富谷教会ホームページ・礼拝説教

富谷教会は宗教法人の教会です。教会は礼拝室と二つの茶室からなる和風の教会です。ゴルフ場に接する自然豊かな環境にあります。

「聖霊の賜物」 使徒言行録2章1~11節

2018-05-20 02:20:22 | キリスト教

981-3302宮城県富谷市三ノ関坂ノ下120番地12  TEL:022-358-1380 FAX:022-358-1403 

        日本キリスト教 富 谷 教 会    週 報

 年間標語 『日々に、刻々と、肉の思いに生きようとする自分に死に、霊の思いに従って歩む者とされましょう。」                                                               聖句 「キリストの平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。この平和にあずからせるために、あなたがたは招かれて一つの体とされたのです。いつも感謝していなさい。」(コロサイ3・15)

   聖霊降臨節第1主日(聖霊降臨日) 2018年5月20日(日) 午後5時~5時50分 

     礼 拝 順 序

                司会 田中 恵子姉

前 奏             奏楽 辺見トモ子姉

 讃美歌(21) 342(神の霊よ、今くだり)

交読詩編  122(主の家に行こう)

主の祈り   93-5、A

使徒信条   93-4、A

司会者祈祷

聖 書(新共同訳)  使徒言行録2章1~11節(p.214)

説  教      「聖霊の賜物」     辺見宗邦牧師

祈 祷

聖餐式    78(わが主よ、ここに集い)        

讃美歌   475(あめなるよろこび)

献 金

感謝祈祷              

頌 栄(21)   24(たたえよ、主の民)

祝 祷             

後 奏  

           次週礼拝 5月27日(日) 午後5時~5時50分

            聖書 ローマの信徒への手紙8章12~17節

            説教題「神の子とする霊」

            讃美歌(21) 155 12 24 交読詩編97篇

  本日の聖書 使徒言行録2章1~11節

 2:1五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、2突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。3そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。4すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。5さて、エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいたが、6この物音に大勢の人が集まって来た。そして、だれもかれも、自分の故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまった。7人々は驚き怪しんで言った。「話をしているこの人たちは、皆ガリラヤの人ではないか。 8どうしてわたしたちは、めいめいが生まれた故郷の言葉を聞くのだろうか。9わたしたちの中には、パルティア、メディア、エラムからの者がおり、また、メソポタミア、ユダヤ、カパドキア、ポントス、アジア、10フリギア、パンフィリア、エジプト、キレネに接するリビア地方などに住む者もいる。また、ローマから来て滞在中の者、11ユダヤ人もいれば、ユダヤ教への改宗者もおり、クレタ、アラビアから来た者もいるのに、彼らがわたしたちの言葉で神の偉大な業を語っているのを聞こうとは。」

   本日の説教

 教会暦では、今日が聖霊降臨日(ペンテコステ)の日です。キリスト教の三大記念日の一つです。「ペンテコステ」とは、ギリシャ語の「50」という意味です。キリストの復活を祝うイ―スターの日から五十日目に当たる日に、イエスの弟子たちに聖霊が降ったことから、この記念日を「ペンテコステ」という名前で呼んでいます。

 この日は、ユダヤ教の過越祭(すぎこしさい)の安息日の翌日(日曜日)から、七週を数えたその翌日、すなわち五十日目の「七週祭(シャーブオート)」の日です(出エジプト記34・22、申命記16・10、レビ記23:15-16)。「刈り入れの祭り」(出23:16)とも呼ばれていました。この日は、ギリシャ語が共通語として使われた時代に、五(ご)旬(じゅん)祭(さい)(ペンテコステ)という別名で呼ばれました。この祭りは<小麦の収穫の初穂>を神にささげる日でした。新しく穫れた小麦粉で作ったパンを神に献げ、収穫を感謝したのです。五旬祭は、後期ユダヤ教時代(B.C.5~3世紀)になると、モーセがシナイ山で律法を授かったことを記念する日とされ、ユダヤ教の三大祝祭(過越祭、五旬祭、仮庵祭)の一つとして大切に守られていました。

 使徒言行録二章には、ユダヤ教の五旬祭(ペンテコステ)の日に主イエスの弟子たちの上に聖霊が降り、初代教会が創設され、宣教活動が始まったことを伝えています。

 四十日にわたって弟子たちに現れた復活のイエスは、「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた父の約束されたもの(聖霊)を待ちなさい。ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである」(使徒言行録1:4-5)と命じていました。オリーブ山で昇天するときも、イエスは使徒たちに、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサエムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(使徒言行録1:8)と言われました。

  イエスの昇天後、使徒たちはすぐに、最後の晩餐が行われた家と思われる、彼らが泊まっていた家の上の部屋に集まりました(使徒言行録1:13)。十一使徒は、婦人たちや、イエスの母、兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていました。ペトロは、ユダに代わる人を選ぶことを、百二十人ほどの人々が集まっているところで提案し、二人の候補者を立てて、くじを引き、マティアを使徒に選びました(使徒言行録1・15)。このようにして、五十日間、主イエスが約束された聖霊の到来を待っていたことが、最初の教会誕生のための準備の期間となりました。

