まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

Malaysia工業団地の借地権取得

2017-01-05 23:03:34 | 商事法務
〇 だんだんお宅的な内容になってきましたね。Malaysiaと言うととてもローカルな話になりますが、英米法の流れなので、Malaysiaの概要が分かれば、英米の不動産の考え方が少しは分かるかもしれません。但し、米国では、多くの州が登記制度の導入に失敗して、登記・土地の制度は、よくわからないですね。だからTitle Insuranceが発達したのでしょうね。

〇 まず不動産とは、日本の民法86条では、土地とその定着物ですね(Land and any fixtures are regarded as real estate)日本の民法では、はっきりしませんが不動産登記法では、土地と建物は別の不動産とされています(韓国・台湾も別登記)。しかし、これは世界的に見れば例外であり、土地・建物は一つの不動産として扱われます。昔、もう20-30年前にロンドンに行ったときに、この話を聞いて、石でできて200 – 300年も経っている建物を見た時に、こりゃ償却資産ではないなあと思いました。(借地権
の場合は、残存期間で、不動産(土地・建物)の償却を行う必要がありますね)

〇 不動産の保有には、FreeholdとLeaseholdがありますね。Freeholdが永久所有権であり、Leasehold は期間99年以下の借地権ですね。Malaysiaでの、所有権・借地権取得手続きは大体以下ですが、その前に、土地には用途指定があり、農業用地、工業用地、商業用地、住宅用地等の目的が定められており、この用途以外の使用は禁止です。用途変更は、理屈上は出来る事になっているようですが、相手が州政府なので、まあ認められないか申請放置が多いと思います。
・Freeholdの取得:
 1) SellerがLetter of Offerを発行。BuyerがEarnest Deposit(Money)として物件価格の2%を支払(これはNon-refundable)
 2) Sales and Purchase Agreement (=SPA)作成&締結 買手は8%支払。
 3) 当局への許認可申請、州のLand Officeへの認可申請。認可取得後90%支払。
  Land officeへ登記申請・登記料支払で完了

・Leaseholdの取得:
 借地権の期間は、MalaysiaのNational Land Codeによれば、3年超~99年 (一部のSub-leaseは、3年超~30年)となっています(221条)。しかし、一般的には30年+30年、60年、90年が多いようですが、工業団地の場合は、60年が多いようですね。
 1) Earnest Deposit 2%の支払いは、Lease Agreementの締結前に支払います(Non-refundable)。
 2) Lease Agreement締結時に8%(Balance Deposit)の支払。
 3) これに基づきLessorが、Leaseholdの土地の分筆手続き等を開始します。
  この期間中に、20% + 20% の支払い。Depositと合わせて代金の50%を支払。
 4)Land Officeが分筆を認可して、借地する土地が 確定すれば、残り50%の代金の支払と共に、Form15A等の借地権設定登記の申請必要書類(Lessee の登記簿その他の書類)を提出してLand Officeに登記申請して借地権登記を行います。
 5) 借地権が確保できれば、その後は工場・建屋の建築申請、認可後建設、建設完了後確認ですね。

まあ、そんなところでしょうか。
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