友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

東北は山がちで緑も深い

2023年09月30日 15時42分16秒 | Weblog

 車窓から見える関東平野は、どこか故郷の三河台地に似ている。山が見えないし、田んぼよりも畑地が続いている。工業地帯になっていく条件が揃っているようだ。それにしても、三河台地よりも関東平野は広いように思う。

 東北は山がちで、緑も深い。山道をくねくねと走るバスから見ていると、大きな樹木が生い茂っている。飛騨や信州の山も樹木で覆われているが、奥州よりは人の手が入っているような気がする。

 山と山の間に広がる盆地は、コメやソバが植えられている。麦はあまり見なかったが、刈り取られた後だからだろう。稲刈りの終わった田んぼもあったが、まだ黄金色の田んぼの方が多かった。それにしても、雑草が生えている田んぼもあり、人手が足りないようだ。

 作業している農夫の姿はあまり見かけなかった。観光地では人も車も多かったのに、そこを離れると車や人影が少ない。山にはよく育った樹木がいっぱいあるのに、管理する人がいないのかと思うほどだった。

 俳人・芭蕉の「奥の細道」を求めた旅行の企画だったようだが、芭蕉が歩いた頃はもっと山深く、歩きにくかったことだろう。可愛いガイドにはたくさん教えられた。東北と言えば「こけし」を思い出すが、「こけし」は弁慶が、生まれたばかりの義経の子をあやすために作ったとは知らなかった。

 「こけし」の首を回すと、キュキュと鳴るのはそのためらしい。今、東北にやって来る外人は多いが、温泉と「こけし」作りのセットが人気だと言う。そういえば、2日目に泊まったホテルには、「赤ベこ」の塗り絵があって、それぞれの思いで色付けしていた。

 「べこ」は東北弁で牛のことで、子どもが生まれると親戚や友人が贈るという。鶴ヶ城の築城にたくさんの石や土が、馬や牛によって運ばれた。あまりに過酷な作業だったので多くの馬や牛が死んでしまったが、赤牛が生き残ったことから、安全と繁栄を祈る飾り物になったという。

 ガイドはとても勉強家で、このほかにもいろいろと教えてくれたのに、もう忘れてしまっている。夜中に蚊に刺された話に、私は思わず足を見てしまった。松島で芭蕉の名句を紹介し、「皆さんも俳句を作ってみてください」と言う。 「松島の海美しくガイド可愛」。

下の写真は蔵王の火口湖

 

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旅の終わりは楽しくにぎやかに過ぎた

2023年09月29日 17時48分02秒 | Weblog

 南東北の名湯巡りは、終わってみれば楽しい旅で、「不思議な天候」に恵まれていた。松島湾の遊覧で始まり、夕方の街灯がとても優雅な銀山温泉街をそぞろ歩いた。先輩がどうしても行きたいと言うだけあって、銀山温泉の街並みはとても魅力的だった。そして夜は、蔵王温泉の宿に泊まった。

 小川を流れる川音がうるさいと思ったら、雨が激しく降っていた。雨降りの旅行か、ついていないな、そう思いながらバスに乗り込む。朝は雨降りだったのに、山寺に着いた時は止んでいた。皆さんは奥の院まで、115段あるという石段を登って行ったが、先輩は「登らない」と言うので、仁王門まで行き、宝珠橋を渡って芋煮会の時の大きな鍋を見に行く。

 昼食後は蔵王のシンボル、エメラルドグリーンの火口湖の見学である。バスが山道を登って行くと雨が再び降り出してくる。ところが霧の中を通り過ぎると雲が下になる。眼下に美しい雲海が広がり、青い空まで見える。駐車場から火口湖へ歩く。以前来た時もエメラルドグリーンがよく見えたが、自然の持つ力の美しさにまた感動した。先輩もケイタイで写真を撮っていた。

 裏磐梯五色温泉のホテルに着く。昨夜の宿はガッカリだったが、期待出来そうなホテルだった。食事はバイキングで、好きなものが食べられて美味しかった。先輩が飲みたかった焼酎が無かったので、「東北に来たのだから日本酒にしましょう」と桝酒をいただく。食事が終わると客は次々といなくなる。私たちが最後になってしまった。

 朝、起きて風呂に行く。露天風呂も気持ちよかった。腰の悪い先輩を見守りながら湯船に浸かる。先輩も全身をシャボンで洗い、気持ちよさそうだった。けれど朝、やはり雨が降っていた。ところが、鶴ヶ城に着く頃には止んでいた。若い可愛いガイドが「皆さんは本当に心がけがいいんですね」と感心する。

 カミさんたちは天守閣まで登って行ったが、私は先輩と一緒に下で彼女たちを見守る。そこから南にある、昔の宿場町を再現した大内宿へ。昼食をとり、街道の散策となる。茅葺の家が40件ほど連なっているが、ほとんどが軒下で小売りし奥でソバを食べさせていた。

 最後に郡山まで行き、バスを降り東北新幹線で東京へと向かう。名古屋に着くと有難いことに、先輩の長女夫婦が迎えに来てくれていた。好意に甘えて車に乗り込み、北名古屋市の店で食事にする。先輩もやっとゆっくりと焼酎が飲めて満足そうだった。私たち夫婦はワインをいただく。旅の終わりは楽しくにぎやかに過ぎた。

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なあーに、これが人生と思えば楽しい

2023年09月25日 17時07分51秒 | Weblog

 秋分が過ぎ、朝晩はすっかり涼しくなった。明日から山形県の銀山温泉へ、2泊3日の旅に出かける。何気ない話から先輩が、「銀山温泉に行ってみたい」と言ったので実行することになった。ただし、銀山温泉ではなく、蔵王温泉で宿泊するツアーだった。

 1日目は新幹線で名古屋から東京へ、そして乗り換えて仙台まで行き、松島湾を船で遊覧し、その後で大正ロマンの溢れる銀山温泉街を散策し、午後7時過ぎに蔵王温泉に到着というかなりきついツアーである。

 2日目は立石寺を参拝し、蔵王エコーラインを利用して蔵王の火口湖を見学し、裏磐梯五色温泉に泊まる。3日目は鶴ヶ城を見学し、郡山駅に到着し東北新幹線で東京へ、再び新幹線で名古屋へ帰るプランだが、名駅に到着するのは午後8時近い。

 もう少し年寄り向きの、ゆったりしたツアーは無いのかと探すが意外に見つからない。せっかく行くなら、あそこもあそこもと見て回りたいのが人情なのかも知れない。しかし、先輩は腰を痛めているから、大丈夫かと心配になる。

 マンションに入居し、気の合った家族で持ち回りで「誕生日会」と称して、食事会を行って来た。食事だけでは飽き足らなくなり、旅行を計画するようになり、海外旅行にも行った。長い年月が過ぎてみると、亡くなった人が3人もいる。

 今回の銀山温泉は、我が家と先輩の家の2家族だけになった。そのうち旅行には行けなくなるだろうから、これが最後なのかも知れない。などと、そう悲観的に考えずに、行けるうちは行こうと思う。どうあがいても、人の一生はその人しか生きられない。

 暑い日々が過ぎ、青い空と白い雲が美しい季節がやって来た。人生もそんなものだろう。どんなに暑い日が続いても、何時しか涼しい日がやって来て、そして耐えられないほどの寒い日々もやって来る。寒さに凍えていると、やがて花の咲く日が巡って来る。

 耐えて生きていれば、ホッとする時が来る。けれどまた、辛い日々も訪れる。なあーに、これが人生と思えば楽しい。さて、明日からの旅行の準備をしよう。そんな訳で、明日から3日間はブログを休みます。

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多くの人は夢のことなど忘れてしまう

2023年09月24日 17時49分16秒 | Weblog

 3日間はあっという間に過ぎてしまった。茨城から次女と小3の娘が、22日の夕方にやって来た。長女の娘で2児の母となった孫娘が迎えに行き、ふたりを連れて来た。隣りの部屋で2家族5人で寝起きし、食事やおしゃべりや遊びはこちらの部屋へやって来る。私たち老夫婦は、食事の用意と後片付けに大忙しだった。

 小3の孫娘は、血のつながる姪っ子やハトコ(?)に会えることが最大の喜びのようだ。私たちの世代までは、兄弟姉妹が多かったけれど、私もそうだが子どもはふたりしかいない。しかも結婚しないケースもあるから、当然子どもの数は少ない。

 それでも孫娘の子どもであるふたりの曾孫の男の子を見ていると、子どもはとても素直で可愛いと実感させられる。小3の孫娘も、中2の孫娘も、とっても可愛がっている。中2の孫娘は28日・29日が学期末試験というので、長女である「鬼ママ」に「勉強」を強要され、今日だけの参加になった。

 中2の孫娘に学校の様子を聞くと、私たちの時代では考えられない程の詰め込み教育が行われているようだ。つまづいても質問することも出来ない。いや、何につまづいているのかも分からないままに進んでしまっているのだろう。

 小3の孫娘は、まだ学校生活を楽しんでいられるようで、ふたりの男の子の名前がよく出て来た。ひとりは医者の息子で頭もよく物知りだけど、ちょっと落ち着きが無いと言う。小2の時にテレビで小澤征爾が指揮するオーケストラを観て、「ぼく、バイオリンの演奏者になりたい」と言い出し、実際にバイオリン教室に通っているという。

 そこで小3の孫娘に、「あなたは何になるの?」と尋ねてみると、「ピアノは好きだけど‥」と自信の無い返事だった。「あれッ、アイドルじゃーなかった?」と皮肉を言うのは抑えた。子どもの時の夢に向かう人もいるが、多くの人は夢のことなど忘れてしまう。それでいいんだと思えるようになるのは、随分老いてからだ。

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現場を見て回っている首長や議員はいるのだろうか

2023年09月21日 17時26分49秒 | Weblog

 愛知県東郷町の幼保連携型こども園で、園児の人格を否定する言葉を使うなどの保育があったと問題となり、保育士5人が退職したという。実態を知らないのでビックリするが、5人も辞めたら園は回っていかないのではないかと心配になる。

 夫婦共働きで無ければ生活できないから、子どもの数は少なくても保育園の必要性は高い。けれど、園児は幼いから聞き分けは出来ない。保育士の労働は過密になるのに、賃金は低い。高齢者が急増し介護施設の必要性が高いが、そこで働く人の賃金も低い。

 保育園や介護施設を訪れてみればよく分かる。新しい所ほど若い人が多く働いている。やりがいを求めて就職したのだろうが、目先の忙しさに振り回されている。経験が浅かったり、責任者がハッキリしなかったり、以前では考えられないような、ギクシャクした職場になっているようだ。

 一番の原因は、国の見通しが甘く場当たりでやってきたからだ。人口の推移は発表されても、政策に活かされていかない。予算は各省の分捕り合戦で、そこに政治家も絡んでくるから、明日の国の姿など吹っ飛んでしまっている。

 誰でも8時間働けばそれなりの生活が出来る。それが国造りの基本だろうに、いったい国は何をしているのかと腹が立つ。けれど、国会議員を選んだのも、地方の首長や議員を選んだのも、私たち有権者だ。有権者が本当は一番悪いのかも知れない。

 でも、有権者は生活者だから目先のことに追われてしまう。それで「政治家」ばかりが安泰に暮らしている。まず地方議員が、「これはおかしい」という地域の問題を提起し、議員同士で論議を重ね、住民を巻き込みながら、地方から変えていくしかない気がする。

 自治体は財政が逼迫していると言い、合理化だ、統合だ、廃止だと言うけれど、そうなった原因を住民に知らせ、どうすべきかを議論する場を設けていない。現場を見て回っている首長や議員はどれだけいるのだろう。

 明日から次女とその小3の娘が来る。2児の母親となった孫娘も子どもを連れて来る。カミさんは大張り切りだ。そんな訳で、24日までブログを休みます。

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「資源ゴミ出しに行くわよ」と声がかかる

2023年09月20日 18時04分12秒 | Weblog

 歯科の定期検診の日、診察室の窓から外が見える。するとポツポツ雨が降って来た。今朝は良い天気だったから、雨になるとは思わなかった。ところが雨は次第に激しくなり、風も吹いて来て、まるで嵐のような荒れ模様となった。

 傘を持って出なかったから、医院で電話を借りて、カミさんに傘を持って来てと頼もうと考えていた。診療が終わる頃はもう、滅茶苦茶な降り方になっていた。医院の女性が、「奥様が傘を持って来ていただいています。外の駐車場でお待ちです」と伝えてくれる。

 助かった。カミさんの方が心配して、わざわざ車で迎えに来てくれるとは、何という優しさだろう。医院の前の道路は冠水し、車が通る度に水しぶきが上がっている。道路を行く人は、足首まですっぽり水に浸かっていて、歩くことも危なげだ。

 テレビで線状降水帯の街の様子を見るが、まさか目の前にそんな光景が広がるとは思わなかった。持って来てくれた傘をさして車に乗り込むが、横殴りの雨に濡れてしまう。「ありがとう。本当に助かったよ」と礼を言う。車の前も後ろも激しい雨でよく見えない。

 通りの車が止まってくれたので、カミさんはそこに割り込み、お礼の点滅をして車を動かす。意外にシャレたことをすると感心する。道路はどこも冠水していて、車が通るたびに大きな波が起きる。

