☆上記は、初めて見た「熊注意!」の立て看板である。
この後、東北各地で、各種の「熊注意!」を見るが、初めて見たので、この時の衝撃は大きかった。
でも、ネタのために車を降りて、ちゃんと写真に収める私のプロ根性^^
・・・実は、私、大槻のインター近くのセブンイレブンで『ジョジョの奇妙な冒険』の最新刊を買っていた。
暇なときに読もうと思ったのだが、結局、読むのは東京に帰ってきてからになった。
それには、アメリカ横断レースをしているジョジョ達が、「熊注意!」の看板のそばを通るシーンがある。
その絵が以下である。
『ジョジョ』の作者・荒木飛呂彦が東北の都市出身なのは有名であるが、こういう時に、出身地スピリッツが発揮されているのですね。
◇
国道114号線を突き進み、トンネルを幾つか抜け、ダムのあると思われる箇所に道がないので素通りし、長い橋を渡り、そして、わき道を左に入り、ヘアピンでカーブ、すぐに、先ほど渡った橋をくぐり、来た方向に戻る。
「うわっ! デカッ!!」
第4のダム<大柿ダム>であった(ロックフィルダム)。
ここは、これ以上進入禁止であった。
国道を戻った先にある管理所敷地にも入れない。
故に、先を急ぐことにした。
下流には、以下のような「放流警報」についての看板があった。
旅の間に、一度でいいから、この放流の警報を聞きたかったが、その季節ではないようで、それは叶わなかった。
◇
国道を少々戻り、地方道49号線へ。
途中でふいに道が細くなったりで、稀ではあるが、対向車との兼ね合いがスリリングであった。
続いて、<横川ダム>に向かったのだが、途中に、<横川ダム>のサブのようなダムがあった。
第5のダム<鉄山ダム>・・・。
この通り、工事中で進入禁止でしたが、堤防みたいで、絵的には寂しいものでした(アース式ダム)。
実は、当初、この鉄山ダムが見つけられず、私は、ちょい下流から、車を停めて、河原を遡ってみたのですが、途中で行き止まりで断念しました^^;
でも、今こうして記すと、そのときの空気の肌合いが蘇って来ます^^
◇
第6のダム<横川ダム>・・・重力式コンクリートダム。
規模は大きいのですが、水の溜りの少なさや、湖面の落ち葉が、寂しいダムに感じさせる。
ここも、季節的なものなのか、進入禁止である。
◇
朝から、ダム巡りに夢中になっていて、食事を摂っていなかった。
二本松城の頃から、何かを食べたくて、でも、せっかくの旅行なので、どこか、ちゃんとした郷土レストランで、現地のものを食したいと思ったので我慢していた。
6つのダムをクリアーし、私は、そろそろどこかで何かを食おうと考えていた。
しかし、ここは山の中、ドライブインさえもなかった。
地方道34号線には、地図上でセブンイレブンがあったが、コンビニで食を満たすのは、どうも嫌だった。
これは、小規模ながらも、嫁さん探しと似ている。
私は優柔不断で、この旅行の中で、後にも同じような状況になるのだが、優柔不断にも、もっと上があるだろうと、なかなか食欲を満たせないのだ。
しかし、この南相馬市の郊外には、食堂さえもなかった。
農道の中を進むのだが、前方を、トラクターが我が物顔で進んでいた。
道が広いところで、そのトラクターを追い越すのであった。
問題の34号線と62号線の角には、セブンイレブンがあった。
やや触手が動いたが、おそらく食堂も商店さえもない62号線に左折した。
ただ、次の目的地には、ダム公園があるので、売店があることを希望した。
・・・そんなものはなかった。
しかも、遠目にしかダムが見られなかった。
・・・第7のダム<高の倉ダム>・・・(重力式コンクリートダムだろう)。
◇
そして、ここから、「ダム・ファッカー」の福島篇のクライマックス「峠越え」が始まる。
地図にも載っている地方道62号線は、山道であった。
旅を終えた今となっては、東北の各県で同じような状況に陥ったが、この時点では衝撃であった。
最初こそは、以下のような、「伐採予定樹」などを見て、何か珍しくて喜んでいたのだが、すぐに悪夢のような状況になった。
雨が降っていたらしく、道の落ち葉は湿っていて、木々の陰で暗かった。
落ち葉舞い散る狭い未舗装の山道の片側は、断崖なのである・・・。
写真では、伝わらないかもしれないが、その断崖のプレッシャーは大きい。
今、ネット検索していたら、以下のようなブログで62号線が報告されていたので、読んで欲しい。
魔の県道62号線”恐怖の峠越え”(クリック!)
