逃亡の果てに、希望はあるのか
1月22日、京都シネマにて鑑賞。いやあ素晴らしい作品でした。ようやく観ることが出来ました。監督はヨーロッパにて亡命生活続けておられるイランの監督モフセン・マフマルバフさん。お恥ずかし話ですが、巨匠らしいのですが、まったく知らず(汗)キャッチコピーに書いてあったように強烈なラストでした。しかし途中で話は終わるのでその後どうなったのか?気になるところです。でもその終わりかたが観る者に問いかけているような気もしました。
あらすじ
独裁政権に支配されるとある国。ある日、クーデターが起こり、老いた独裁者は駄々をこねて国に残った孫と共に逃亡を余儀なくされる。彼は多くの罪なき国民を政権維持のために○刑してきた冷酷な男だった。変装で素性を隠しながら、独裁者と孫は海を目指す。二人が逃亡の旅の果て目のあたりにする驚きの光景とは・・・・。自らの過去の罪に追われる独裁者と孫の衝撃的な結末とは・・・・。
電話一本で街の明かりを消すことが出来ると誇らしげに話す大統領。孫もその力に祖父大統領を尊敬していたが・・・・。
そんな独裁政治も長くは続かなかったのである。孫は夢のような暮らしが当たり前だった。マリアという少女とダンスにふける生活
そんな生活も一瞬の間に崩れ去ってしまうことに・・・・。
何や分からないうちに、お爺ちゃんと逃亡するはめになるのだった。お爺ちゃんである大統領は立派な軍服をほかす。孫の僕も同じように。。。。。
理髪師の服を奪い変装
もちろん孫の僕もこのありさま
ギター弾きと小さな子供の踊り手となって身を隠す。大統領はギターがうまくなかなかこの姿が板についていた。
その旅路に大統領の誹謗中傷など聞きながら、大統領はどんな気持ちで国民たちの声を聞いていたのだろうか?
初めは私自身も独裁政治をしているイラクのフセインのように何と酷い奴だとこの独裁者を観ていたが、ドラマが進むによって、何だかこの二人連れが上手く逃げられるといいのにと思うようになってきた。
孫のあの表情や大統領に質問するあの雰囲気か?こんな事を言ってはなんだが、はっきりいってこの子に罪はない。あるのはこの老いた独裁者だけである。しかし次第にこの老独裁者も国民との触れ合いの中で自分が冒した罪に対して自責の念を感じ始めていることを知る。しかし罪は消えるものではない。最後の最後は悲しい事か、国民の憎しみをあびせられることに。
ということで、ラストについては書かないが、どうなんだろう。出来るものなら許されてもよいのでは?とそんな気持にもなった。あまりにも辛いラストとも言えるし、いやあそうならずに済むような望みもある。出来れば未見の方、是非鑑賞して頂きたいと思うのだ。
解説(allcinemaより)
ヨーロッパで亡命生活を続けるイランの巨匠モフセン・マフマルバフ監督が、暴力と憎しみの連鎖から容易には抜け出すことのできない混迷の社会情勢を背景に描く感動の政治寓話。クーデターによって国を追われた冷酷非道な独裁者が、幼い孫とともに逃亡の旅を続ける中で、自らが犯した罪の重さを目の当たりにしていくさまをユーモアを織り交ぜ辛辣に綴る。
メディア | 映画 |
上映時間 | 119分 |
製作国 | ジョージア/フランス/イギリス/ドイツ |
公開情報 | 劇場公開(シンカ) |
初公開年月 | 2015/12/12 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | PG12 |
オフィシャル・サイト
http://dokusaisha.jp/