 無事に駐車場に車を入れ、空の様子をしばらく見守ることになった。長く続く雨ではないようで、西の空が少し明るくなって来た。気象予報士が「暑さ、寒さも、彼岸まで」と言っていたが、本当にそう願いたい。余りにも暑い日が続き過ぎた。

 今日は資源ゴミを出す日だが、集積所も雨で大変な状況だろう。集めに来る人が可哀想だ。2週間分を溜め込んでも、私の物入れ場が狭くなるだけで、腐る物では無いし、今日のところは我慢しよう。カミさんの思いやりに感謝して。今、カミさんから「資源ゴミ出しにいくわよ」と声がかかった。

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やりたいことが出来たからよかった

2023年09月19日 17時33分32秒 | Weblog

 カミさんは朝早くからゴルフに出かけたので、今日は車を使うことが出来る。いろいろプランを考えていたのに、時間はアッという間に過ぎていった。ひとりで朝食を取り、食洗器をセットし、洗濯物を干し、掃除機で床をきれいにする。

 火曜日は生協の宅配日なので、早く配達してくれれば時間が取れると願っていたら、今日は来るのが早かった。品物を冷蔵庫により分ける。賞味期限の短い物は、その日付をメモに書いておく。こうした作業が終わり、意気揚々と車に乗り込んだ。

 丁度お昼になる時間だ。久しぶりにいつも行く喫茶店に行ってみようと車を走らせる。昼食時だからもし混んでいたら、先に小牧市図書館に行けばいいと考えていたが、駐車場はガラ空きだった。休みか?と思ったが営業していた。

 いつもの席に座り、いつものメニューを頼む。この喫茶店のウエイトレスは細身で背が高くて、ミニスカートから見える足がキレイだ。注文を聞きに来た時と、品物を持って来る時しか、見ることは出来ないが、唯一の楽しみだ。

 食事の後、介護施設に入っている先輩にケーキを届けようと、私が好きなケーキ屋さんへ行く。ケーキはデコレーションのものを4等分してもらい、職員に食べてもらう焼き菓子を買う。そしてスーパーマーケットに寄り、バナナとヨーグルトとバニラアイスとゼリーを買う。

 きっと喜んでくれるだろうと思ったのに、介護施設は「面会は予約制となっています」と冷たい。職員の人に「これは皆さんで頂いてください」と箱を渡し、スーパーマーケットの袋の物は「本人への差し入れです」と手渡す。「お名前は?」と聞いてもくれなかったので、後から先輩に電話したが届いていた。

 「介護施設なのにさあー」と、ゴルフから帰ったカミさんに愚痴ると、「電話もせずに出かけるあなたが悪い」と叱られてしまった。兎にも角にも、やりたかったことが出来たのだから、よかったことにしよう。

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花が咲くのはもう少し先になるだろう

2023年09月18日 17時34分16秒 | Weblog

 南西の方向から黒い雲が近づいてきた。パラパラと雨音がする。雷の音と共に、激しく雨が降って来た。これで、猛暑とはおさらば出来ると思ったのに、部屋の温度計は30度湿度70%を示し、余りに蒸し暑いので堪らずエアコンを点けた。

 しばらくすると、雨が止んで陽が射して来た。洗濯物をベランダに移して干す。9月とは思えない、この危険な暑さはいったい、いつまで続くのだろう。午後4時過ぎ、また暗くなって来て、雨が激しく降って来た。急いでベランダの洗濯物を部屋に入れるが、激しい雨で濡れてしまっていた。

 昨夜、新聞に最終回と書かれていたので、話題のドラマ『VIVANT』を観た。主人公役の堺雅人さんは、連続テレビドラマ『半沢直樹』で有名になった人だが、どういう訳か分からないが、私の好みの俳優ではない。初めから観ていないためか、うるさいばかりでストリーも理解出来ない。

 ただ、自衛隊には「別班』と呼ばれる組織があり、存在を隠して活動していることは確かなようだ。各国の動向を探ることは、何よりも自国の安全のために必要な活動と叩き込んで、今も、どこの国も、そんなスパイ活動を行っているのだろう。自国防衛を掲げる日本の自衛隊も、例外であるはずがない。

 警察組織にも犯罪を担当する刑事部と、治安を担当する公安部があるようで、公安部は怪しいと思う個人や組織を徹底して見張る。1970年代にセクトの対立から内ゲバが流行ったが、中には公安部がセクトを名乗って鉄棒を振り回したという。

 『VIVANT』ではテロ組織の目的が孤児の救済であったが、余りにもきれいすぎる気がした。やはり、金目当てに暗躍する内部対立へと転じていった。ロシアの民間軍事組織を立ち上げたプリゴジンのことが頭に浮かぶ。愛国とか正義とか、人はどうしてこうした言葉に弱いのだろう。

