天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

スタンリー・キューブリック監督は自作映画『2001年宇宙の旅』を知性よりも潜在意識と感覚に訴える作品

2010-12-03 23:08:32 | 日記
今日の日記は、映画『2001年宇宙の旅』(1968年 スタンリー・キューブリック製作・監督 スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク脚本 キア・デュリア ゲイリー・ロックウッド主演)のことです。
結局、日本時間の3日早朝4時(米国時間の2日)に行なわれた米航空宇宙局(NASA)「地球外生命(ET)の兆候探索に影響を及ぼす宇宙生物学的発見」の記者会見は、『ヒ素で増殖する細菌の発見』でした。やはり、残念ながら「科学史上に残る偉大な発見」にはなりませんでした。
しかし、私が紹介したCNNネットニュースで『記者会見に出席予定の科学者の顔ぶれから、「土星の衛星タイタンでヒ素を発見し、それを使って光合成をしている微生物の科学的証拠をつかんだというようなことだろう」と推測したブログもある。』と”ヒ素”に関係する発見であると、見事に的中しているネットブログ投稿者もいます。
この素晴らしい卓越した科学的知識を持ったネットブログ投稿者の方に、私は今大いに敬服しています。私も自身ブログの投稿記述で、少しでもこのような方に近づきたいと心から願っています。
私が今鑑賞している映画で宇宙評議会のフロイド博士が、科学史上に残る偉大な発見と評したのは、400万年前の月面に埋められた強力な磁気を発する黒い石板です。添付した写真はその月面の発掘現場です。
月面の宇宙基地会議では科学達の討論がありましたが、この発掘現場では一切の会話等の説明はありません。スタンリー・キューブリック監督は、映画の特に重要なシーンでは、観客のイマジネーションに訴えているのです。だから、今日のNASA記者会見のような説明は一切なく沈黙の世界で、この発掘された石板を観客一人一人が自ら判断しなくてはならないのです。
スタンリー・キューブリックも自身が製作した映画を『この映画は、本質的に言語にはよらない体験で、セリフも上映時間の半分しかない。知性よりも、潜在意識と感覚に訴える作品なんだ。自分たちが見ているものに注意を払わない人々には、明らかに問題がある。彼らは映画を聞こうとする。だが、これは聞く映画ではない。自分の目を信じない人々には、この映画の価値はわからないだろう。』と語っています。
だから、あまり説明がなく難解なスートリーの為、公開当時の評価は、キネマ旬報1968年度の年間ベストテン第5位でした。しかし、斬新な映像と音楽だけによる形而上的な表現の評価は、年々徐々に高くなり、2009年10月に行なわれた「キネマ旬報」創刊90周年洋画部門ベスト100では、第7位にまでランクアップされているのです。今回鑑賞してもその思いを私は強く持っています。
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