保健福祉の現場から

感じるままに

糖尿病の医療の標準化と保健医療連携

2011年06月13日 | Weblog
昨年、糖尿病の診断基準が変わっている(http://f.hatena.ne.jp/bonbokorin/20100608161307)。「標準的な健診・保健指導プログラム確定版」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/02.pdf)では、空腹時血糖またはHbA1cの測定であるため、典型的な症状がない限り、特定健診だけでは糖尿病と診断できない。「標準的な健診・保健指導プログラム確定版」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/02.pdf)p48の受診勧奨判定値(HbA1c6.1;JDS)以上の方は、基本的に医療機関紹介されており、ガイドライン(http://www.lifescience.jp/ebm/cms/ms/no.19/topics.pdf)に基づく医学的評価が必要である。しかし、受診した医療機関では、随時血糖だけで大したことないといわれ、簡単な生活指導のみの方々が少なくないであろう。健診後の受診は診療所が多いが、管理栄養士がいない診療所がほとんどである。まずは適切な医学的評価と栄養指導を含む生活指導が重要であるのはいうまでもない。そのための体制をどう構築していくか、それぞれの地域で進めていく必要がある。さて、一昨日、生活習慣病指導者研修会に参加したのであるが、コメディカルがほとんどである。県内N市では、健診でHbA1c7以上の方は、2ヵ月後のレセプトで受診を確認し、未受診者には電話・訪問で受診勧奨している。また、必要な方は医療機関と連携して訪問指導を行っており、コントロールが良くなったとのことである。そういえば、以前の老人保健事業の基本健診では通院中の方は健診対象から除外されていた。基本健診の対象者は国保だけではない。全国標準の電子データ管理もない。実施機関の情報公開もない。特定健診制度になって、保健事業には革命的変化が起きているように感じる。老人保健事業個別健康教育と特定保健指導を比較するまでもないであろう。問題は、市町村保健センターの認識が変化していないことかもしれない。その証拠に、厚労省資料(http://nk.jiho.jp/servlet/nk/release/pdf/1226502959300)p90~に出ているように、「健診データとレセプトデータの突合分析」があまり実施されていない。厚労省資料(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb14GS50.nsf/0/22487f2561e33a4c4925784f001eb3b2/$FILE/20110310_7shiryou3_2.pdf)p24~28に出ているように、入院レセプトで心血管イベントをみることもできるのである。とにかく、市町村保健センターの認識を転換し、レセプト評価のノウハウを普及させる必要を感じる。また、医療の標準化のためには、分析データをもとにした、地元医師会・医療機関との協議が不可欠であろう。但し、レセプト評価に関しては、市町村保健センターの保健師・管理栄養士に働きかけるだけでは進まないことを、研修会後にH保健師の話を聞いて感じた。中央からの仕掛けが必要かもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする