頑張ってと言わないでのあと(こんな時のいいたい放題5)

 人を励ます言葉、「頑張って」を、頑張っている人に言ってはいけない。
 なぜならそれ以上頑張れない人にプレッシャー以外のナニモノでないからだ。
--こう言われるようになって20年ほどがたつ。

 相変わらず、つい「頑張って」と言ってしまって「申し訳ないことを言ってしまった」と後悔する人が、私をふくめて、あとをたたぬ。

 鎌田先生か、日野原先生の言葉、「頑張らない、でも、あきらめない」が現在の一つの流れになりつつある。いい言葉だと思う。

 20年前「頑張っている人に、頑張ってと言ってはいけない」が、まことしやかに言われたころ、先輩のお坊さんがこう言った。

 「頑張っている人が、他の人からの励ましで「頑張って」と言われたら、その心遣いに「ありがとう」と言おうっていうのが本当だと思う」
--まことに名言だと思う。
 ちなみに「頑張る」は、我を張るで、仏教ではあまりいいことではないことも付しておく。

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 今日は、次の本の付録につく「般若心経」の読み方の録音だった。
 お経は、唱える場合、リズムが大切だから、息継ぎで途切れては仕方がない。そこで、長男に手伝ってもらった。

 代々木の録音スタジオ。金魚鉢のスタジオに入って、ガラスの向こうに6人の面々。長男はかなり緊張していた。それがとても好感がもてるもので、それが良く発声にでていた。

 その初々しさと、私の淡々さが相まって、唱え方を覚える人のためにはこれ以上ない、唱え方を知りたい人のためを思った誠実なお唱えになったと思う。
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