アッパレじゃ!

大好物は舞台観劇♪ようござんすか?ようござんすね。”私見”バリバリ入りますっ!ネタばれアリアリ~。

十一月歌舞伎座 昼

2005年12月01日 | 歌舞伎

『雨の五郎』
歌舞伎座では、H2年に夏雄ちゃんが踊って以来15年ぶり!
やっと観ること叶った舞踊。吉右衛門ありがとね~。
吉右衛門自身は29年ぶりだって!!

曽我五郎が化粧坂少将のもとへ廓通いをするの。
五郎は雨男だったらしいよ。この日もそう…。

 √ さる程に曽我の五郎時政は 倶不載天の父の仇
   討たんずものとたゆみなき 弥猛(やたけ)心も春雨に
   濡れてくるわの化粧坂(けわいざか) 名うてと聞きし少将の

大和の国の匂いがする人だから、大らかさが漂うのか、
と思いきや、色気があったわ~。
”鬼平犯科帳”でもそうだもんね。
(時代劇専門chでは只今第7シリーズ放映中!歌昇も出てるヨ~)
悪役じゃない舞踊で、セクシーな立役ってス・テ・キ~。
もっと踊ればイイのにね。播磨屋ったらぁ。

『うかれ坊主』
こちらは富十郎12回目!
16に及ぶ人物と情景を踊り分ける、富十郎の当り役。何度観ても楽しいぃぃ。
でも、清元はどーも耳にしっくりこない~。

『息子』
小山内薫作品っていうのも珍しいよね。
築地小劇場へ、新劇へ、そうして杉村春子へと心を馳せてみるのでありました。

キャストは3人。照明は暗い。
近所で男性の鼾(いびき)がグォ~グォ~。
どっかで紙袋がゴソゴソ。ビニール袋もガサガサ。
イヤホンガイドの本体を落とす音がアチコチ。
うるさいわいっっ!!黙って観てろー!!

イヤホンガイド(酒井孝子)が、最初からオチをバラすしよー。
「舞台はとても静かなので、邪魔にならないようあまりお話ししません」
だからって、最後の台詞教えるなよー。
新橋演舞場も今月は「とにかく面白い」(竹内道敬)って言うだけ。
そんなんやったら私でも言えるわっ。

寒さ凍てつく真冬の江戸。
番小屋では老人(歌六)が火の番をしている。
灯りに導かれるように、一人の若者(染五郎)がやってくる。
問わず語りに、大阪に行ったきりの息子の話になり、
急に若者の声が固くなった…。
捕吏(信二郎)が、若者を捕まえようとするのだが…。
「早く逃げろ」と戸をピシャリと閉める老人。
「ちゃん」と声を振り絞り、駈け去る若者。
気がつくと、老人の影も消えていた…。

今は無き”新国劇”や、杉サマ、里見浩太朗で人情たっぷりに濃く観たい!
って気もしたけど、
歌六&信二郎。共にスーパー歌舞伎出身なので、現代口調はお手の物!
たっぷりと情景を観客に染み渡らせてから、主人公の登場。
2人の間で染五郎は自由にさせてもらってたね。

全編暗くて、ボーッとしてましたが、
大阪で暮らしていたことを説明する染五郎。
「キタ」の発音間違ってたっっ!
東西南北の「キタ」だから、”キ”にアクセント持ってくるわけないだろー。
それとも、わざと大阪訛り?
それやったら、もっとええ台詞たくさんあるやんけ。

『人情噺文七元結』
博打にハマッてスッテンテンの左官。
年の瀬も迫ってんのに、お決まりの借金地獄…。
娘が思い余って、親に内緒で身売りしちゃった。
心ある店の女房は、50両を左官に貸してあげたの。
「さあ!心機一転でィ!」気合を入れた帰宅途中の大川端。
バッタリ会ったのが自殺志願者。
さて、50両の行方は…。

幸四郎初役だってさ。
盲長屋梅加賀鳶』(2005・1)が珍しくOK牧場ー。
しっかりした作品に支えてもらったればこそなんだけど。
だからこそ、これも
”人情噺”ってんだから、落語ヨ。ゲラゲラ…ポロポロ…ってやつヨ。
作品はバッチリっっ!
いやぁ…それにしても、幸四郎に”笑い”を委ねていーのか?
入ります!勝負っ!

