代受苦(だいじゅく)

[代受苦だいじゅく]:他人に変わって苦しみを受けること。菩薩の大慈悲心についていう。「仏教大辞典」より。

自業自得が、大原則な世の中だが、自分の行いとは関係なく、他の要因によって苦しむ人たちがいる。
貧困国の生まれた人たち。情報氾濫の中で身動きがとれなくなる人たち。経済システムの中で、押しつぶされそうな人たち。

豊かと言われる日本でも、周囲の豊かさが当たり前ゆえに、それと比して自ら卑屈になる人もいる。

あまりの、不幸や絶望、不正義が横行している中で、安穏として日々の暮らしを続けている自分に罪悪感さえ抱く人がいる。
サバイバー シンドロームの中のサバイバーズギルト(生存者の罪悪感)と呼ばれる心理状態の一種である。
他の人が不幸の中にいるのに、私だけなぜまともな生活をしているのだろう・・・。申し訳ない・・・。

これも、菩薩の大慈悲心だろうと思う。

菩薩たちは、ここから具体的な行動に出る。罪悪感を心の別のエネホルギーに転換しているのだろうと思う。代受苦の大慈悲心である。

そんなことを考えていたら、宮本武蔵のことが思い浮かんだ。
武蔵は、きっと、サバイバーズ ギルトを感じていただろうと思う。
国元武春さんの「巌流島 唄絵巻」。佐々木小次郎との戦いを終えて、舟島を後にした小舟のなかでの、船頭佐助との会話を、次回、お取り次ぎ申し上げまする。ベ、ベンベンベン。
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