花山の思い2(多顔と多願)

琵琶湖(近江の国)から幅広い帯状で南へ伸びる一帯は、十一面観音さまたちが大勢いらっしゃる所。かって、十一面観音の御利益ブームがあったためという歴史的考察を聞いたことがあります。

観音さまが33のさまざまな姿となって(つまり、救いやすい姿ならどんな姿にでも変身して)人々を救うという話は、この企画の最初でふれました。

私流にいえば、あなたを助けてくれたたくさんの人々に共通している性質のことを「観音さま」と呼ぼうとことです。

助けてくれた、心を育ててくれた人々の具体的なイメージを顔で表現したのが十一面観音ということです。
 お父さんの怒った時の顔
  先生の叱った時の顔
  お母さんが笑った顔
  友達が泣いてくれた顔
  おばあちゃんが微笑んでくれた顔
  ……
 他にも、たくさんの顔に私たちはそだてられ、守られ、叱られて、今があります。

 単に救ってくださいと、謙虚で、敬虔な気持ちになることばかりがお参りではありません。

 自分が、多くの人たちのおかげで今、ここに、いるのだ、ありがたいことだ。一人一人にお礼は言えないけど、こうしてその人々に共通している観音さま(慈悲)に対して、手を合わせてお礼申し上げよう。

 そして、願わくば、私も誰かにとって、観音でありたいものだと、自心の慈悲を引き出すスイッチとして、観音さまに手を合わせます。

 次の札所、粉河寺(こかわでら)の本尊さまの千手(せんじゅ)観音は、これを手でイメージしてみようということです。たくさんの手によって、育てられてきたでしょ、救ってもらったでしょ、守ってもらってきているでしょ……そんなことを、しっかり意識しなさいというメッセージがあの姿になったのだと思うのです。

 さて次回は、第三番札所の紀伊の国、那珂郡は粉河寺(こかわでら)へと、花山法皇と共に参ります。

 このお寺で花山法皇が奉納したご詠歌は……

“父母の 恵みも深き 粉河寺 仏の誓い 頼もしの身や”

西国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/

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 娘がこの夏、長崎の音楽イベントで余ったチケットを譲った長崎の大学生の男の子二人。夕べ23時の飛行機で、初の東京三泊四日の旅。宿はお寺。ぎゃははは。
 密蔵院はすいていれば羽田まで車で30分。娘の女友だちを乗せて、アッシー父さん。
 イケメンの二人の二十歳の大学生と、はやり二十歳の女子大生二人と、家内と次男で歓迎会が始まったのは午前0時少し前。家内と私が戦線離脱したのは午前2時でした。ぐははは。今日は四人でデズニーランドへ行って、また夜遅く帰ってくることでしょう。
 そんで今日は、ご詠歌の先生たちの自主トレin密蔵院。
来月10月20日(火曜)、14時からの[ご詠歌コンサートin密蔵院]に向けての準備。
面白くなります。ご詠歌っ何だというところからその奥義まで、90分ですべて堪能していただけます。入場料は1000円です。
夕方になったら、次男の大学の時の演劇サークルの仲間が5人遊びにくるという。家内と私も混ぜてもらって、お好み焼きである。
なんだか、すごく充実している(って、ただ飲めるぞって感じです)。わははは。
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