「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

花どきの徐行運転湘子の忌 栗田昌子 「滝」6月号<滝集>

2011-06-20 20:12:17 | 日記
 大河原から白石までの阿武隈川の堤防の一目千本桜と雪嶺
の蔵王山が川面に映る花どきは、JRの計らいで徐行運転さ
れるそうだが、今年も見られたのだろうか。うろ覚えだが
震災で不通になっていた東北本線が復旧したのは湘子忌の
頃だったように思う。その前の4月8日には本震に劣らな
いような余震があった。掲句の徐行は、「アクシデントを想
定して、直ちに停止できる速度で走る電車」と読むこともで
きる。花時の茫洋として掴みどころのない感じに、不安感を
託したようでもある。(H)