「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

赤のまま遠目差のモアイ像 今野紀美子 「滝」11月号<滝集>

2014-12-03 04:43:17 | 日記
 チリから贈られたモアイ像を思った。南三陸町はチリ地震
の津波でも甚大な被害を受けており、津波災害三十周年の折、
同じ被災国であるチリとの友好のシンボルとしてモアイ像を
輸入し、志津川湾に面した公園に設置されていたが、東日本
大震災の津波で損壊した。今は、霊力があるとされるイース
ター島の石を使った新たなモアイ像が「これまでの援助の恩
返し」の言葉と共にチリから寄贈されている。何処にでも咲
いて、懐しい記憶と結びつき、ほっとするような風情のある
赤のままが据えられて、「遠目差」という言葉は、新しいモ
アイ像までの年月を辿る時間として選ばれ、遠目にも分かる
モアイ像の以前の像との違いでもあり、大津波によって変わ
ってしまった景観でもあるのだろう。「異変」からの「移変」
を語るかに「差」の文字は、作者の心境を写しているかのよ
うだ。(H)

6 コメント

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モアイ像 (紀美子)
2014-12-03 09:52:18
博子さん鑑賞ありがとうございました。

チリと日本をつなぐモアイ像、うれいに満ちた眼差し
癒されているような、ともに頑張ろうねと包まれている
ようで視線をはずすことができませんでした。
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モアイ像の目 (博子)
2014-12-03 18:49:35
 そう、目の事を書きたかったけど、実際に見ていないので書けませんでした。
ネットの写真ではそのまなざしを感じることが出来ませんでした。
 贈って下さったチリからの優しい気持ちをしっかり受け取って帰って来た紀美子さんだったことの良く感じられる句でした。


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モアイ像 (信子 )
2014-12-03 22:55:05
赤のままの季語が効いていて良い句ですね。
津浪にあうまえのモアイ像は志津川の海岸線の岩礁が
潮が引いたときにモアイ像が横たわっているように見えたところから、あそこに建てられたと聞いたことがありました。今は景色も変わったのでしょうね。
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信子さんへ (博子)
2014-12-04 04:05:47
「モアイ像が横たわっているように見えた。」
そうなんですか~。初めて知りました。

赤のままは、私もベストな季語だと思いました。
人のお世話でいつもいつも忙しそうな紀美子さんだけど、いつの間に出掛けているのかしらね。
私も早く自由に出かけられる身分になりたいものです。


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モアイ像 (紀美子)
2014-12-05 13:38:08
信子さんありがとう、津波以前のモアイ像を知らなかったので、そうでしたか。今は仮設市場を見守るように皆さんに愛されております。

博子さんお互いに忙しい身ですね。何度か支援に行きモアイ像と親しくなりました。ちかじか道の会の吟行会があるとのこと仲間に入れていただき、再会したいと思います。
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再会 (博子)
2014-12-06 04:09:27
道の会の吟行会、私の分も楽しんで来てください。
7日の例会に行けることになったので、それだけでも嬉しいです。
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