哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

お正月の復権(週刊新潮今週号の「人間自身」)

2007-01-06 00:25:15 | 哲学
 池田晶子さんの週刊新潮連載「人間自身」今週号は、「お正月の復権」という題でした。



「永遠的循環の中の、一回的人生。いま生きているということ自体が、奇跡的なことである。ああ今年も無事に皆の顔を見ることができた。奇跡的なこと、おめでたいことだ!
 存在の奇跡性に気がつくと、人生の風景は明らかに改まるのである。」



 存在の奇跡性=一年を無事に過ごせて生きていられたこと、ということだそうです。
 一年を生きてきたことが奇跡、今生きていることも奇跡。奇跡的なことが起これば、確かにおめでたいのですから、お正月がいかにおめでたいか、ですね。


 本当は、今生きていることが奇跡なら、毎朝おめでたいはずなんですよね。今日も生きていた、おめでたい!と。池田さんも前にそのようなことを書いておられました。


 通常我々は、一日生きているだけで奇跡とは通常思っていませんが、例えば戦時であれば必ずしもそうは言っていられません。それに、交通戦争という言葉があったように、本当の戦争でなくても命を失う機会はいくらでもあります。今日も命があってめでたい、という気持ちがあれば、命をもてあそぶような殺人事件は起きないのかもしれません。

 先日テレビで放映された番組での塩野七生さんの話でも、似たような話がありましたが、その件はまたの機会に書きます。


1 コメント

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Unknown (kouniti)
2007-01-22 14:52:11
確かに、我々が生きていること自体が奇跡なのですね。「存在の奇跡性に気がつくと、人生の風景は明らかに改まるのである」光をはなつような言葉ですね。
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