 猛暑が終われば秋が来る。マンションの築山を見てきたら、ヒガンバナが背を伸ばしていた。花が咲くのはもう少し先になるだろう。それでも秋は必ず来る。

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また時々はこうして会いましょう

2023年09月17日 17時30分31秒 | Weblog

 特定非営利活動法人「おたすけ」の社員総会は、全員一致で解散することを決議した。しばらく皆さんに会わなかったが、元気な姿に出会うことが出来てよかった。ただ一人、メールしても返事が来ない友だちがいるから、何とかして会いに行こうと思っている。

 久しぶりだったためか、昔話などに花が咲いた。その中で日頃は無口な先輩が、「ちょっと、いいですか?」と話し始めた。井戸掘りに参加していた頃は面白かったこと、途中から参加しなくなったが、その原因が難聴だったことを明らかにした。

 話していてもチンプンカンプンなことが多かったが、それは難聴のためだったのかと理解できた。道ですれ違っても、「アア」とか、「ウンウン」とかだけなので、変人と見ていた。きっと先輩もそれが気になっていたのだろう、みんなに感謝とともに、「申し訳なかった」と話す。

 そして更に、下血があり、病院にいくと、医師から「ストレスだ」と診断された。「これを食べてはいけないとか、酒は飲んではいけないとか、具体的な指示はなく、ストレスを与えないように」と言われ、「蛍の養殖など、みんなで行う作業は全て止めた」と話す。

 今日の総会も一足先に来て、会場づくりを頼んであったのに、集会所の前まで来ているのに一向に入って来てくれなかった。いくら大きな声で呼んでも、いつものように拗ねていて見向きもしないのは、聞こえていなかったのだ。耳が聞こえないから、やり取りが出来ないので、自分から引き籠っていたのだった。

 先輩は80歳だが、その隣に座っていた先輩は85歳で、いつもながらほとんど他人の言うことは聞いていない。喋り出すと自分が会社でいかに働いてきたかが延々と続く。戦後の貧しい時代を生き抜き、好景気の中で必死になって働いてきた私たちの世代の典型である。

 NPOは解散するけれど、また時々はこうして会いましょうと約束して会議を終わった。

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火曜日か水曜日に、会いに行ってみよう

2023年09月16日 17時31分24秒 | Weblog

 まだまだ猛暑が続いている。部屋の温度計は、気温33度湿度55%を指している。湿度は少し下がったけれど、ムッとする暑さは変わらない。昨日も暑かったが、それ以上にテンテコ舞いだった。

 暑さで下着1枚でいると、90歳になる先輩から電話が入った。「誰にも頼めんで、あんたにお願いする」と言うから、「ああ、いいよ」と話しを合わせていたら、「すぐ来てくれんか」と言う。

 「車が無いから明日ではダメなの?」と答えると、「タクシーで来てくれたらいい」と言う。余程焦っているのだろう。「お腹の具合が悪くて、何にも食べていない。カステラ、ヨーグルト、プリンが食べたい」とさらに言う。

 急いで着替えてタクシーを頼む。「少々お時間がかかりますが、よろしいでしょうか」とセンターの女性が言う。「待っていますから」と答えて1階へ降りる。するとまた先輩から、「施設の玄関で待っているから」と、催促の電話である。

 迎えに来てくれたタクシーの運転手に事情を話し、施設に着いたらそこで少し待ってもらうこと、スパーに買い物に行くのでそこでも待機し、施設に帰ったらまた話をしてくるので、また待ってもらうことになると告げる。

 先輩は私と一緒にタクシーに乗って買い物に行きたかったようだが、車イスの乗り降りには介助がいる。施設の職員が出てきて「ダメ」と言われてやっと納得する。施設でも、家でも、先輩の言うことを聞き入れてくれる人がいないのだ。

 誰に話しても全て否定され、寂しいんだなと痛感する。稼業を盛り立て、子どもたちを育ててきたのに、自分の話を誰も聞こうとしない。「お父さんはワガママ」と叱られてしまう。本当は少し、話し相手になって欲しいだけなのに。

 先輩が欲しそうな物を買い、届けると嬉しそうに袋の中を見て、「カステラが2袋ではすぐに無くなってしまう」と言うので、「その時はまた連絡して。すぐ買って来るから」と話す。日曜日は特定非営利活動法人「おたすけ」の社員総会で時間が取れない。

 火曜日か水曜日に、カミさんに頼んで車を貸してもらい、会いに行ってみよう。

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