本山健治の円心五法の真髄

「円心五法」の真髄を中心に健体康心についての気づきをお届けしています。

円心五法の真髄306 症状に合わせた施術

2011年09月19日 | Weblog
色々な症状に合わせた施術の構成をセラピストの皆さんはどのように組み立てていますか。マスターフットセラピスト資格を取得されている方は足趾観察法を勉強されているのでこの観察を基準に組み立てていけばいいですね。

例えば、冷え症で悩んでいる方への施術を行う場合、冷えの観察と甲の厚みの観察を行います。甲の厚みは骨格系に比例していて、甲が薄い人は骨細でヒョロとしていて見るからに虚証タイプと見ることができます。体質的に冷えやすく熱が出にくいタイプです。筋力が弱く内臓が下垂しやすいために内臓も強くないようです。

この様なタイプの方へは少し強い刺激を入れて施術を行います。特に足趾は痛いくらいに刺激し、爪の角にある井穴もしっかりと刺激します。冷えにより腎臓や膀胱にも負担がかかりやすいのでこれらに関係する反射区や経絡への刺激を強めに行いましょう。

セラピストの役割は治療が目的ではありません。日常の生活で少しでも自分で改善できる方法をアドバイスすることが大切です、冷えを取る為の足湯(フットバス)や半身浴など、冷えを改善する方法をお伝えしましょう。

しかし、最近多いのが足の甲が厚く体形も骨太でがっちりしていて、見るからに実証タイプで、冷えには無縁と思われる方に末端の冷えで悩む人が増えています。このタイプの人は過度のストレスの環境で自律神経が常に交感神経優位の状態が続いています。その為、筋肉も血管も委縮し、血液の流れが悪くなり、末端に充分血液が送られないために冷えが起きているようです。

このような人には強い刺激は禁物です。深くリラックスできる施術を心がけましょう。フットセラピーは間脳調整法と言っているように自律神経やホルモンバランスを正常な状態に整えることに役立ちます。
過度なストレスで交感神経が優位な状況が続いており、この様なときにフットセラピーで心身共に深いリラクゼーションを味わえる状況に持っていくことで、副交感神経優位になります。その結果筋肉も血管も緩み、末端まで血液が送り込まれるのです。

この方へのアドバイスは呼吸がポイントです。過度な緊張が続く時に気持ちをゆったりとし、腹式呼吸を行いましょう。ゆっくりと深い腹式呼吸を3分ほど行うだけで、副交感神経優位の状態に変えることができるのです。

もう一つ、非常に多い肩凝りの方への施術についてお話しましょう。この時も観察が重要です。最近はパソコンなどで目を酷使し、同じ姿勢で長時間座っていることから起きる肩凝りが非常に多くなっています。

まず、観察時に僧帽筋や目の反射区の所にタコなどがないか確認します。また、第1趾と第2趾に変形などがないかも観察し、趾の付け根の痛みを確認します。目は肝経と胆経との関わりがあるので、第1趾や第4趾の状態を観察します。

この様な方には足趾の付け根を前後に揺らすようにして緩めます。第1趾の付け根は首周辺の反射区に当たりますので、左右にぐるぐると回し、充分に揉みほぐします。

また、第2趾、第3趾は趾を強めに揉みながら、特に足裏の付け根に近い目の反射区は痛いのを我慢しながら、しっかりと揉みます。そして、趾の付け根の僧帽筋の反射区を強めに押し揉みします。また、第1趾の肝経の井穴(大敦)と第4趾の胆経の井穴(竅陰)を刺激します。

但し、肩凝りの原因は他にも色々考えられます。冷えが原因の場合や内臓の機能の低下が原因の場合もあり、様々です。その原因を観察しながら、その本質を改善する施術を行うことが大切になります。

肩凝りも同様に日常生活で、自分で手軽にできる目の疲れを取る方法や首や肩のストレッチ、後頭部のツボ押しや腕叩きによる肩凝り解消法などの様々なアドバイスを通して自分でできる肩凝り解消法をお伝えしていきましょう。

最後に症状に合わせた施術を行うポイントは刺激を入れる場合は前半に刺激を入れます。その後は意識が飛んでしまうような心地良い施術を行うことで、スムーズに脳の緊張が取れ、深いくつろぎ状態になり、間脳が調整されるのです。

言葉だけでは伝わりにくい点を10月の会報誌で写真を交えながら紹介します。楽しみにお待ちください。

それでは、本日は、この辺で。

NPO法人 日本フットセラピスト協会
理事長 本山 硯士