Romeo and Juliet

2005年02月27日 19時10分06秒 | Weblog
 ヴェローナの都には、キャピュレット家とモンタギュー家という二つの敵対する名家があり、しばしばその争いは、平和な街の静けさを破っていた。

 ロザラインに片思いしているモンタギュー家のロミオは友人に誘われ、キャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込む。そこでジュリエットを一目見たロミオは、あれほどまでに恋焦がれていたロザラインから、あっさりとジュリエットに心変わりをする。二人は出会った瞬間に恋に落ちるが、互いが敵同士であることを知り、その恋の行方が暗い闇に向かっていることを感じ取る。

 立ち去りがたい思いのロミオは、仮面舞踏会の後、キャピュレット家の果樹園に忍び込み、偶然ジュリエットの部屋のバルコニー下に辿り着き、聞かれているとは知らずにひとり語りする彼女の愛の告白を耳にする。恋した相手が敵の人間であることを嘆いていると、たまらずにロミオは彼女の前に姿を現し、思いの丈を打ち明け、二人の愛を誓い合う。ジュリエットは次の日に使いの者をやることを約束し、二人は後ろ髪を引かれながらも、その夜は別れを告げるが、その恋を覆う恐ろしい影を感じずにはいられない。

 ロミオから相談を受けたロレンス修道士は、ロミオのあっけない心変わりに呆れていたものの、二人の恋に、両家の不和を終わらせる希望の光を感じ、恋の手助けをする。

 秘密裡に結婚式を済ませたロミオはその帰り道、キャピュレット家のティボルトと出くわす。ロミオは、たった今血縁関係になったばかりのティボルトとのいさかいを避けようとするが、マーキューシオは、ロミオの煮え切らない態度に苛立ち、代わりにティボルトの相手となり剣を抜き、止めに入ったロミオの腕の下から刺され、両家の不和を呪いながら、死んで行く。

 親友を失ったロミオは、逆上し、マーキューシオの仇を打つ。真昼の街中で起きた惨劇は、瞬く間に人々に知れ渡り、殺人を犯したロミオはヴェローナから永久追放される。

 結婚式を終え有頂天になっているジュリエットのもとに、この恐ろしい事件の知らせが届く。実はロミオは残忍な男だったのだ、という乳母の言葉に同調していたジュリエットであるが、次第に冷静になり、慕っていた従兄弟のティボルトが死に、敵であるロミオが生き延びたことを喜ぶ。だが、ヴェローナからの追放は、彼らにとって永遠の別れを意味していた。

 ロレンス修道士のもとで、ヴェローナからの追放を死よりも辛いと嘆いていたロミオは、彼に諭され死刑を逃れた自らの幸運に気付く。そして、何とかして彼らを再会させるという修道士の言葉を信じ、その夜をジュリエットと過ごし、明朝マンチュアへ発つことを決意する。

 二人は夫婦として、初めての一夜を過ごす。しかし、夜が明ければ別れが待っている。明るい希望の光で溢れるはずの朝は、甘いひとときを壊しにやって来る残酷な朝だった。

 娘がロミオと結婚したことなど知る由もないキャピュレットは、ジュリエットとパリスとの結婚話を進める。ジュリエットは何とかしてこの話から逃れようとするが、キャピュレットは耳を貸さない。

 ジュリエットに助けを求められたロレンス修道士は、命懸けの策を持ちかける。それは、42時間仮死状態になる薬を飲み、死者として霊廟に埋葬され、目覚めたところに、知らせを受けて迎えに来たロミオと駆け落ちするというものだった。パリスとの結婚式の前夜、死の危険をも覚悟し、ジュリエットは薬を飲み干す。
 
 翌日、キャプレット家では悲しみの葬儀が行われた。その様子を見たロミオの使者は、ロミオにジュリエットの死を伝える。悲しみに暮れるロミオは、ジュリエットの傍で自らの命を絶とうと、毒薬を手に入れ彼女のもとへ急ぐ。
 
 変わり果てた姿のジュリエットと再会したロミオは、彼女の後を追って毒を飲む。ロミオが息絶えて間もなく、ジュリエットが目を覚ます。すでに息のないロミオを見て、事の成り行きを悟ったジュリエットは、ロミオが持っていた短剣で自害し、彼のもとへと旅立つ。

 若い恋人たちの死によって、積年の両家の不和は終わりを迎える。キャピュレットとモンタギューは、それぞれ子供の死を悲しみ、両家の争いが彼らを死に追いやったことを悔やみ、和解を誓い合う。そして、ロミオとジュリエットの悲劇を無にしないため、二人を祀る金の像を造ることを約束して、劇は終わる。

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