”高校生のための歌舞伎鑑賞教室(H13・国立劇場)”
客席は笑いで弾けてドッカン~ドッカン~。
舞台に立ってるのは菊五郎だー!
”笑い”のスイッチ押せば、客は百発百中の大爆発っっ!
命を救われる文七役の菊之助も、
あのビューティー顔の立役で、親譲りのコメディアンぶりっっ!!
そーなの、
『文七元結』のグランドチャンピオンベルトは、
音羽屋が保持しておるのじゃー!

お~っと高麗屋~出だしはまあまあだったのに、
エンジン掛かりきれず坂道登るポンコツ戦車か…。
台詞のオチをしぼめるなー幸四郎ー!
”笑い”のスイッチ押しても、時々不発弾~。

助け舟を出すはずの文七(染五郎)も足を引っ張ってるー。
「いいんでございますよ。私さえ死ねば…」サッと川辺に走って行く。
ってとこ、”間”外してる!
ここで客をガハッッと笑わせないと意味ないー。

ブクブクブク…沈んだー。
作品のオーラは120%あったのにー。
女房(鐵之助)も、大家(幸右衛門)も、
”お笑い”に御奉公してましたのにぃ~。
高麗屋の世話物は、ウルトラ難産っ!!
私の”お笑いのツボ”には、かすりもしなかったわい。

お店の女房・秀太郎の、情が溢れる婀娜な姿にクラクラ~。
『熊谷陣屋』では、品格ある情を堪能し。ああ幸せ~。

11月吉例顔見世大歌舞伎
         歌舞伎座 昼の部 「熊谷陣屋」
                  
 「息子」「雨の五郎」「うかれ坊主」「文七元結」
☆あくまでも主観で書いたものです。特に他意はありませんので平に容赦下さい


5 コメント

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Unknown (よんたん)
2005-12-01 15:47:34
はじめまして。

TB有難うございました。

こちらからもTBさせて下さいね。



歌舞伎歴はかなり浅いのですが、

「文七」は、私もちょっと違うんじゃ・・・?と思いました。



差し支えなければ、是非ブックマークに登録させて下さい。



これからも更新楽しみにしています。

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仁左衛門さま~ (古典めざましタイ)
2005-12-01 17:16:49
よんたん様

コメント&TBありがとうございました。

ブックマークに登録までして頂けるとは、恐縮です。

仁左衛門に溺れて溺れて溺れまくりましょー!!

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言われてみると (fortheday)
2005-12-01 22:37:10
一度観劇して、2度目の観劇の時にイヤホンガイドを

つかったので「息子」の最後の台詞を始まる前に言って

いるのに大して疑問を抱かなかったのですが

よくよく考えるとネタバレですものね。

ダメですよね。
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お言葉どうり! (真聖)
2005-12-02 00:29:37
画像見て笑わせていただきました~



文七・・・は古典めざましタイさん的には、×でしたか(笑)。

実は、私も高麗屋さんは苦手の部類でして~でも、なんとなく見ちゃうんですよね。

(幸四郎さんの弁慶なんか、オペラ調の台詞回しで~それはそれで面白いかなあとは思います。)ということは裏を返せば好きなのかしらん?!



でも、やっぱり歌舞伎に関しては播磨屋さんのほうが断然好みです、私。

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音羽屋~ (六郎)
2005-12-02 01:12:23
高麗屋さんの『文七元結』、あれはあれで面白かったと思う一方、もっと何も考えずに笑える演目じゃなかったけ?という疑問も残ったりしました。



その点、音羽屋さんの『文七元結』は大安泰という感じが。再演を希望したいです(><)。
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