アルコール分解を科学する
いよいよ新年のスタート。張り切って始動したいところだが、正月明けは“飲み疲れ”のサラリーマンも多いのでは。もう大丈夫と張り切っても、お酒はなかなか抜けないんだよね。今回は人間のアルコール分解を科学してみた――。
●ビール1本で3時間
「今日は朝メシ代わりにビール大瓶を3本。たっぷり昼寝もしたし、運転しても心配ないさ」
この正月、こんな感じで車のハンドルを握ったお父さんもいるのでは。実は、ビールでもアルコールが体から抜けるのには意外と時間がかかる。
久里浜アルコール症センター精神科の松下幸生診療部長が言う。
「30代以上の習慣的に酒を飲む男性で、飲んでも顔色が変わらないくらい酒が強い人の場合、アルコールを無害な酢酸に分解できるのは1時間で8グラム程度です。もちろん個人差はあります。飲むとすぐに顔が赤くなる人の分解量は1時間に7グラムほど。酒に弱い人ほど、アルコールが抜けるのに時間がかかります」
ビール大瓶1本に含まれるアルコール量は約25グラム。アルコールは肝臓でアセトアルデヒド、そして酢酸へと時間をかけて分解されるが、ビール1本分のアルコールが完全に抜けるには、どんな酒豪でも《25÷8》で、3時間あまりかかる計算だ。
朝メシどきにビールを3本も飲めば、体内のアルコール量は75グラムに。分解には10時間近くかかるのだから、昼寝したくらいじゃ酒は抜けない。夜まで運転はアウトだ。
ちなみに、アルコール度数15度の清酒1合のアルコール量は約21グラム。同様に完全に分解されるまで3時間近くかかる。
睡眠時間8時間として、翌朝に残らない酒量は、清酒で3合分程度。それを超えて飲めば、当然、酒は抜けないことになる。
●空腹時に飲む酒
「アルコールの吸収速度には胃の状態も関係してきます。空腹時にはウイスキーなどのアルコール度数が高い酒の方が急激に吸収されやすく、満腹時にはビールなど比較的低い酒のほうが吸収が速いのです」(松下部長)
すきっ腹に強い酒を飲むと悪酔いするのはこのためだ。
腹ペコの乾杯時に「とりあえずビール!」というのもあながち間違いではない。
食事が進むにつれて日本酒やウイスキーといった強い酒に移行すれば、ゆっくりと酔いが回るというわけ。
●酔いを早くさますには
二日酔いにならないためには、飲みすぎないことが肝心だが、少しでも効率よくアルコールを分解して“酒を抜く”方法はないものか。
「一番良いのは飲んだ後に、たくさん水を飲むことです。水分で血中のアルコール濃度を薄め、肝臓が働きやすくするのです。酒が抜けるまでの時間はかなり違うはず。柿やリンゴなど果物に含まれる果糖も肝臓の酵素を活性化させ、アルコール分解を早めるといわれています」(松下部長)
お風呂やサウナなどで汗を流して酔いをさますという人がいるが、これも効果があるのだろうか。
「汗や尿から放出されるアルコール量は、摂取されたアルコール全体の10%にも満たない量。むしろ汗を流すことで脱水症状を起こす人もいるので、この方法はお勧めできません」(松下部長)
飲んだ後は水分補給を心がけ、果物でもかじりながら、ゆっくり休むのがベストということだ。
http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=16934
いよいよ新年のスタート。張り切って始動したいところだが、正月明けは“飲み疲れ”のサラリーマンも多いのでは。もう大丈夫と張り切っても、お酒はなかなか抜けないんだよね。今回は人間のアルコール分解を科学してみた――。
●ビール1本で3時間
「今日は朝メシ代わりにビール大瓶を3本。たっぷり昼寝もしたし、運転しても心配ないさ」
この正月、こんな感じで車のハンドルを握ったお父さんもいるのでは。実は、ビールでもアルコールが体から抜けるのには意外と時間がかかる。
久里浜アルコール症センター精神科の松下幸生診療部長が言う。
「30代以上の習慣的に酒を飲む男性で、飲んでも顔色が変わらないくらい酒が強い人の場合、アルコールを無害な酢酸に分解できるのは1時間で8グラム程度です。もちろん個人差はあります。飲むとすぐに顔が赤くなる人の分解量は1時間に7グラムほど。酒に弱い人ほど、アルコールが抜けるのに時間がかかります」
ビール大瓶1本に含まれるアルコール量は約25グラム。アルコールは肝臓でアセトアルデヒド、そして酢酸へと時間をかけて分解されるが、ビール1本分のアルコールが完全に抜けるには、どんな酒豪でも《25÷8》で、3時間あまりかかる計算だ。
朝メシどきにビールを3本も飲めば、体内のアルコール量は75グラムに。分解には10時間近くかかるのだから、昼寝したくらいじゃ酒は抜けない。夜まで運転はアウトだ。
ちなみに、アルコール度数15度の清酒1合のアルコール量は約21グラム。同様に完全に分解されるまで3時間近くかかる。
睡眠時間8時間として、翌朝に残らない酒量は、清酒で3合分程度。それを超えて飲めば、当然、酒は抜けないことになる。
●空腹時に飲む酒
「アルコールの吸収速度には胃の状態も関係してきます。空腹時にはウイスキーなどのアルコール度数が高い酒の方が急激に吸収されやすく、満腹時にはビールなど比較的低い酒のほうが吸収が速いのです」(松下部長)
すきっ腹に強い酒を飲むと悪酔いするのはこのためだ。
腹ペコの乾杯時に「とりあえずビール!」というのもあながち間違いではない。
食事が進むにつれて日本酒やウイスキーといった強い酒に移行すれば、ゆっくりと酔いが回るというわけ。
●酔いを早くさますには
二日酔いにならないためには、飲みすぎないことが肝心だが、少しでも効率よくアルコールを分解して“酒を抜く”方法はないものか。
「一番良いのは飲んだ後に、たくさん水を飲むことです。水分で血中のアルコール濃度を薄め、肝臓が働きやすくするのです。酒が抜けるまでの時間はかなり違うはず。柿やリンゴなど果物に含まれる果糖も肝臓の酵素を活性化させ、アルコール分解を早めるといわれています」(松下部長)
お風呂やサウナなどで汗を流して酔いをさますという人がいるが、これも効果があるのだろうか。
「汗や尿から放出されるアルコール量は、摂取されたアルコール全体の10%にも満たない量。むしろ汗を流すことで脱水症状を起こす人もいるので、この方法はお勧めできません」(松下部長)
飲んだ後は水分補給を心がけ、果物でもかじりながら、ゆっくり休むのがベストということだ。
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