友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

本当に怖い社会ですね

2008年11月26日 21時25分29秒 | Weblog
 私がいつもお世話になっている町の印刷屋さんに、印刷のお願いがあって出かけた。お父さんは私とほぼ同じくらいの歳だから、息子のような若い印刷屋さんだ。「学校の先生の採用もコネがあったんですね」と彼が言うから、「それは昔の話で、今はそんなことはないと思うよ。むしろ、成績の良い人ばかりが採用されるから、勉強がわからない子どもの気持ちが理解できない先生が多くて、現場では困っているそうだよ」と私が答える。

 彼は「そうですよね。田んぼや小川におたまじゃくしや小魚を採りに行くようなことを、やってくれる変わった先生はいないですかね?」と言う。「残念ながらまずいないね。そんなことをしたら校長が『誰が責任を取るのだ』と怒鳴るでしょう。子どものことよりも、身の安全というか、何事もないことが大事にされていますから、つまらなくなりましたね」と答える。

 「世の中全体がおかしいですよね」と彼は私に同意を求めてくる。「ええ、確かに」と、私は昨日書いた“匿名性社会”を思い出していた。「お孫さんは中学生でしたか?」と言うので、「そうですよ。2年生です」と答えると、「塾へ行っていますか?送り迎えはどうしています?」と聞いてくる。「大体、私が車で送っていき、迎えにも行きますが、そうなると食事の時に飲めないので、いやですね」と話す。すると彼は真剣な顔で、「その方がいいですよ。どんなに近いからといっても、子どもの帰りは遅いですから、やはり車で迎えに行かなくちゃーダメですね」と言う。

 「実は昨夜、塾の帰りに娘がひったくりに遭ったのです。ひったくりだけですんだからよかったけど、車にでも連れ込まれていたらと思うと、絶対に親が送り迎えしないといけないなとつくづく思いました。やってあげているのは正解ですよ」と力んで言う。「この辺は田舎で、そんな犯罪とは無縁だと思っていました。治安の心配は要らないと思っていたけど、自分の子どもがそういう目に遭って、都会だからとか田舎だからとか、そんなことはもう関係ないんだと思いました」と話す。

 小学生の女の子が車に連れ込まれた事件もあった。殺されてしまった子どもたちもいた。誰でもいいから殺したかったという事件も多い。いったいこれはどういうことなのだろう。学校では、知らない人から声をかけられても答えないようにと指導している。人に会ったら、元気よく挨拶しましょうと教えていたのに、全く矛盾することを指導しなくてはならない。人と人が仲良く暮らせることが一番大事なことなのに、人を見たら何をするかわからないから注意しましょう、そんなことでは決して仲良く暮せない。

 社会の進歩がこうした現実を作り出したのか、人間そのものがそうした社会を作り出す要素を持っているのか、印刷屋の若い主人ではないが「本当に怖い社会ですよね」で終わっていいのかと思う。
コメント
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