江戸時代の大名が宿泊や休憩をする宿であった半町本陣梶山家の調度品や旅の道具を展示する「半町本陣梶山家資料展」が、4月16日(金曜日)から7月14日(水曜日)まで、箕面市立郷土資料館で開催しています。
「半町本陣梶山家資料展」の展示品の中にある、老中からの御證文(ごしょうもん)写しには伊能忠敬(勘解由)を中心とする幕府の測量隊が西国街道を通ることが記されており、伊能忠敬は文化6年(1809年)11月8日に半町本陣梶山家に宿泊し、西国街道の測量とともに、箕面大瀧の高さや恒星測定をしたことが伊能忠敬測量日記に記されています。
この御證文写しは今宮の民家から見つかったもので、もともと3通あった御證文写しのうち1通だけ残されており、誰が記録したかは定かではありません。
また、同資料館所蔵の梶山家資料である関札やお膳などの宿場の調度品に加え、笠やわらじなどの一般的なものから旅の道具である矢立(やたて)(携帯用筆記用具)や胴巻き(財布)など現代でも旅行の際に携帯するような道具も展示しています。
箕面市役所総務部総務課所蔵の歴史資料では、宿泊客がどこの部屋に泊まるかを図にした宿割図や宿泊客の名簿である宿帳などを展示し、江戸時代の宿場の役割について分かりやすく説明しています。宿場に寝具を忘れた旨の手紙や宿場で提供していた料理の献立などの記録も残されており、来館者が当時の宿場の様子を感じられる展示となっています。
企画展示スペースに入ると、西国街道沿いの宿場の位置図や半町本陣の模型、本陣について説明するパネルが展示されており、半町本陣の概要を知ることができます。
次に展示されているものが、伊能忠敬についての御證文を含む古文書などです。江戸幕府の役人が宿泊した記録や大名による参勤交代の道順の変更を知らせる手紙、大名の名前が大きく書かれた関札などが残っていることから、当時の本陣で働いていた人たちが、宿泊客の要人にとても細やかに対応していたことが分かります。
また、箪笥などを汚れや湿気から守る布である油単(ゆたん)に施されている家紋には、梶山家のものと梶山家に嫁いだ女性のものとがありました。これは、当時の関西ならではの風習とのことで、嫁入りした女性は嫁いだ先でも自分の家紋が施された家財道具を使用していたそうです。
同資料館学芸員の林 和枝(はやし かずえ)さんは、「大名が参勤交代で通行していた西国街道沿いに箕面市半町という地域が位置していたという特殊な状況があったことから、数多くの資料が残っており、今回の企画展を実現することができました。来館者のかたには、当時の文書や道具をとおして、本陣に勤めていた人たちの働きぶりや現代に残るおもてなしの精神を感じていただきたいです。また、油単(ゆたん)の家紋では、関西独特の風習があることも知ることができますよ。」と話しました。
<半町本陣梶山家には有名な伊能忠敬も宿泊したんだね!
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