まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

子会社への親子ローンとDES

2018-02-10 00:16:05 | 企業一般
○ 事業拡大の為に、インド等の新興国に子会社等を設立して、製造拠点を設立、製品販売に乗り出さざるを得ない状況ですね。海外で子会社を設立しても人材不足などもありますが、当然予定通り事業が立ち上がることなどありえません。ということで、事業が黒字になれば返済も可能になると考え(希望的に想像して)親子ローンを供与(インドの場合は中銀規制のECB loan)を行います。

○ ところが、これまた予定通り返せないことが生じます。先日インド関連のセミナーに行ったら、日系企業は、何年ぐらいで黒字になっていますかという質問があり、まあ数年~7年ぐらいでしょうかという回答がありました。事業計画では、普通事業開始から3年目黒字、5年で累積損失一掃という希望を書いて、社内決裁を取ります。事業に困難はつきものですから、仕方ないですが、ローンでは金利負担もありますし為替リスクもあります。やはりEquityの方が、子会社にとっては楽ですね。返済しなくてもいいですから。また日系企業では、Capital Costを算出して、一定以上のReturnを求めている企業は、多分殆どないでしょうからね。

○ 子会社の立場から言えば、借金に返済の追われるより、Equityにして、落ち着いてビジネスに専念できる方が良いですね。

○ というわけで、親子ローンをEquityにする、あるいはせざるを得ない場合もありますね。まあ、最初から多分ローン返済は無理かもというときは、Convertible Bondを低金利で子会社に発行してもらうという方法もありますが、普通株ではなく、優先株だと柔軟性ある設計ができますね。優先株の場合の利点を挙げてみましょう。

1) 株式ですから、基本利益が無ければ配当しなくても良いですね。米国などの無額面優先株だと資本剰余金等も配当できますが、配当可能利益の規制のある国もありますので、実際配当を行う時には、子会社所在の国の会社法等の規制を守る必要がありますけれども。

2) 利益がでれば償還できる償還株式=Redeemable Stockの発行も、各国の会社法で認められておれば可能ですね。

3) その他、 累積的・非累積的(non-cumulative)とか、普通株配当を行う場合にその配当に参加できる参加的・非参加的( non-participating)な優先株式もあります。

4) 米国のVenture Capital等は、がめついですから、残余財産優先(liquidation preference)の優先株もありますが、4x (times)つまり普通株株主よりも4倍も多くの残余財産分配可能な条件で投資することもありますね。

5) Convertible to common stockもできますね。即ち一定の事項があれば、優先株を普通株にも転換できる株式も発行できるというとこですね。

○ 優先株を親子で発行する場合でも、親子間で優先株発行の契約を結ぶ。そういった優先株を会社として発行するためには、その内容を定款に記載する必要があります。即ち株主総会の承認が必要ですね。でも、最近は株主総会も書面だけでできる、あるいはInternet TV等で開催すれば有効とする会社法の国が増えてきましたので、だんだんやりやすくなりましたね。

コメント
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