アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

九月文楽「仮名手本忠臣蔵」第2部/六段目

2006年09月26日 | 文楽


訃報の動揺から未だ立ち直り難し。
されど書かねばならぬ、何事も~!いきま~すっっ!(byアムロレイ風)

国立小劇場  9/11(月) 

今までのお話はこちら → 第1部 大序・二段目 三段目 四段目 
                第2部 
五段目

六段目 ~身売りの段~
おかると母、最後のひと時。
しみじみと話込んでいる…。

エッホッホ
やって来たのは祇園町の一文字屋才兵衛

歌舞伎だと、一文字屋の女房と店の男が来るよ。
文楽の方がサラッとした配役。
これも、俳優より物語にズームイン!ってことだよね。

あれ~?親父さんは何処へ?
夜のうちに店を出た。と言われても…。
戻るまで、待ってちょ~だいよ。

「イヤそれは売り物買い物だから」
それは『籠釣瓶花街酔醒じゃ~ん。吉右衛門じゃ~ん。

ここで、我らお客は「も~帰ってけ~へんのに…」
しんみり…

あれ?人形っていつもあんなに俯いてたっけ…。
う~ん、どうでしょう(by長島茂雄)
下ばっかり見てると客席に(心が)伝わらない(byバレリーナ吉田都)
あの角度、微妙…

とにかくもう稼いでもらわないと。
ってんで、おかるは無理矢理駕籠の中~。

「駕籠の内なは女房ども、コリヤマァどこへ」
「ヲゝ勘平どの。よいところへよう戻つて下さつた」
と母の喜び

前金の50両は
「この単物の縞の布の金財布貸したれば、
やんがて首に掛けて戻られう」


グェグァ~ッ!
勘平の心臓は口から出そ~。
あの時の死人は…

ここで我らお客は「違うのにな~」
ああ…
まるで、『刑事コロンボ』見てるみたい。
最初に犯人が判っちゃってるじゃん。

そーして勘平は苦し紛れに
「アゝイヤ親父殿にもけさちよつよ逢うた、ガ戻りは知れまい」

これで一件落着。
おかるも行かなきゃ…。

かる こちの人、さらばでござんす。
 ト行きかゝるを、
勘平 おかる、待て。
かる アイ
 ト傍へ寄る。勘平抱きしめー

これは文楽にはなかったね。
じゃぁ!10月大歌舞伎で!仁左衛門菊之助で!
たっぷりと楽しみまっしょ~。キャ~。

~早野勘平腹切の段~
舞台転換 速っっ!!

切場だ~!
竹本綱大夫&鶴澤清二郎
このツーショット好きなのに、7対3の割合で…
円広志が遊びに来る~。

やがて、勘平の嘘がバレる。
物言わぬ親父どのが帰ってきたのだから…。

狩人(♪あずさ2号で~♪)トリオが運んできたのサ。
・めっぽう弥八 吉田文哉
・種ヶ島の六 桐竹紋秀
・狸の角兵衛 吉田玉勢
名前があるのか~
でも、互いに呼び合わないから知名度低いな~。
人形遣い3名の立ち姿がバラバラだ。
あんまり気にしなくてイイのかな?
背筋伸ばして綺麗だったのは玉勢さんだったゼ。

母が責め立てる一言一句に
ただ黙っているだけの勘平ー。

遠慮会釈もあら男の、髻を掴んで
引き寄せ引き寄せ、叩き付け

そんな時にやって来たのが浪士2人
「石碑料は受け取れない」
由良助に断られたってー。
やはり、金を出しゃいいってもんじゃないのかー。

勘平ガックリ…。
母親ニンマリ…。
娘婿の極悪非道を激白!

それを聞いて朋輩達
「ヤイ勘平。非義非道の金とつて、
身の科の詫びせよとは云はぬぞよ。
わがやうな人、武士の道には入るまい。
金を盗んだ重罪人は大身槍の田楽刺し。
拙者が手料理振舞はん」

「(略)さりながら、情けなきは、
このこと世上に流布あつて、塩谷判官の家来早野勘平、
非義非道を行ひしと云はば、
汝ばかりが恥ならず、亡君の御恥辱と知らざるか。
こなゝ、このうつけ者めが。
左程のことの弁へなき汝にてはなかりしが、
如何なる天魔が魅入りし」

ここまで言われたら…。
勘平、脇差を腹に突き立てるっっ。
それしか無いな…。
グググッサリー!

「色に耽ったばっかりに」
この有名台詞は、歌舞伎のオリジナルなんだってね。

さあ、血走る眼に無念の涙で、
我らお客が見た(家政婦も見た?
あの出来事を語るヨ。

「聞いて!聞いて!聞いてくれ~!」
勘平、アクション大~きい~!!!
マンガと文楽って、ゼッタイ繋がってる

それ~!死骸を点検だ!
「郷右衛門殿これ見られよ。
鉄砲傷には似たれどもこれは刀で抉つた傷。
勘平早まりし」
と云ふに
手負ひも見て吃驚
母も驚くばかりなり

そーいえば!
2人の脳裏に浮かんだのは定九郎。
ガッテン!ガッテン!!ガッテン!!!

密かに見せたのは”敵討ちの連判状”
「汝が心底見届けたれば、その方を差し加へ
一味義士四十六人。
これを冥途の土産にせよ」

勘平!ヨカッタね…。

「勘平どのの魂の入つたこの財布
婿どのぢやと思うて敵討ちのお供に連れてござつて下さりませ」

母は、百両を供養にと手渡され
「さらば」
「おさらば」
と見送る涙
見返る涙
涙の波の立ち返る人も儚き次第なり

グワ~!泣いた~!
偶然に偶然が重なったからって、こんなどん底…。
たった1人で取り残されるのは母…。
真っ暗闇じゃ~ござんせんか~

トータルとしたら、何かポチッ…と足りない気がするのですが…
先に行こう、先に。
つづく

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4 コメント

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することなすこと・・ (喜の字)
2006-09-26 20:44:06
「することなすこと斯程まで、いすかのはしほど違うといふも…」のところで泣けました。本当にそうなのですものね。皆、善意で動いているのに・・・



歌舞伎だと死にそうな勘平を残して二人侍がさっさと行ってしまうのに「冷たくないか?」と思うのですが、文楽では勘平が死ぬまでそばにいるのですね。
返信する
優しい (かしまし娘)
2006-09-27 13:01:55
喜の字様、まいど!

歌舞伎より郷右衛門の言葉が優しいと思います。

歌舞伎も上方版は、文楽に近く、テンポも速いし、合理的な中にも、”丹念な心”があるように思います。
返信する
やっと (mayaribe)
2006-10-14 14:34:07
全段書き終えました…だんだん手を抜き始めてるのがバレバレ(苦笑)



TBさせてくださいね。

この機会に改めてみなさんのブログを読み直しております。

9月が蘇る…
返信する
よみがえり (かしまし娘)
2006-10-16 10:57:29
mayaribe様、まいど!

TB&コメントありがとうございました!

>9月が蘇る…

こちらこそ、蘇りました…。

が、私ってば先を急がなくては!歌舞伎座にも行ったし、国立にも行ったし、書きたい「忠臣蔵」がいっぱい~。ヒェェェェェ。
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