米百俵

２００１年９月　　歌舞伎座
２００５年１０月　歌舞伎チャンネル

今年の夏は、小泉ハリケーンが猛威をふるった日本列島。
２００１年のあの時もそうでした…。
♪ファファファファファ～♪（回想）

当月の歌舞伎座は、小泉総理の所信表明演説で、一躍有名になった『米百俵』
それで急遽上演が決定したか！ど～かは判りませんが、
初演に脇で出ていた吉右衛門が、今度は父が演った主役に挑戦！

勿論、総理も観劇。して感動したらしい。
その日偶然歌舞伎座の前を通ると報道陣がわんさか～。

『米百俵』は山本有三作品
山本有三って他にも有名なのあったよねぇ～。
何だっけ？受験用に覚えたはずなのに…。
おお「路傍の石」であった。

戊辰戦争で敗れた越後長岡藩の城下はボロボロ～。財政は逼迫～。
見かねた隣藩から百俵の米が届いた。
これで餓えずにすむ。と喜ぶ藩士達の元に、
大参事の小林虎三郎が、「米を換金して学校を建てようとしている」
という情報が。
若い藩士達は、刀片手に虎三郎家へドヤドヤと押し込む。

戦時中の戯曲でＳ１８初演。
歌舞伎ではＳ５４が初演。
もともと歌舞伎作品じゃないので“台詞が命”は当たり前！

弁舌爽やかな吉右衛門は良しとして。
他の役者はいかにぃー。
全く期待していなかっただけに！！
新劇調台詞になってます！！全員！！
歌昇が上手いのは当たり前！！前半客を泣かせたわ～
心配だったハッシーの、語尾をのばす癖も消え！
染五郎の台詞もマッタリしてない！
あ～良かった～。観た甲斐有ったわぁ。

テンポも新劇調で、民芸か！俳優座！と見紛うばかリィ～。

紅一点は、前半しか出ませんでしたが
ハッシーの妻・孝太郎！イイゾ～松嶋屋ー！！

果てしない男の世界。武士の世界。明治の世界。であった。

「今助かって後で餓えるより、未来の為に人を育てたい」
疱瘡を患ってあばた顔。左目は見えない。という
もの凄い形相の虎三郎（吉右衛門）！
長岡藩に伝わる言葉“常在戦場”の掛け軸を取り出して、
「今共に餓えと戦おう」と静かに諭す虎三郎！

山本有三の戯曲が、たしか復刻版の文庫本で本屋にあった。読んでみるか。

「愚劇」と朝日に評されていたが、
「それは歌舞伎じゃぁない」
ってぇことかぇ～？批評家さんよぉ

小泉効果を当て込んでの、約２０年ぶりの上演。
二度と再び、これを観る機会はないであろう。

☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい。