「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

老年のひとり水切り秋高し 菅原鬨也 「滝」11月号<飛沫抄>

2015-11-07 04:23:55 | 日記
 この水切りは、石を投げて水面にとばす遊びのことであり
ましょう。
 「老年のひとり」という読み出しから一瞬孤独な老人の姿
を思い描いたが、座五の「秋高し」の季語から、ひとりしず
かに水切る行為に、退屈の中のゆとりが感じられた。退屈と
遊びのこころは、俳句的生活に必要な、ひとつでもある。
 「老年のひとり」から、現代の高齢化という急激な現象を
さりげなく描き、さまざまな老いを考えさせられる。
(庄子紀子)

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