でも、上記のブログの方は多人数で、カーナビもついているし、おそらく4WDだろう。
私は、一人で、地図のページを捲りながらの普通車である^^;
怖かった。
途中、一人の男とすれ違った。
ハイキングをしているらしい。
「この道、62号線でいいんですよね?」
「はい」
「野手上ダムに行けますか」
「ええ^^ でも、山登りでですか?」
と、その男の人は、車全体を眺めてきた。
私の車の後部座席は、シーツや羽毛布団で盛り上がっている。
私は、「死体遺棄」を疑われているような感じがして、慌てて言った。
「車でです。東京からダム巡りに来てましてね^^ 車中泊も覚悟しての旅行です^^;」
言い訳がましい。
「そうですか^^ 野手上ダムは、車だと遠回りになりますが、行けますので御安心下さい^^」
「は、ありがとうございます^^」
かくして、私は、細い斜面を進む。
私は、せっかちなので、どうしても、ある程度進むと、道が開ける想像をして走るのだが、山道は続いた。
そもそも、まだ下りにさえなっていない。
◇
この後、このような山道林道を通るときには、人っ子一人いないのが常であるが、先ほどのハイキングの男もそうだが、道を整備している夫婦がいた。
奥さんが、私が車で上って来るのを見て、「あんれまあ」と言う表情をしていた^^;
「ここは、なかなか険しいですね^^;」
私は、「死体遺棄」容疑の引け目があるので、僻地で人に会うと、フレンドリーに声をかける事にしていた。
「ああ、もうちょい続くよ」と旦那さん。
向こうで奥さんも優しく頷く。
「この道、二本松方面に行きますかね?」
「ああ、行くよ」
あんなにも二本松から出たがっていたのに、今は、二本松に戻りたいのである。
◇
下りになって、しばらくしてから、常に右足は、ブレーキペダル上に浮かせていたので、次第に右足及び、それに伴い、右のお尻ぺたが痛くなってきた。
しかし、ここでは、一度のハンドル操作・ブレーキ操作の誤りが、命取りである。
細心の注意で進んだ。
腹も減った。
頑張るしかなかった。
◇
◇
村に出た。
名もなき道だが、舗装されている。
この峠道の途中の右手に、次の目的地があるはずだった。
しかし、少なくとも、車で入れる道はなかった。
故に、私は、村道を右に向かった。
ここから、第8のダム<野手上ダム>に向かうのだ。
途中、夫婦の乗った車と狭い道をすれ違った。
私は、スルスルと窓を開けて、この道がダムに行く道でよいのかと聞いた。
すると、旦那が笑顔で頷いた。
助手席では、ショートカットをきっちりセットしている上品そうな奥さんが微笑んでいた。
・・・美少女欠乏症にかかった私は、美熟女にもときめくのだった^^;
◇
遥か彼方に、<野手上ダム(風兼)ダム>を望む。
ここは、アースフィル・・・、土手ダムであるな^^;
ここ、写真の場所で、私は立ちションをしたのだが、湖の対岸に誰かがいたらしく、私は辱めを受けた^^;
◇
舗装された62号線を進み、続いて、第9のダム<岩部ダム>に到着!
・・・アースフィルダムです。
ここは、湖面に水質調査の塔が立っていて、絵的に趣がある。
私は、下流の橋の上から撮ったのだが、舗装された道に車を停めておくことに躊躇の思いも起こるのだが、実際には、他の車は通らない^^;
人も通らない^^;
ただ、鳥のさえずりが、時折、耳に心地いい。
◇
腹が減った。
もう何でもいいから、食べるしかない。
62号線から国道144号線に出る交差点に名も知らぬコンビニ風があった。
私は、そこで郷土料理とは全く関係ない食べ物を買った。
美味しいものを食べようと、我慢して耐えて、このザマである^^;
以下の画像は全て、ネット上で拾ったものです。
・・・ラッパーズ ハム&チーズ
・・・ランチパック たまごとツナ
・・・ピザポテト
・・・午後の紅茶
国道114号線を北上しつつ、貪り食った^^
うまかったー!!
途中、<UFOふれあい館>と言う興味深い施設があったが、素通りする・・・。
◇
さて、暗くなってきた。
私は高速に乗り、青森に行くつもりであった。
が、宮城の<黄身ちゃん>からメールがあり、「今夜は、うちに泊まりなさい」とのこと。
親戚の黄身ちゃんの豪邸の、遠刈田温泉から直引きの風呂は最高なのだ。
「宗ちゃん(黄身の旦那)が、今夜はカレーを作ってくれるから」とのこと。
何で、そこで「カレー」を殺し文句に使うのだろう?
黄身ちゃんの中での、私の思い出は子供の姿なのだろうか、と思いつつ、国道4号線を北上し、宮城に突入する。
通り過ぎた福島市内の街は明るかった。
ヨークベニマルもあった^^;
◇
宮城に入り、途中から山の舗装道路に入る(国道457号線)。
他に車もない。
が、暗がりの中に、<なかよし産業>と言う建物が浮かび上がった。
「暗闇」と「なかよし」のミスマッチが無気味であった^^;
・・・かくして、その夜のヤサは決まり、温泉・ビール・カレー^^;に、ありつくのであった。
◇
その頃、福島に集結した<西松9栄神>たちは地団太を踏んでいた。
メンバーの一人が、青森から駆けつけた女に文句を言った。
「お前が遅いから、ミッドナイト・蘭を取り逃がしたんだぞ!」
「しょうがないじゃない! 青森は一番遠いんだから!」
「ともあれ、宮城に行ったと思われるミッドナイト・蘭を追うぞ!」
「ラー!!」
・・・危うし、ミッドナイト・蘭ッ!!!
(2009/11/18)