風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ボーナスの季節

2010-06-24 00:00:20 | 時事放談
 先週あたりがボーナス支給日だった企業が多かったのではないでしょうか。嬉しいボーナスのはずですが、我が社は20%カットで、朝からオフィスには同僚のタメ息が漏れていました(苦笑)。80%でも出るだけ幸せだと、発想を変えなければならないのかも知れません。
 私たちの親の世代は、高度成長の真っ只中で、ベースアップや定昇が当たり前の時代でした。しかし私たちの世代は、少なくとも直近の10年を見ると、昇進の機会は格段に減り、手取り所得は殆ど増えていないのではないでしょうか。ひどい時にはボーナス40%カット、この3月までは給与5%カット、そしてそれが元に戻ったと思ったのも束の間、ボーナス20%カットといった具合いです。先日、実家の父に、お前の会社の景気はどうかと聞かれ、聞くだけ野暮だ、いつ潰れても、いつ買収されてもおかしくないと、ぶっきらぼうに答えると、お前は就職するときに、会社は20年もてばいいと言っていたではないかと、たしなめられました。年寄りにしては記憶力が良い。
 私が就職した当時、社員の平均年齢は32歳と若々しく、国際性と先端テクノロジーに特徴付けられて前途洋洋に見え、就職人気では上位にランクされました。それが今では構造不況業種に区分けされ、過去10年間の売上は事業売却などにより横這いで、新入社員は減る一方、在籍する社員は確実に年を取り続ける結果、平均年齢は40歳を越えてしまいました。日本の失われた20年は、日本の企業の生産性が落ちたせいだという有力な学説がありますが、まさにそれを絵に描いたような体たらくです。就職当時、20年もてばいいと思ったのは事実で、必ずしも民間企業に就職するのが本意ではなかった私の覚悟を示したものでしたが、20数年後、まさか日本経済全体が低迷していようとは思ってもみませんでした。
 何はともあれ、これまでのところ、所得が減るのに合せて、消費を絞ってきたのは事実で、それは例えばスーツが随分安く手に入るようになったり、私服もユニクロで安く買い、車は中古の小型車にし、パソコンの買い替えはガマンし、飲み会もめっきる減るといったことで幸いにもバランスして来ただけのことです。個人レベルでは、普通に外食もすれば、たまにはゴルフもして、別に金がないわけでも、必ずしも不自由を感じるわけでもなく、それが今の日本の消費不況の実態ではないかと思います。しかし、それも企業がヤセガマンして、カツカツでも生き延びてやって来たから、辛うじて保たれてきた均衡でしょう。そういう意味で、日本の企業業績の回復が切に望まれます。
コメント
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