友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

テレビドラマ『スマイル』

2009年07月08日 11時12分23秒 | Weblog
 孫娘が録画していたテレビドラマ『スマイル』の最終回を観るというので一緒に付き合う。実はいつだったか、放映されたものを私は見ていた。家にひとりだった時で、パソコンに向かいながら時々居間の方へ戻ってテレビを見るという全く「気合が入っていない」テレビの見方だった。長い時間がかかる連続ものとなるとそんなに真剣に見なくてもいいように思ってしまう。多少場面が飛んでもその部分は想像力でカバーしてしまおうというわけである。だから逆に、全く違う展開を想像していたという「勝手な思い込み」も多い。それをまた「愛嬌だよ」と周囲に言い聞かせるから怒られてしまうことになる。

 『スマイル』は「嵐のマツジュン」が主演のドラマだ。裁判員制度が始まることを意識して作られている。ストーリーは簡単で、フィリッピン人と日本人との間に生まれ、日本で育ったマツジュンが昔の不良仲間を殺してしまう、その裁判が裁判員制度の下で行なわれるというものだ。マツジュンを助ける弁護士を中井貴一が演じている。こんな骨のある弁護士は本当にいるのだろうかと思うし、実際にこの弁護士はどんな仕事をして生計を立てているのかとも思ってしまった。知り合いの弁護士は「弁護士も過剰ですから、大変です」と言っていた。

 ドラマそのものがそんなにリアリズムに徹したものではないので、えっ!そんなのないだろうということはいくらでもあるから、まあいいかとは思うけれど、中井貴一が演じる弁護士が在日韓国人だったのには少々ガッカリした。中井の容姿から韓国人はうなずける。そういえば、中井は映画でも北朝鮮から工作員を演じていたが、まあ、そんなことはどうでもいいか。在日韓国人だから、同じ辛い思いをしたマツジュンを助けたいと強く思ったというのではあまりにドラマが安っぽくならないかというのが私の思いだ。理不尽なことを解決しようとするのに、容易に納得してしまう設定であることが不満だった。

 マツジュンがハーフ(こういう言い方はダメだそうで、ダブリュって言うのだそうだ)なのはいい、実際にマツジュンは風貌もそれらしいし、演技もそれらしかった。ところで、どんなに悪い奴であったとしても、また正当防衛だったとしても、「自分は人を殺してしまった」とマツジュンは死刑を受け止めようとするのだが、中井貴一の弁護士はそれを身勝手だと言う。「自分だけ納得して、それでいいのか。お前の周りの人のことも考えろ」と言う。「死んでお詫びをしたい」と言っていたマツジュンも恋人と話していて、「死ぬ意味がわかって、生きたいと思った」と告白する。人を殺してしまったことと死刑判決とのかかわりを考えさせられた。

 最後に中井貴一弁護士が「あきらめずに戦い続けること、我々は一人ではない」と結んでいたが、ドラマの最後の場面は刑を終えて出所してきたマツジュンが恋人と再会し、夢であった多国籍料理の店にみんなが集まってはしゃいでいる。こんなにハッピーでいいの?私はこれから岐阜へ行き、街宣車を松阪の友人のところへ届けるために出かけます。
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