ブルガリアのテレビ番組を見ていると、ソフィア空港の第2ターミナルで撮られたらしいインタビュー。そこに登場したのは一人のヤポーネッツ(日本人)!! ブルガリア人のインタビュアーから「ブルガリアの食べ物は何が好きですか?」と聞かれたこのおっさん、こともあろうか
「シュケンベ・チョルバ~♪」
この映像、何度もテレビで流れたらしく、それを見た友人たちが、
「ねえねえ、日本人ってみんなシュケンベ・チョルバ好きなの?」と何度も何度も聞かれました・・・ どうかなぁ~・・・ ワタシは好きだけど。だからこんなことがありました。
ブルガリアが暑い夏に向けて驀進していたころ、友人のカメリアがランチによんでくれました。彼女は調理師としてかなりのキャリアと腕前の持ち主。それで
「ねぇ、シュケンベ・チョルバ、食べたいな~♪」
「いいわよっ!! 今はもう暑い季節だからあんまり作らないけど、すぐ食べればいいもんネ」
「暑いと作らない」というのはナゼ? そのあとカメリアからレシピを教えてもらって納得!!
<シュケンベ・チョルバ・カメリア風(?)>
1) シュケンベ(牛の第二胃って言ってたかな?)500gくらいを下茹でします。水から、ラキア大さじ2杯と月桂樹の葉と一緒に加熱し、やわらかくなったらザルに上げ、冷めたら1cm角くらいに小さく切っておきます。
2) 大なべに牛乳2㍑を沸かし、塩やブイヨンを入れて少し味をつけておきます。そこに一口大に切ったシュケンベを入れます。(ここでの味付けは薄めに!あとから食べるときに塩を好みで足します)
3) 別にフライパンを用意し、サラダ油大さじ3にバター120g(ブルガリアで言う小パック1つ)をいれて火にかけ、溶けてグツグツしてきたらそこにパプリカ(辛くないもの)を大さじ2、続いて小麦粉大さじ3を入れてよく炒め、それをシュケンベの入った牛乳に入れます。
このシュケンベ・チョルバ、「食べるときには熱々で、にんにく酢(酢の中にすりおろしたにんにくを大量に入れたもの)と激辛唐辛子粉を好みでたっぷり入れて食べる」と、他のブルガリアのスープとはかなり違った食べ方をします。普通は「ぬる~いスープが正式!熱々のスープはお客様に失礼」というブルガリアの常識。なぜこのシュケンベ・チョルバだけは違うの?
一緒におよばれしてたユリアによると、
「寒いときに鼻水たらしながら食べて体を温めるのにいいのヨ!! 二日酔いにも効くっていうしネ!! ”二日酔いおじさん”たちは朝にすするのヨ!!」 え~っ!! 朝から生にんにくトッピング!? にしても、これだけ牛乳やバターを使ってカロリーが高いし、その上牛乳は夏場には足が早いことも考えると、確かに冬の食べ物かも。今頃はレストランに行ってもいつもの定番メニュー「シュケンベ・チョルバ」よりもきゅうりとコプル(ディル)と、そしてやっぱりにんにくの入った冷たいスープ「タラトール」のほうがよりポピュラーです。たぶんこのレシピを見てシュケンベ・チョルバを作るのはずいぶん先になる・・・ (と思っていたらその通り、夏の終わりを告げる雨が降り出した9月の半ば、近所の肉屋さんできれいなシュケンベをみつけてからになってしまいました・・・)
カメリアのシュケンベ・チョルバ、おいしかった!! 大きなスープ皿に大胆にバーーンとこぼれるくらいによそってくれて、さらに食後にはデザートまで!! ありがとう!大満足でしたヨ!!
シュケンベ・チョルバは、確かにしょっちゅう食べるべき料理なのかどうか。でも、ブル滞在時レストランで小生がスープとしてまず注文してみる(置いていない店も多い)のが、これです。やはり、バルカンの通にとっては、ソウル・フードといえます。店毎に味付けも様々で、結構冷えたのを出す店も多い。小生は「ゴレシテ」と暑いのを要求します。
今回のレシピは、牛乳の多さ、バターを入れる??ということで、小生にとっては驚きのレシピです。なお、シュケンベとは、牛、羊の第3胃、第4胃(すなわち反芻用の胃)です。
小生の場合基本は、トルコ料理からのレシピで、牛乳はほとんど不要、バターも使わないけど、臭み消しに、タマネギを半個ほど入れる(これは自己流)。そして、薬味のニンニク酢は、大さじ5杯分ほどと大量に作る。味付けには、チキンコンソメの固形を使う。
http://79909040.at.webry.info/200910/article_3.html
http://79909040.at.webry.info/201002/article_1.html
ともかく、あっさりしたスープとなるけど、ニンニク酢をたっぷり入れて、食べる。ニンニク好きには、たまらない味となりますよ!?そうそう、ニンニクは、すり潰します。
この「カメリア風」シュケンベのレシピ、ワタシにもビックリ!新しいレシピでした。でも、これで、シュケンベチョルバになぜ赤い幕(?)がはっているのかが分かりました(笑)
このカメリアの作る料理はどれもおいしいのですが、次は、日本人にはビックリメニューの「マカロニ」(甘いマカロニのプリン?)のレシピを習いたいと思っています!!
そういえば、この写真のシュケンベは、何とも大きい塊でびっくりです。日本で売っているのは、既にかなり小さいかけらに切ってあるし、一度湯通ししてあるようで、味も薄そうな感じです。小生の使うのは、中鍋一杯の水でシュケンベは150g、タマネギ半個、そしてコンソメスープの素=固形1個、または2個。
しかし、このメニューもおいしそう。でも、やはり素材のシュケンベの味が、断然違いそうですね。04--05年当時ブルレストランで食べるシュケンベは、相当おいしくなっていたし、どうしても日本ではシュケンベそのものが不味い。まあ、ニンニク酢の味で何とかごまかしているようなものです。
このシュケンベ、近所の肉屋で一番小さい塊を選びました。大型スーパー「カウフランド」では小さく切られた処理済のものがお肉売り場や冷凍食品として売られていることもありますよ。