保健福祉の現場から

感じるままに

在宅緩和ケア

2011年06月15日 | Weblog
厚労省がん対策推進協議会緩和ケア専門委員会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000008fcb.html#shingi2)の資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001eozn.html)には目を通しておきたい。今年3月の中間報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001eozn-att/2r9852000001ep52.pdf)では、医師、看護師、薬剤師に対する緩和ケア研修拡充の方針がうち出されている。「がん対策推進基本計画」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html)において、緩和ケアは「治療の初期段階からの緩和ケアの実施」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_kanwa01.pdf)が重点的取り組みとして位置付けられているが、それぞれの地域において、専門病院とかかりつけ医療機関でのシームレスな緩和ケア体制構築が必要である。また、末期がんは介護保険制度の特定疾病(http://kaigomaster.net/tokuteisippei.html)であり、医療介護連携体制構築も重要である。さて、昨夜、がん診療連携拠点病院との共催で、在宅緩和ケア懇話会・事例検討会を開催した。フロア一杯に、多くの機関から、様々な職種の方々に参加いただいた。事例は60代前半の末期肺がんで、4回入退院を繰り返し、5回目の入院で拠点病院で亡くなられたケースである。退院後は、かかりつけ医・訪問看護ステーション・介護事業所が対応し、入院診療期間よりも在宅診療期間の方が長い。退院・入院は患者本人の希望に沿ったものらしい。病状が悪化する中で、最後の入院直前まで療養通所介護での入浴を楽しみにされていたといい、死後、介護者である娘さんに大変感謝されたそうである。そういえば、在宅緩和ケアの指標として「在宅看取り率」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/12/s1209-8f.html)が使用されるが、今回の事例のようなケースも立派な在宅緩和ケアではないか。いざという時にバックアップする拠点病院があるからこそ、在宅での緩和ケアが介護者にとっても安心できるように感じる。ところで、昨夜の会合で、拠点病院の緩和ケア部長が「療養通所介護を初めて知った」といわれたのが印象的であった。療養通所介護は2006年改正(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/0603/dl/data.pdf)による「中重度者の支援強化、医療と介護の連携・機能分担」の一つとして位置づけられている(http://merca.goabroad.biz/2006/05/2006512.html)。やはり、病院と地域とのコミュニケーションが不可欠であることを改めて感じたところである。しかし、介護サービス情報公表制度(http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html)をみれば、療養通所介護は極めて少ない状況にあることがわかる。平成24年度からの第5期介護保険事業(支援)計画で推進されるべきかもしれない。
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