常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ワレモコウ

2013年10月02日 | 日記


山形県山辺町の花農家で、ワレモコウの出荷が最盛期を迎えているという。吾亦紅と書く。桑の実の形をした暗紅色の穂が、風に揺れる姿は秋の寂しい雰囲気をかもし出す。すぎもとまさしの歌う「吾亦紅」の歌を聞いてから、この花が妙に気にかかる。

マッチを擦れば おろしが吹いて
線香がやけにつき難い
さらさら揺れる吾亦紅
ふと あなたの吐息のようで
盆の休みに帰れなかった
俺の 杜撰さ 嘆いているか
あなたに あなたに 謝りたくて
山裾の秋 ひとり逢いにきた
ただ あなたに 謝りたくて

歌詞のなかで、俺は母のことをあなたと呼び、その母はすでにお墓に眠っている。その山裾で、吾亦紅はさらさらと母の吐息のような音を立てて揺れている。お墓参りが、こんな風に歌われると、人の心の温かさが伝わってくる。お墓参りの意味を知らされる。

ワレモコウはバラ科の多年草で、蕾の木香紋が4つ割れているからワレモコウという名がついた。この木香紋は、宮中の御簾の上部をを飾る紋様だという。桑の実のような花が持つ寂しい野趣が、多くの俳句にも詠まれている。

またしても日和くづれて吾亦紅 星野 立子
吾亦紅風が持ち去る日月よ   渡辺 桂子


 

 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする