JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

続編のように Round Silence / Wolfgang Haffner

2010-03-10 23:00:32 | 聞いてますCDおすすめ


Lars Danielssonが入っていてピアノもHubert Nussなので手に入ましたが、wolfgang Haffnerのアルバムも3枚目になりました。
ジャケを開いてみるとACTのNU JAZZというシリーズのようで、ラースの「Melange Blue」の写真があり、サウンドもまるで続編のような感じです。そのアルバムはとても気に入っているので、ちょっと気張った記事を書きました。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070114

この記事の中で大好きな詩人田村隆一に触れましたが、続編のように隆一の詩がよみたくなりました。
1曲目ブエノスアイレスのギタリストDominic Millerの生ギターの音が悠々と流れるようなサウンドをバックに物悲しい、心を綴っているようです。

2曲目軽いリズムをバックに今度はラースが美しい音色で1曲目を引き継ぎます。ラースのアルバムとちょっと違うのはエレベ奏者がもう一人いてサウンドをカラフルにしていることです。プログラミングの雰囲気がラースのアルバムに繋がっています。
この音楽を聴きながら、ジャケットを眺めて、そして読んでいるのは田村隆一の遺作「帰ってきた旅人」13篇の詩のなかから“”疾走する午睡”

3曲目はナスの美しいピアノの音にKim Sandersの歌がこれも、伝承を語るようにそこにSebastian Studnitzkyの少し乾いたペットのソロ、ACTのニュージャズシリーズというのはSFの映画を観ているような不思議な雰囲気です。

“疾走する午睡”からの引用

列車の窓から
群青の海をながめている

4曲目打ち込みのようなリズムですがこれはきちんと生、ペットのソロはラースのアルバムでのペッターモーヴェルより好きです。上質なフュージョンにも聴こえるエレピ。

「いくたびか夏過ぎて
 白鳥はみまかりぬ」
テニスンの詩句が口から出たかとおもうと

6曲目では細かく刻むリズムと結ったりとしたラースのベースラインの間でChuck Loebのギターがラースのラインにそっと乗っていきます。

人も世界も影だけが長くなる

5曲目すべての曲はハフナーの曲ですべてが物語のように関連づいている感じです。

海のいわばはかぎりなくつづき やっと小さな停車場について
駅名をみる

7曲目このアルバムのもう一人の主人公はナスだと思う美しいピアノの音

駅員もいない 木のベンチにポツンと坐っている老女に「ここはどこ?
「とどろき」老婆のしわがれ声

8曲目ではNils Landgrenのトロンボーンがこれは好きなほうのLandgren

その声で
僕はあわてて立ち上がる

9曲目ピアノとベース、ペットが作るゆったりと流れと細かいリズムが対比してすべてが進んでいきます。そこにエレベが色彩をつけて、ここではペットとピアノがジャジーなアドリブ。

立ち上がといったってベットに寝たまま
脳の奥にはまだ群青色の海がひろがっているというのに

10曲目ブラス緩やかなハーモニーの上をそれ以上にゆったりとナスのピアノ

やっと赤ワインで朝食をすましたのを思い出して

11曲目基本的サウンドは変わらないので好きでなければつまらないと言われてしまいそうなアルバムです。でも好きなのでとても気持ちが良い。田村隆一も同じようなことが言われてしまうのでしょか

「ここはどこ?」
「狸ノ金玉 千畳敷」

(“疾走する午睡”は抜粋になっているので正規ではありません。正確には詩集「帰ってきた旅人」をお読みください。)

Round Silence / Wolfgang Haffner

Wolfgang Haffner(ds, log dm, table tubes)
Hubert Nuss(p)
Lars Danielsson(b,cello)
Sebastian Studnitzky(tp,p-el-p)
Christian Diener(b)
Ernst Stroer(per)
Julian Haffner(percussion programming)
Fiete Felsch(a-fl)
Lutz Buchner(cl)
Dan Gottschall(tb)
Dominic Miller(g on 1)
Chuck Loeb (g on 6)
Kim Sanders (vo on 3)
Nils Landgren (tb on 8)

01. Round Silence
02. Left Side Field
03. It's Not Safe
04. Azul
05. Stadium Jazz
06. Nightsong
07. The Space In Between
08. Tubes
09. Ride
10. Wordless
11. The Flow


コメント (5)
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