梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

鰻の話

2019-03-02 16:50:29 | グルメ
「何か美味しいものを食べたいね」と夫婦でよく話をする、
「何が食べたい?」と改めて聞いてみると中々浮かばない、
金に糸目をつけなくていいからと話し合ってみるが特段とこれをと言う物が浮かばない、
テレビの画面を見ていても「美味そうだね」と言う事はあっても朝から行列をする様な気力は無い、
徳さんのバス乗り継ぎ旅なんかで徳光氏のおすすめと言う寿司屋さんでゲストと3人で8万とか言う寿司を見ていても誰かが奢ってくれると言っても食べたいという気にはならない、価格の話ではなく雰囲気のせいもあるだろうな、店の空気も味のうちだ、
刺身は好きなのだが基本的に自分はあまりマグロをありがたがらない、蟹もエビもさしておいしいという部類にならないのは歳のせいではなく若いころからだ
これはかみさんも同じでそこは気が合う代わりにやはり喰いたいものが浮かばない、
そんな中でかみさんは「美味い鰻を食べたい」と言うのだがこいつも私にはどうしてもという程のものではない、
スーパーで国産鰻はパックで1200~1400円だ、ここまで高騰する前に買ったこともあるがそこまで出して食う程のものでもない
中国産は半値だが一度食べて後悔して二度と手を出さない
三島には富士の伏流水で臭いを抜いた鰻が名物で三島広小路近くに有名な店があり女房の友人が是非と言うので寄ったことがある、
今から10年近く前でも一番安い丼で2800円だった、うな重の最高値は12000円だった、
子供のころよく鰻を捕まえた、細い竹ひごの先に縞みみずをつけた返りの強い「毒針」と言うやつをひっかけて水辺にある鰻の穴を見つけるとそ~と押し込んで竹だけ引き抜くのだがこれで結構釣れる、
少し大きな穴は大抵モクズガニの穴で間違えて入れるとはさみで器用にえさを取られることもあったが此奴も泥を吐かせてみそ汁の出汁にすると結構いけた、
毒針は同じ餌をつけて重しに石を巻き付けて川の淀みに夕方放り込んでおいて朝引き上げる「仕掛け」と言う方法もある、増水した時だと5本に一本くらいかかってる、
もっともひどい野郎がいて仕掛けた本人が引き上げる前に鰻だけ持っていくやつもいて仕掛けを隠すのも技術が行った、
これを「さばいてかば焼きに」なんぞ出来る筈もない、村に2軒の温泉旅館があってそこに持ってゆくと買ってくれるのだ、
子供の小遣い稼ぎにしていたのだが焼きを見ているとさばいた骨をたれをつけて焼いてくれるのでそれも楽しみにしていたものである、
大体鰻とはそんなものだったのでかつ丼5杯分なんぞの食い物ではないと言う感覚なんだがかみさんは「あれなら多少出しても仕方ない」と言うのだがどうしても乗り気がしない
俺だけ近くの蕎麦屋でと言うのもなんか業腹で行っていない、
「なんかうまいもんを喰いたいが何がいいのかね」と相変わらずである、昔ずいぶん美味かったと思うが今喰うとそれほどでもないのは記憶の美化と言うやつかね
それとも味覚がぼけてきたのか、そうだとしたら寂しいもんだ、

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