火坂雅志 著
世阿弥作の能楽「西行桜」をモチーフにしたホラー作品。
自然もあやかしも人の暮らしとともにある室町時代が舞台である。
そこには呪いもたたりも現実として存在し、それを見、祓い、
救おうとする人がいる。
この世のものとも思えぬほど美しい桜が抱える闇。
それはついこの間まで咲き誇っていた桜の怪しいまでの美しさの
記憶が新しいために、より怖さを増す。
花が美しい、風が心地よい、という事実は、長い長い時を経ても
変わらない。そして物語の登場人物とそれを共有したという実感が
ふっと現実を離れさせるのだ。
ただあやかしと、それとの戦いの場面はちょっとアニメっぽい。
スピーディで派手なのだが、時代の描写といまひとつ同調しない
印象を受けた。
今年も葉桜となり、もうすぐ夏が来る。
季節の変わり目に読むにはいい一冊だ。
世阿弥作の能楽「西行桜」をモチーフにしたホラー作品。
自然もあやかしも人の暮らしとともにある室町時代が舞台である。
そこには呪いもたたりも現実として存在し、それを見、祓い、
救おうとする人がいる。
この世のものとも思えぬほど美しい桜が抱える闇。
それはついこの間まで咲き誇っていた桜の怪しいまでの美しさの
記憶が新しいために、より怖さを増す。
花が美しい、風が心地よい、という事実は、長い長い時を経ても
変わらない。そして物語の登場人物とそれを共有したという実感が
ふっと現実を離れさせるのだ。
ただあやかしと、それとの戦いの場面はちょっとアニメっぽい。
スピーディで派手なのだが、時代の描写といまひとつ同調しない
印象を受けた。
今年も葉桜となり、もうすぐ夏が来る。
季節の変わり目に読むにはいい一冊だ。
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