日本のレーベルM&Iレコードより木全氏のプロデュースでイタリアのピアノトリオのアルバムがリリースされました。内容が代替想像付くので、普段なら拾いには行きません。しかし、レーベルのサイトの紹介は“官能タンゴジャズ”「高い芸術性とほとばしるパッションを併せ持つ超刺激ピアニスト」とあります。ジャケは赤いシルクの“Tangos”の文字、これほどあからさまに挑発されれば、JAZZとTangoが並べられると見境のない私としては、購入しないわけにはいきません。
低いベース音ではじまる1曲目出だしは良いと思います。2曲目アレンジが凝った“真珠採りのタンゴ”で少しクエスチョンです。どうもJAZZのセンテンスが希薄に感じます。このピアニストがそうなのか、M&Iがそうさせているのかは不明ですが、POPSのピアノに聞こえてしまいます。3曲、4曲と聴いているとあの、リチャード・クレーダーマンを思い浮かべてしまいました。だめと言うのではありません、ただ思い浮かびました。この線狙いだと少し好みに合わないと思い出すと5曲目“バラのタンゴ”はなかなか良いJAZZ的な響きで良い感じです。
このアルバム、ピアノの音はいまいちですが、ベースの音とセンスが良く、ドラムスもしっかりしていて、多いに助けられています。
8曲目“Bahia Blanca ”もリズミックでパンチが効いていて良く短いベースソロが強力です。
ただ全体としてJAZZ色もTANGO色強くなく、イタリアPOPと三つどもえの感が強いように思います。私としては激しく、そして哀愁が強調されたものが好みです。ガックリするほどではありませんがちょっと残念です。
TANGOS / ALESSANDRO GWIS
Alessandro Gwis piano
Luca Pirozzi bass
Armando Sciommeri drums
1 Agosto Noir
2 Pearl Fisher Tango
3 Jalousie
4 Violetta
5 Tango Delle Rose
6 Tango Of Albeniz
7 Ich Kuss Ihre Hand, Madame
8 Bahia Blanca
9 Tango Du Reve