花山の思い2(故郷と都)


花山法王が西国第二番札所、紀三井寺をお参りした時に、奉納したご詠歌がこれ。

“故郷を はるばるここに 紀三井寺 花の都も 近くなるらん”

〔通 釈〕
 故郷を出発して、♪は~るばる、来たぜ、紀三井寺ぁ~♪。こうしてこのお寺に来て見ると(キミイデラと“来て見る”をかけてあります)、花の京の都も近くなったことだけれど、蓮の花さく仏の都である浄土にも近づいた心地がすることだな。

“故郷をはるばるここに”というのは、人生遍歴にもかけてあるいい言葉ですね。

 みなさんの故郷はどこですか?

 生まれた所、育った所、暮らしている所、それぞれ“心の故郷”と呼べる場所があることでしょう。

 中には、その場所から移動せずにずっと住んでいる方もいらっしゃるでしょうし、故郷を遠く離れた場所に住んでいる方もいらっしゃるでしょう。
 かつて海援隊が歌った「思えば遠くへきたもんだ」を思い出しますね。

 心の都は、近くなってきましたか?
 住めばそこが都だし、心の故郷もじつは目指す心の都だったことに、いつか気づけるようになるといいですね。

 さて紀三井寺の本尊さまは、十一面観世音菩薩。
 すでに本にも書きましたが、十一も顔がある妖怪のような姿の仏さまが言わんとすることについては、次回にしましょう。

 西国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/

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 まだ彼岸前だというのに、東京は23度という寒さ(?)。夏掛け布団じゃとても寝ていられませんです。ガチガチガチ・・・
 そんで、宗派が来年用に出す「日めくり」の最終校正会議へ。この「日めくり」を担当しているのは事務所に入って3年目の新人、長男と同級生のお若きお坊さん、ケイジュン。
 初の担当でやる気満々の24歳。ちゃんと「僕はこうした方がいいと思うんですよ」と意見を言いながら、進めてきたこの4カ月。今日で東京、群馬、千葉からの私たち編集員3名の仕事は終わり。
 後は実物ができあがるのを待つばかりとなりました。
「打ち上げ、やりましょうよ」と、初の担当成果に充実感が体を包んでいるようでした。
「おお、やろう、やろう。ちゃんとできたら、やろう」と、固い約束。
 仕事を任せられた張り合いと、仕事を終えた安堵感・・・ずっごくよくわかるなあ。
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