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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

酒田 鵜渡川原人形

2013年10月06日 | 日記


庄内地方には伝統芸能や伝統技能を保存しようとする気風が強い。「黒川能」や「黒森歌舞伎」などは、その典型だが、鵜渡川原人形もその気風のために、現在も我々の目を楽しませてくれる。この土人形は、江戸時代に日本海廻りの舟運によって、雛人形などと共に京都からもたらされたものだ。

酒田市で鉄鋼業を営む大石家で、江戸末期からこの土人形作りが始まった。以後、この地域では子供が生まれるとその子の土人形を作り、ひな祭りには地区の子どもたちが、自分の人形を持ち寄って雛人形と一緒に飾り祝う風習があったという。現在では「鵜渡川原人形伝承の会」ができ、人形の保存のため、小学校で人形つくりを教えたり、講座や展示会のイベントなどを行っている。

作り方は、石膏で作った人形の型に土を詰めて、人形の素形を作り釜で素焼きをする。できた素焼きの人形に膠で溶いたこ胡粉(貝殻を砕いて作る粉)を塗って下地を整え、さらに膠で溶いた顔料で色付けをする。こうして作る手作り人形は、素朴であたたみを感じさせる。こんな手作業の伝統が、日本のもの作りの基礎になっているとの感想を持った。昨日訪れた鳥海山荘のロビーに、年代ものから新作まで100体を超える人形が展示されていた。
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