折れた線香の半分でも

 浪曲(あるいは講談が先か?)の中の一つの決まりゼリフ
「私が死んだら、折れた線香の半分でもあげてやってください」

 お線香を自分への手向けの手段として納得しているから言えるセリフだと思う。

 お線香に「供養」とか「手向け」の意味を見出していなければ、こんな言葉で出て来ない。

 仏壇があるお宅ではご存じだと思うが、とにかく一箱の、あるいは一束のお線香を一本づつあげていくうちには、一本取るたに他の何本かが折れることになる。
 折れた線香をあげるのは、亡き人に対してなんとなく失礼だから、結局折れたお線香は残ることになる。--そういうお線香でもいいから、私が死んだらあげてくれれば嬉しいです--とっても、粋なセリフだと思う。
 もう少ししたら、私も周囲の人に言ってみたいと思う。

 というより、今日食べた、お肉に対して、折れた線香の半分でもあげるほうが先だな。
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