲学の『実在』は同じもの(「意志と表象としての世界」)」と書いたのは19世紀。だが、実はそもそもの始まりから、西洋哲学と東洋哲学は一体だったのではないか。「あらゆる西洋哲学は、結局、プラトンの注釈に過ぎない」のだから。