友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

1/4分の奇跡って何?

2008年11月29日 20時58分05秒 | Weblog
 ドキュメンタリー映画『1/4の奇跡』の上映会と映画の主人公である山元加津子さんの講演会が行なわれ、私も友だちを誘って出かけた。私が高校で教えていた時の卒業生の子もわざわざ来てくれた。映画の題名となった1/4とは何か、ずっと気になっていたが、山元さんがNHKテレビで見た話だったとわかった。

 それは、アフリカでマラリヤが流行って、ある村が全滅するのではないかと思われたけれど、マラリヤに罹らず生き残った人々がいた。赤血球が鎌形の人たちだった。それで調べてみると、1/4の人は障害のある人だがマラリヤに罹らず、2/4の人は障害のない普通の人でマラリヤに罹り、残る1/4は亡くなった(と言われたけれど?)。そこからの論理展開が私にはよく理解できなかったが、山元さんの言葉を借りれば、「障害のある人や病気になった人たちのおかげで、私たちは存在している」。

 山元さんは石川県立の養護学校の先生である。映画で観て講演を聞く限り、とてもいい先生であるし、「すごい!」先生だと私も思った。こういう先生に巡り合えた子どもたちは幸せだと感じた。山元さんは子どもの頃から「変な子」であったようだ。ちょっと変わっていて、犬に話しかけたり、便所に入っても2時間もウンコのことを考えたり、人間のウンコは汲み取りに来てくれるけれど、象やライオンのウンコでどうして野原はいっぱいにならないのか、そんなことを考えることが好きな子だった。

 変な彼女を心配して「頭がおかしいのでは」と言う大人もいたようだ。けれども彼女のお父さんは「人の言うことなど気にしなくてもいい。加津子はとてもいい子だ」と言ってくれたそうだ。桜はなぜ4月に花を咲かせるの、どうして水があり石があり土があるの、色々な疑問がある時、ふと「そうだったんだ」と理解できたと言う。

 この世に要らないものは一つもない。宇宙はうまくできている。それぞれがそれぞれに、大丈夫なように創られている。「生まれてきて本当によかった」「みんな必要があったから、生まれてきたんだ」「人は愛するために、そして愛されるために生まれてきた」。不要なものなどひとつもない。出会った人は必要だったから、出会いがあった。全てのことは必然だ。いかにも偶然の出来事であるが、それは必然であったのだ。偶然の積み重ねは必然の積み重ねだったのだ。

 確かに山元さんが言うように、この世の中はたった一つでも欠ければ全てが成り立たない。だから一つひとつは大切な存在なのだ。「自分は自分でいい」「みんな素敵なんだ」。そんな風に考えれば、生きていることはますます楽しくなる。明日は今日よりもさらによい日になるだろう。そんな気持ちが湧いてくる。「いつかの、いい日のために、人は生きている」。

 山元さんはさらに言う。「心の目と心の耳を澄ますこと。自分を信じること」。彼女の話の多くに共感しながら、でもどうしてだんだんと宗教臭くなっていくのだろうか、まるで船井幸雄さんに近づいているじゃないか、などと思ってしまった。
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