徒然なるままに ~ Mikako Husselのブログ

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書評:今野敏著、『最後の戦慄 〈新装版〉』(徳間文庫)

2023年03月12日 | 書評ー小説:作者カ行

『最後の戦慄 〈新装版〉』は『最後の封印』の続編で、「ミュウ・ハンター」だった日系人シド・アキヤマが再び特殊な戦いの中に身を投じる話です。
21世紀後半、世界は相変らず血と硝煙に満ち、レッド・アメリカと呼ばれるキューバ、ニカラグア地帯で息を吹き返した左派勢力に対抗するアメリカ合衆国軍は苦戦を強いられて、ヨーロッパ共和国連合軍のコマンド部隊一個中隊が救出に向かいますが、彼らが発見したのは敵味方の区別なく築かれた死体の山だった。
その後、イランで独裁体制を敷くアブドル・カッシマーが要塞のような私邸で「平和守備隊」と呼ばれる親衛隊の守りがあっという間に突破されて殺された。
この2件の事件を起こしたのは〈サイバー・アーミー〉と呼ばれる四人組テロリストだった。
その時、テヘランでカッシマーの使いに会う予定だったシド・アキヤマは、ほとんど拉致に近い形で内閣官房情報室の黒崎と名乗る男の元へ連れて行かれ、そこでこの〈サイバー・アーミー〉のことを聞き、この四人組の処分を依頼されます。その四人は、死んだとされていたテロリストたちで、そのうちの一人であるジョナはアキヤマのかつての恋人だった。彼らと彼女は瀕死の状態で、世界を牛耳る多国籍コングロマリット・ゲンロク社の研究所に運ばれ、改造手術によって生き返ったのだった。
アキヤマはそんな四人に太刀打ちできるとは思わず、依頼を断ろうとしますが、断れば直ちに過去の殺人罪等のために逮捕されるが、依頼を受ければそれらの罪が帳消しになると脅され、仕方なく受けることにし、1人では無理なので、チームを組むため、かつて組んだことのあるジャック・”コーガ”・バリー に連絡してほしいと黒崎に頼みます。
この後すぐにバリーはアキヤマを訪ねてきます。アキヤマはチームにあと3人必要であると言い、かつてミュー・ハンターとして活動していた時に敵対していた70歳を超えた中国人の東隆一、メスを手術だけではなく武器としても使う外科医の白石達雄、チベット仏教の高僧からミュウ・ハンターに転身したらしいギャルク・ランパの現在の居所を突き止めるように頼みます。
こうして『最後の封印』で戦った者たちが勢揃いし、新たな敵〈サイバー・アーミー〉との戦いに挑みます。

SF系ハードボイルドなので、戦闘シーンは生々しく血生臭い描写が多く、少々辟易しますが、それでもストーリー展開に牽引力があり、最後まで一気に読めます。
ただ、結末はやや拍子抜けになるかもしれません。


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