まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

新株発行でも無増資株式交換は可能?

2007-09-18 00:24:25 | 商事法務

       今回の話は、株式交換完全親株式会社が株式交換の為に新株を発行するにも拘わらず資本金の増加をしないことは可能かという、かなりマニアックな話です。

       企業結合で、対価の柔軟化が5月から始まりました。従い、合併でも株式交換でも、少数株主とか、いやな株主とか排除したい株主等を、子会社から追い出す場合には、現金合併等を行うことが出来るようになりました。一般的に、株式交換は、まったく見ず知らずの会社を完全子会社にすることはないですね。従来からビジネス、人的、資本的に関連する、例えば子会社を完全子会社にする例が多いと思います。しかし、例えば非公開の子会社の経営の自由度を向上させるために少数株主を排除したいが、一方で親会社は上場企業なので、少しぐらい親会社株式を交付しても親会社としては経営の影響を受けないとか場合ですね。

     新株発行を行うけれども資本金を増加させたくない(1株利益は減少する)、また株式交換を実施して100%子会社するが、現金のCash Out を行いたくないという場合、資本金を増加させずに行うことは可能かという事ですね。

     株式を100%取得して、親子合併する場合などは、無増資合併しますが、合併するといろいろ、事業形態が違うとか、組織運営が複雑になるとか、人の統合が難しいので、100%子会社としておきたいときに使えますね。

○ 法445条では株式会社の資本金の額は、原則払込み又は給付をした財産の額とするが、その額の1/2以下の額を、資本準備金として計上することができる、としています。(従いこの規定を利用して、9億円で会社を作っても、半分を資本準備金として大会社になるのを避ける事が出来ます。)

       一方計算規則68条は、ぐじゃぐじゃ規定していますが、自己株式の事を考えなければ「株式交換完全親会社が交付した株式の時価の範囲内で、交換契約の定めに従い、完全親会社の増加資本金の額及び増加資本準備金の額を決め、交付株式の時価から増加資本金の額及び増加資本準備金の額を控除した残額をその他資本剰余金の額とする」と規定しています。

○ 法445条は、株主となる者の払込又は財産給付が必要です。しかし、株式交換の場合は、払込等はありませんね。あくまでも株式の交換です。従い、この規定に縛られる必要も無いと考えられます。規則68条には、「増加資本金の額及び増加資本準備金の額を」まず決める必要があります。

従い、新株を発行しても、増加資本金の額 0円、増加資本準備金の額 0円と決めてしまえば、残り全額を「その他資本剰余金」と計上出来るのではないかと言うことです。勿論株式交換契約書の中に記載する必要がありますが。

  

→法令を見ますと、別に、駄目という規定もなさそうなので、こういった変則的な処理も可能だと思います。

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