理事長ブログ 心と体を癒やす

健康とは「健体康心」の略語です。体が健やかで心が康らかな状態を指します。心身の健康をセルフケアする方法を紹介しています。

円心五法の真髄355 「年輪経営」の素晴らしさ

2012年09月03日 | Weblog
少し前になりますが、伊那食品工業㈱の会長「塚越 寛」氏が東京テレビの「カンブリア宮殿」に出演されていました。

48年間連続して右肩上がりの実績を残して成長してきた会社です。急成長は避け、じっくり地道に成長してきているのです。急激な成長には必ずひずみが生じると販路を急激に広げることをしていないのです。

テレビでの話を聞きながら、塚越氏の書かれた本を読んでみたいと思い、アマゾンで検索し、注文したのですが、テレビの影響なのか、在庫が切れていて、中々届きません。ようやく土曜日に届いたので楽しみに読むことができました。まだ、ほんの少ししか読んでいませんが、人生への思いが伝わってきます。

会社経営で一番大切にされているのは従業員の幸せです。働く人が安心して仕事に打ち込んでもらうにはと「年功序列」と「終身雇用」を貫いてこられています。昔の日本の会社はほとんどがこの制度を導入していました。しかし、今ではほとんどが成果主義になってきています。

何もしなくても給料は上がっていくし、定年まで首を切られる心配もないといった、たるんだ雰囲気はこの会社には全く感じられません。本社のある広大な敷地を一般に開放していて多くの見学者が訪れています。その敷地にはゴミ一つ落ちていません。トイレはピカピカに磨きあげられています。

始業40分前位から続々と従業員が出社してきます。そして、敷地の掃除を始めるのです。交代制ですかとの問いに、そうではなくみんな自主的に時間前に出てきて掃除をしているのです。この様な社風を作られたのも塚越氏の従業員を大切にする思いが伝わっているのでしょう。

この二つの制度のおかげで、従業員の80%が家を持つことができているそうです。中途入社した社員が以前の会社と比較して「精神的な安心感が全く違います。安心して仕事に集中できます」と話していました。この会社は、単なる年功序列ではありません。優秀な人材は重要な職に抜擢される仕組みもあるのです。

いかにしてやる気を引き出すか、モチベーションを上げるか、その中の一つとして商品開発に力を注いでいます。その商品開発も短期的なヒット商品を作るのではなく、ロングセラーになる息の長い商品を作っていっているのにも年輪経営の理念が反映されています。

年輪経営とは何でしょう。短期間に成長する木はあっと言う間に大きくなるが、台風などが来ると最初に折れているが、時間をかけゆっくり、じっくりと成長してきた木は強く、簡単には折れない、これが年輪経営なのだといわれています。

会社も急成長する会社は必ず、急降下する時がある。これでは従業員に安心して働いてもらうことにはならない。コツコツじっくりと確実に成長していくことが大切なのです。だから、48年間継続して成長してくることができたのです。

この右肩上がりの成長がストップした原因は寒天ブームが起き、店頭から商品が消え、今までのお客様から、商品が買えないとクレームが入り、従業員の意見で夜勤をすることで商品を作った結果その年は急激な売り上げ増になったのですが、従業員の顔色が悪いというので夜勤を止めたそうです。

丁度その時、寒天ブームが去り、同時に売り上げも急落したのです。ここでも年輪経営の大切さが分かります。ブームというものは怖いもので、一気に売り上げを伸ばすことになりますが、それは会社の本当の力ではありません。錯覚してしまわないで、じっくりと自分の力を知ることも大切です。

「売り上げ増=成長」ではないとも言われていました。利益は企業が出す「ウンチ」だと表現されています。人間は食べ物を食べて、必要な栄養を吸収した残りをウンチとして出すのと同じで、企業も売り上げを従業員の為に使い、研究開発に使い、残ったものが利益だから「企業のウンチ」なのだそうです。

今一度、日本独自の経営の仕組みを見直してもいいのではないでしょうか。伊那食品工業のように、年功序列、終身雇用でも着実に成長している企業があります。外資系の企業は仕方ないとしても、日本の企業には見習って欲しいものです。

特に日本人は農耕民族であり、狩猟民族のように獲物(利益)を追いかけながら移動していく民族ではありません。仕事のやり方も一つの会社にじっくりと根を下ろすことで、やる気も出て、力を発揮してくれるのではないでしょうか。

この様経営者が増え、安心して働ける企業が増えていくことを期待したいものです

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士

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