JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

悪霊の島 スティーヴン・キング著 白石朗訳

2010-03-05 20:48:14 | 


新聞かネットか、どこかでスティーヴン・キングの新刊「悪霊の島」をみて、案内を読んだら急読みたくなりました。
図書館に頼んだら、下巻が先に届いてしまい、上下順にお願いしなおしたらなんと一緒に届いてしまいました。
上巻539ページ、下巻471ページ、あわせて1020ページ、貸し出し期限に読みきれるでしょうか。

不慮の事故で身体と精神をいためたエドガーが、妻ともわかれ一人フロリダの小さな島に療養のために移ります。そこで・・・という話ですが、書き出しはこんな感じです。

絵の描き方(Ⅰ)
最初は無地の表面だ。紙やキャンバスである必要はないが、私見では白でなくてはならない。白と読んでいるのは、なんらかの言葉で表現するしかないからだが、真の名前は無だ。黒は光の不在だが、白は記憶の不在、思い出せないことの色である。 (白石朗訳)

こんなのが何ページも続くの・・というところで100ページを超えました。導入部解りづらくてどうしようと思いましたが、デュマ・キーという島に移って、絵を描く衝動に駆らるあたりで気がつきました。
エドガーは衝動的に描いた絵がダリのようだといわれて、ダリの画集を見る場面がありますが、そう、この小説自体が絵画を見るように読めばよいのです。
ダリの絵にちりばめられた小物と同じようにこの小説には饒舌なほどにちりばめられた、“怒り抑制人形”“貝殻”“ハングリーマンのフライドチキン”などそれを1つ1つ眺めるもよし、全体を見ながら次にどんどん進むもよし、そう感じたら急に楽になりました。
それからはホラーというより、破壊された自分と世界との再生ストーリー、これがキング独特の幅広表現で結構おもしろい、このままこれで終わっても言いやといういい話です。
が、通産840ページを超える所からチャンネルを変えるように急にホラーになって、オイオイという間に再生を破壊して、ラストになだれ込みます。
がらりと変わる変化は、スティーヴン・キング自分のふり幅の広さを充分意識して、私的には2度おいしいと言う感じです。
アメリカ作家協会が選定するブラム・ストーカー賞の2008年度最優秀長編賞を受賞したそうでありますが、そこまでとは、デモデモなんと図書貸し出し期限1日前13日で読みきったんですから、ぐいぐいと読ませるのは事実です。
読み終わって2冊をあわせた表紙をみると、沢山のアイテムが書き込まれているのが、うれしくなります。

返しついでに文庫になって発売されているミステリーがハードカバーで上巻だけあって、読むかどうかちょっと試そうとカウンターにもっていたら、前に予約していた本が3冊も着ていて、一冊はもう少し預かってもらって、残り2冊のうち1冊を選んで、その後取り置きの文庫上巻に取り掛かることにしました。
ああ忙しい、申告も済んでないのに。

コメント (2)
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