 五旬祭の日に、<一同>が一つになって集まっていました。彼らが泊まっていた家の上の部屋と思われます。聖霊降臨という大きな出来事は、三つの超自然的なしるしを伴っておきました。

その第一は、<突然、激しいが吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に>響きました。<風>は霊の降臨を表現しています。

その第二は、炎のようなが分かれ分かれに現れ、一人一人の上に>とどまりました。、<>は言葉を表しています。聖霊は「言葉」の賜物を伴って臨んだのです。

第三のしるしは、聖霊に満たされた一同が、御霊の語らせるままに語る者となり、<ほかの国々の言葉で>話しだしました。他の国々の人たちの<故郷の言葉>で話し出したのです(2:6、8、10)。彼らは主のよみがえりを証言し、福音を伝える者になりました。彼らは<神の偉大な業>について語り、神を賛美したのです。

 エルサレムには天下のあらゆる国から帰って来た、信心深いユダヤ人が住んでいました。エルサレム巡礼に来て、一時的に滞在していた人もいました。国外に離散していた人々で、現在は祖国に帰った人たちや、外国生まれのユダヤ人たちです。ユダヤ教に改宗した異邦人たちも数多く住んでいました。エルサレムに住むこのような大勢の人が、この聖霊降臨の出来事の物音に集まって来ました。そしてだれもかれもが、自分たちが生まれた故郷の言葉が話されているのを聞いて、あっけにとられてしまいました。自分たちの外国の生まれ故郷の言葉を、ガリラヤ出身の使徒たちが話すのを聞いて驚いたのです。聖霊の賜物は異なった言葉で語るという奇跡的な賜物でした。

 離散のユダヤ人の出身地の地名が、ユダヤを中心にして東方からあげられます。

( 1パルティア、2メディア、3エラム)はローマ帝国外の東方諸地方です。4メソポタミア、ユダヤ(パレスチナ北西部を指す)、そして北西へ、5カパドキア、6ポントス、7アジア、8フリギア、9パンフィリア)は地中北東部の諸地方です。またそこから地中海東南部へ(10エジプト、11キレネ、12リビア)と円を描くように記され、そこから一転して北上し、遠く離れた13ローマがあげられます。<14クレタ、15アラビアから来た者>とは、西方の海洋民と東方の内陸民です。これら15の地域のことばで、キリストの弟子たちが、神の偉大な業を語っているのを聞いて驚いたのです。神の偉大な業の具体的な問題は、14節以下のペトロの説教において明らかになります。

 当時、国外へ離散していたユダヤ人の数は4~5百万人です。エルサレムを含むパレスチナに住むユダヤ人の数はわずか50万人ほどでした。ユダヤを含むシリア地方とメソポタミアの共通語は、その当時はアラム語(ヘブライ語とは方言程度の差)でした。ローマ帝国の支配する地中海沿岸の地域の共通語はギリシア語(コイネー)でした。聖霊降臨の時、使徒たちはこれらの共通語であるアラム語やギリシア語で話したのではなく、十五の地域の、それぞれの言葉で語ったと言うのです。この出来事は、全世界の人々がやがて、自分たちの国語で、イエスの福音を聞く日が来ることを、象徴する出来事でした。

 聖霊降臨で起こった霊の注ぎは、個人の内面にかかわる聖化としてではなく、教会が福音をたずさえて「民衆の場へ出て行く」力であり、教会に民衆を引き付ける力でした。臆病だった弟子たちに、語るための力が与えられ、言葉の賜物、異なった言語で語るという賜物が与えられたのです。それぞれの地域の人々に理解できるように話す言葉、通じる言葉が与えられたのです。主イエスが昇天の時、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使徒言行録1:8)と告げたことが起こったのです。

 弟子たちはエルサレムに住むユダヤ人や改宗した異邦人に、聖霊に満たされて神の偉大な業を語り、賛美しました。この日、ペトロの説教の後、三千人ほどの人が洗礼を受け、仲間に加わりました。ペンテコステの日、教会はこうして誕生しました。「五旬祭」は収穫の感謝として初穂を献げる祭りです。この日、十二使徒の代表ペトロの新正と、彼の説教を通して、洗礼を受けた「三千人ほど」を収穫したのです。ここにキリスト教会誕生というすばらしい初穂が捧げられたのです。

 私たちも、聖霊の力、民衆の場に出て行く力を与えられ、隣人にも福音を伝える者とされましょう。聖霊はわたしたちに聞く価値のあることを語らせてくださる力であり、聞く人に希望といのちと力を与えるのです。聖霊はイエスの十字架と復活を証言する力であり、教会を全世界へと押し出す原動力動です。聖霊に満たされて歩みましょう。

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