「酒 淡々」 中条きよし

★『今日が誕生日の歌手』シリーズ、通算304編め
今日 3月4日は 中条きよし さんの誕生日。72歳、若いですね～！
1968年の歌手デビュー以来、今年で50年目。


酒 淡々

あの日 言葉を濁した訳を
今でも聞きたいばっかりに
俺は生きてるようなもんだよ
　針とびのする　OLD JAZZが
　心を棘で 引っ掻くように
　二年足らずを 思いめぐらせる
　　黙ったままで　酒 淡々
　　あいつ と呼ぶには
　　許してくれない　酒二杯


たかが浮名と　いなしてみても
いっとき貼られた レッテルは
時が過ぎても 剥がせないもの
　折々の花　器用に飾る
　マスター そんなデリケートさを
　俺も少しは 持てばよかったよ
　　問わず語りに　酒 淡々
　　他人のはずでも
　　思慕（おもい）が渦巻く　酒ひと夜

　　黙ったままで　酒 淡々
　　あいつ と呼ぶには
　　許してくれない　酒二杯

ひとこと：このブログでは「ラブソングは歌わない」「酔夢」
「滅び花」「のすたるじぃ」「約束」の5篇をUPしてきました。
今回で6度目の登場です。
役者でもある中条サンだけに、酸いも甘いも経験した男の
陰影ある心情を書き下ろした。
　派手さなど微塵もない酒場。酒が別れた女の面影をまた呼び戻す。
　男ひとり、淡々と飲む。たった二杯と決めている。
　今ではもう、あいつ なんて気安く呼べない、消えた恋は
　心に棘を残して、過去を許してはくれない･･･
　　　　　　　　　　　　　　　　　（画像をお借りしました）