ローマ皇帝伝 その2

2019-04-01 17:46:08 | 

 カエサルは、若い頃、ビチュニアのニコメデス王に「男の操(みさお)を売った」という(カエサル2)。カエサルの方が女役だったらしい。後年、元老院でそのことを指摘されると、「アッシリアのセミラミス女王やアマゾン女族を知らないのかしら。女は偉いのよ。フンッ」と開き直った(同22)。

 ちなみにアウグストゥスは、カエサルに「童貞」を奪われた、という(アウグストゥス68)。

 カエサルは、ある夜、「母を犯す夢」を見た。びっくりして夢占師に相談すると、「母とは大地であり、この夢はカエサルが世界を支配する予告だ」と解釈された(同7)。だが・・・。
 
 フロイトによれば、同性愛の背後には母に対する強い愛情があるという(男性の場合)。母と結ばれることは許されないから、そのかわりに自分が母のようになろうとする。母がそうするように自分自身を愛し、さらには自分に似た同性の相手を愛するようになる。ということは、この夢の解釈も・・・。

 実際カエサルは、いつも女性的な格好をしていて、「だらしなく帯をしめていた」という(カエサル45)。それでいて、女にも目がなかった。「あらゆる女の男で、あらゆる男の女よ」と呼ばれるほどに(同52)。

 これは、どう考えるべきなのだろう。「男と女、両方の性体験を積まなければ不十分だ」。そのように当時のローマ人は考えていたのだろうか。
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