『雨の五郎』
歌舞伎座では、H2年に夏雄ちゃんが踊って以来15年ぶり!
やっと観ること叶った舞踊。吉右衛門ありがとね~。
吉右衛門自身は29年ぶりだって!!
曽我五郎が化粧坂少将のもとへ廓通いをするの。
五郎は雨男だったらしいよ。この日もそう…。
√ さる程に曽我の五郎時政は 倶不載天の父の仇
討たんずものとたゆみなき 弥猛(やたけ)心も春雨に
濡れてくるわの化粧坂(けわいざか) 名うてと聞きし少将の
大和の国の匂いがする人だから、大らかさが漂うのか、
と思いきや、色気があったわ~。
”鬼平犯科帳”でもそうだもんね。
(時代劇専門chでは只今第7シリーズ放映中!歌昇も出てるヨ~)
悪役じゃない舞踊で、セクシーな立役ってス・テ・キ~。
もっと踊ればイイのにね。播磨屋ったらぁ。
『うかれ坊主』
こちらは富十郎12回目!
16に及ぶ人物と情景を踊り分ける、富十郎の当り役。何度観ても楽しいぃぃ。
でも、清元はどーも耳にしっくりこない~。
『息子』
小山内薫作品っていうのも珍しいよね。
築地小劇場へ、新劇へ、そうして杉村春子へと心を馳せてみるのでありました。
キャストは3人。照明は暗い。
近所で男性の鼾(いびき)がグォ~グォ~。
どっかで紙袋がゴソゴソ。ビニール袋もガサガサ。
イヤホンガイドの本体を落とす音がアチコチ。
うるさいわいっっ!!黙って観てろー!!
イヤホンガイド(酒井孝子)が、最初からオチをバラすしよー。
「舞台はとても静かなので、邪魔にならないようあまりお話ししません」
だからって、最後の台詞教えるなよー。
新橋演舞場も今月は「とにかく面白い」(竹内道敬)って言うだけ。
そんなんやったら私でも言えるわっ。
寒さ凍てつく真冬の江戸。
番小屋では老人(歌六)が火の番をしている。
灯りに導かれるように、一人の若者(染五郎)がやってくる。
問わず語りに、大阪に行ったきりの息子の話になり、
急に若者の声が固くなった…。
捕吏(信二郎)が、若者を捕まえようとするのだが…。
「早く逃げろ」と戸をピシャリと閉める老人。
「ちゃん」と声を振り絞り、駈け去る若者。
気がつくと、老人の影も消えていた…。
今は無き”新国劇”や、杉サマ、里見浩太朗で人情たっぷりに濃く観たい!
って気もしたけど、
歌六&信二郎。共にスーパー歌舞伎出身なので、現代口調はお手の物!
たっぷりと情景を観客に染み渡らせてから、主人公の登場。
2人の間で染五郎は自由にさせてもらってたね。
全編暗くて、ボーッとしてましたが、
大阪で暮らしていたことを説明する染五郎。
「キタ」の発音間違ってたっっ!
東西南北の「キタ」だから、”キ”にアクセント持ってくるわけないだろー。
それとも、わざと大阪訛り?
それやったら、もっとええ台詞たくさんあるやんけ。
『人情噺文七元結』
博打にハマッてスッテンテンの左官。
年の瀬も迫ってんのに、お決まりの借金地獄…。
娘が思い余って、親に内緒で身売りしちゃった。
心ある店の女房は、50両を左官に貸してあげたの。
「さあ!心機一転でィ!」気合を入れた帰宅途中の大川端。
バッタリ会ったのが自殺志願者。
さて、50両の行方は…。
幸四郎初役だってさ。
『盲長屋梅加賀鳶』(2005・1)が珍しくOK牧場ー。
しっかりした作品に支えてもらったればこそなんだけど。
だからこそ、これも
”人情噺”ってんだから、落語ヨ。ゲラゲラ…ポロポロ…ってやつヨ。
作品はバッチリっっ!
いやぁ…それにしても、幸四郎に”笑い”を委ねていーのか?
入ります!勝負っ!
”高校生のための歌舞伎鑑賞教室(H13・国立劇場)”
客席は笑いで弾けてドッカン~ドッカン~。
舞台に立ってるのは菊五郎だー!
”笑い”のスイッチ押せば、客は百発百中の大爆発っっ!
命を救われる文七役の菊之助も、
あのビューティー顔の立役で、親譲りのコメディアンぶりっっ!!
そーなの、
『文七元結』のグランドチャンピオンベルトは、
音羽屋が保持しておるのじゃー!
お~っと高麗屋~出だしはまあまあだったのに、
エンジン掛かりきれず坂道登るポンコツ戦車か…。
台詞のオチをしぼめるなー幸四郎ー!
”笑い”のスイッチ押しても、時々不発弾~。
助け舟を出すはずの文七(染五郎)も足を引っ張ってるー。
「いいんでございますよ。私さえ死ねば…」サッと川辺に走って行く。
ってとこ、”間”外してる!
ここで客をガハッッと笑わせないと意味ないー。
ブクブクブク…沈んだー。
作品のオーラは120%あったのにー。
女房(鐵之助)も、大家(幸右衛門)も、
”お笑い”に御奉公してましたのにぃ~。
高麗屋の世話物は、ウルトラ難産っ!!
私の”お笑いのツボ”には、かすりもしなかったわい。
お店の女房・秀太郎の、情が溢れる婀娜な姿にクラクラ~。
『熊谷陣屋』では、品格ある情を堪能し。ああ幸せ~。
11月吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座 昼の部 「熊谷陣屋」
「息子」「雨の五郎」「うかれ坊主」「文七元結」
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい
TB有難うございました。
こちらからもTBさせて下さいね。
歌舞伎歴はかなり浅いのですが、
「文七」は、私もちょっと違うんじゃ・・・?と思いました。
差し支えなければ、是非ブックマークに登録させて下さい。
これからも更新楽しみにしています。
コメント&TBありがとうございました。
ブックマークに登録までして頂けるとは、恐縮です。
仁左衛門に溺れて溺れて溺れまくりましょー!!
つかったので「息子」の最後の台詞を始まる前に言って
いるのに大して疑問を抱かなかったのですが
よくよく考えるとネタバレですものね。
ダメですよね。
文七・・・は古典めざましタイさん的には、×でしたか(笑)。
実は、私も高麗屋さんは苦手の部類でして~でも、なんとなく見ちゃうんですよね。
(幸四郎さんの弁慶なんか、オペラ調の台詞回しで~それはそれで面白いかなあとは思います。)ということは裏を返せば好きなのかしらん?!
でも、やっぱり歌舞伎に関しては播磨屋さんのほうが断然好みです、私。
その点、音羽屋さんの『文七元結』は大安泰という感じが。再演を希望したいです(><)。