まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

中国外商合資企業の持分変更書類

2015-01-30 22:13:01 | M&A
○ 今回は、久しぶりに中国の外商合資企業の話です。最近は中国でもM&Aがいろいろあり、持分を譲渡したい企業も増えてきました。勿論清算という方法も理屈上は考えられるのですが、残余財産がある場合の株主(持分保有者)への返還の海外送金許可がおりません。ご承知の通り、中国に一旦お金を入れると、普通の商取引は別として、また利益が出た場合の配当金の支払いは別として、資本取引・海外送金はなかなかできません。また清算するにしても、その手続きにはどれぐらいの時間がかかるか不明です。金持ちの中国ですが、相変わらず海外への送金は難しいですね。

○ 更に、困ったことに持分譲渡で要求される書類が役所によって少し違います。どう違うかわかりません。お役人によって違いますので、役所に行っていちいち聞かないとわかりません。

○ 中国は、広大な国で人口も日本の10倍以上ですから、全国統一ルールを詳細に定めても、やはり守れないのでしょうね。1.2億人の日本と比べても、人口が10倍の国では統治原理が違うのでしょう。主なルールは全国統一ですが、詳細は各地方・役所によって異なります。上海などは国際都市ですからある程度スムーズに役所も対応してくれますが、田舎の役所などでは申請書の内容にもいろいろくちばしを入れてきます。

○ でもまあ、概要をつかむ意味で、一例として法定代表者・董事長の交代がない持分譲渡の場合の必要書類の例を挙げて見ましょう。

【持分譲渡許可取得必要書類の例】
(変更)申請書
企業変更登記(備案)申請書
法律文書送達授権委託書
旧株主決定(決議事項:持分譲渡、董事解任・監事解任、定款修正)
新株主会決定(決議事項:董事任命・監事任命、定款修正)
旧董事会決議書(決議事項:持分譲渡、董事解任・監事解任、定款修正)
新董事会決議書(決議事項:董事任命・監事任命、定款修正)
合弁契約変更案・持分譲渡契約書
現在の定款+定款修正書=新定款
董事・監事解任書
持分譲渡前の董事会名簿
持分譲渡後の董事会+監事名簿
新董事・新監事任命書
新董事、新監事の身分証明書(パスポートコピー)
批准証書(正副)
営業許可証(正副)
直近の資本検査報告書
直近の財務監査報告書
買主の資産信用証明書(銀行発行)及び翻訳版
買主の法人資格証明(駐日中国大使館の認証必要+翻訳)
手続代行の授権委託書
投資者声明(投資方同意并郑重承諾如下)
その他

これぐらいでしょうか。準備・作成に1か月、申請から許可が下りるのが1か月ぐらいですが、勿論これはスムーズに行った場合ですので、田舎の役所などはもっと時間がかかるとおもいますね。
コメント
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