
を読む。フロイト著。新潮文庫。
症状の代理形成。心の中のモヤモヤを表に出す代わりに、病気になる。モヤモヤが表に出れば、病気は存在理由をなくす。病気によって、患者が救われている面もある。
・・・といった内容はおもしろいが、とても全部を理解できたとはいえないのにゃ。ただ、ユングやアードラーに対する批評が、興味深い。「たんなる精神分析医にとどまって、予言者になろうなどとは考えていなかった時代のユング」とか、「この学説(アードラー派)は複雑なことは認めず、理解しにくい新概念を導入せず、無意識的なものについては何事も知らず、性欲という何人にも重荷になっている問題を一撃のもとに除去し、人生を何とか気楽にする術策を見つけ出すことだけを狙っている」とか。
ただ、それでもユングとの共通点もある。幼児期の体験を超えた、人類共通のイメージ(集合的無意識、元型)について、フロイトも触れているのにゃ。