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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

盧綸

2018年12月21日 | 漢詩

盧綸と言ってもあまり知る人はいない

中唐の詩人である。生年で言えば、李

白よりおよそ50年後に生れ、白居易よ

り20年先に生れた。大暦の十才人と言

われ、その中には銭起、耿湋など日本

で親しまれている詩人が含まれている。

盧綸の生涯に大きな影響を与えたのは、

安史の乱の内乱である。幼いころに乱

を避けて江西省に移住している。大暦

になって長安に出て進士の試験を受け

るが何度も落第の憂き目を見た。盧綸

にとって長安は、花の都という風には

見えなかった。盧綸が詠んだ7言律詩

に「長安春望」というのがある。

東風雨を吹いて青山を過ぐ

却って千門を望めば草色閑かなり

家は夢中にあって何れの日にか至らん

春は江上に来って幾人か帰る

川原繚繞たり浮雲の外

誰か念わん儒となって世難に逢い

独り衰鬢を将って秦関に客たらんとは

詩人は、長安の春を景色を見ながら、

故郷を思い、世難という言葉を使って

困難な時代に遭遇した身の不遇を嘆い

ている。

この詩に出会ったのは、岳風会の連吟

コンクールの課題吟に選ばれたためだ。

詩の感性は、1200年の年数を経過し

てなお瑞々しい。

 

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