本山健治の円心五法の真髄

「円心五法」の真髄を中心に健体康心についての気づきをお届けしています。

円心五法の真髄427 糖尿病の方への施術

2014年01月27日 | Weblog
25日の土曜日に会員勉強会を実施しました。各症状に対する施術の方法や予防法について学んで頂きました。前回のメルマガで紹介しました「眼の疲れからくる肩こりを解消」と「糖尿病の方への施術」の二つを取り上げ実践しました。

そこで、今日のメルマガはこの勉強会で行った一つ「糖尿病の方への施術」についてご紹介します。

日本人には糖尿病の方が非常に多いといわれます。糖尿病を発症していなくても、予備軍と言われる人が大勢いるようです。糖尿病の怖さは自覚症状がほとんどないままに進行していくので、自己管理が難しく、気が付いたら症状が進行していて、合併症を併発して重症化してしまう方も多いようです。

動脈硬化が進み、足の末端の毛細血管に充分血液が送りこまれないために足の末端が壊死したり、毛細血管が集中している目の網膜が剥離して失明する人も出てきます。

合併症を引き起こす前に進行を少しでも遅らせることが大切です。初期の段階で充分な管理ができていれば、怖い病気ではありません。病気を治すというより、予防や、自己管理を大切にしましょう。

まず、経絡から見ていきましょう。糖尿病に関係する経絡と言えば、脾経です。脾経は西洋医学でいう脾臓だけではなく、膵臓に深く関わっている経絡です。膵臓は血液中の血糖をコントロールしており、膵臓の機能を高めておく必要があります。

脾経の経絡は足の第1趾の「隠白(いんぱく)」から脛骨の際を通り胸の方に流れています。第1趾、特に左の第1趾の趾先が削がれ弾力がないようなら、脾経のエネルギーが滞りやすくなります。

脾経と陰陽の関係にある胃経のエネルギーの流れも影響を与えていきます。胃経は顔から始まり、第2趾の「兌(れいだ)」につながります。第2趾に変形があったり、趾が貧弱ではありませんか。胃経のエネルギーの流れに影響を与え、脾経のエネルギーの流れにも影響してくるのです。

足の反射区で見ていきましょう。第1趾の付け根の膨らみの下が胃の反射区になり、その下が膵臓の反射区です。また、足裏を5等分し、趾が頭部、付け根から土踏まずまでが胸部、土踏まずの上半分が上腹部、下半分が下腹部、踵が腰臀部となり、土踏まずの上半分に胃や膵臓があります。

脾経、胃経は五行の「土」のエネルギーに関係しています。このエネルギーが落ちると、肌肉(筋肉と捉えることができます)や口(唇)等に影響してきます。脚の筋肉が重だるく、ツリやすくなったり、唇が荒れてきたりします。

気持ちが落ち込みやすく、家族の基盤が揺らいで、家庭内にトラブルが起きやすくなり、特に母親とギクシャクしてくることがあります。エネルギーの滞りが、精神面や家族の基盤にまで影響しかねません。それではどうすればいいのでしょうか。それは脾経と胃経のエネルギーを流せばいいのです。

それでは具体的な施術の方法をご紹介します。
① 脾経、胃経は足に集中していますので、フットセラピーを中心に行います。糖尿病と診断されて間もない方は膵臓機能を高めることを目的とし、強めに刺激を入れ、痛気持ちいい程度の施術を行います。

② 基本の操法を行った後に片足ずつ足趾の施術を行います。特に胃経は第2趾に、脾経は第1趾ですので、念入りに行い、兌や隠白に刺激を入れます。続いて、反射区への刺激は土踏まずの上半分を念入りに押し揉みして、胃の反射区と膵臓の反射区は強めに行います。

③ 次に、ふくらはぎの施術を行います。膝下のスネの外側にある「足三里」のツボを3回押し、胃経のライン(スネのすぐ外側)を足首近くまで3回押します。腓骨頭のすぐ下の「陽陵泉」を3回押し、胆経のラインを足首近くまで3回押します。

④ 次に脛骨の内側の際に沿って脾経のラインを足首から膝下まで3回押します。途中で「三陰交」を3回押します。膀胱経は「委中」、「合陽」、「承筋」、「承山」、「跗陽」と順に3回押し、最後にミルキングアクションを5回行い、三分間操法で終わります。

⑤ 糖尿病がかなり進行している方は足元の血流を良くすることを目的に刺激は一切いれません。動脈硬化が考えられますし、感覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなっていることも考えられます。リラックスを優先した施術を心がけましょう。

それでは本日はこの辺で。

NPO法人日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士