田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 №356  男はつらいよ「寅次郎忘れな草」

2023-03-21 15:07:37 | 映画観賞・感想

 久しぶりの寅さん映画である。前回観たのは2020年1月の第50作「お帰り寅さん」だから3年ぶりということになる。本作は第11作で昭和48年8月公開の映画だから実に50年前の映画だったが、画面は少しも古さを感じさせないクリアな画面だった。 

        

3月17日夜、サツゲキにおいてAFC『映画と握手』上映会」なるものが開催された。

AFCとは「アサヒファミリークラブ」の略であるが、朝日新聞のPR部門を担っている部署のようだが、そこの招待という形で実施された映画会だった。

   

   ※ サツゲキのスクリーン前に掲げられたポスターです。

 「映画と握手」とは、映画好きのエッセイストの新目七恵さんが朝日新聞上に定期的に映画に関するエッセーを寄稿する際の題名ということだった。さらには、AFCが今回映画上映会を開催するにあたり、今回の「男はつらいよ「寅次郎忘れな草」」を取り上げることを推薦したということだった。

 映画会では、上映の前に短い時間だったがAFCの事務局の方と新目さんの対談が行われた。その中で新目さんは「「映画と握手」という題名が思いついたのは渥美清さんが映画について語った時の言葉からヒントを得たものだ」と語っていた。

   

   ※ 上映前にお話するエッセイストの新目七恵さん

 新目さんがこの「寅次郎忘れな草」を推薦したのは、ロケ地が網走だったことがその理由だったようだ。網走は私の地元でもあったから、ロケ地となった網走市呼人の農場風景は懐かしかった。また、この回のマドンナ役は当時人気を誇った浅丘ルリ子だったことも話題だった。寅さんとリリー(浅丘ルリ子)が網走港の浜辺で語り合った場面も懐かしい。

   

   ※ 寅さんとリリーが網走港の浜辺で語り合う場面です。

 ストーリーについては割愛するが、寅さんと浅丘ルリ子のコンビは人気で、この後も3作制作されていて「リリー四部作」とも称されていたようだ。

 映画は4Kデジタル修復版ということで、前述したように画面は非常のクリアだった。そのクリアな画面を札幌シネマフロンティアやシアターキノの画面の3倍以上はあろうかと思われるサツゲキの大画面で見るのはいささか面食らう思いだったが、やはり映画は大画面で見るからこその良さを感じさせてくれた。

 そして50年の時代を感じさせてくれたのは、女性のスカートの短さだった。浅丘ルリ子も、寅さんの妹役の倍賞千恵子はどちらも30代になっていたと思われるが、どちらも膝上までしかないスカートを着用していたところに時代を感じた。あの頃は「ミニスカートの女王」と呼ばれたツイッギーが活躍していた時代だったのかなぁ?

 いずれにしてもシリーズ「男はつらいよ」がシリーズ化しはじめた頃の作品で楽しく、幸せに映画を楽しむことができた一夜だった。

WBC情報  Vol.10

   

 いや~、かつて野球観戦でこれほど興奮し、感動したことは記憶にないと言って良いほどの素晴らしい侍ジャパンの逆転劇だった!

 さすがに対戦チームのメキシコは一筋縄ではいかない相手だった。強豪メキシコに終始リードされる展開の中、「あるいはダメかな?」と頭をよぎった瞬間が何度もあったが、素晴らしい粘りを見せ、勝ち切った侍ジャパンに素直に拍手を送りたい。

 今日の試合内容について、私のつまらぬ論評は省略するが、投手陣も打撃陣も素晴らしい働きをしてくれた。そのような中、不振を極めた村上選手が最後に試合を決める決勝打を放ったことがとても嬉しかった。

     

 さあ、ここまで勝ち上がってきた侍ジャパンには明日もなんとかアメリカ戦に勝利して大願成就を果たしてほしい。

 実は私は明日の午前、半年前から楽しみにしていた講演があったのだが、その講演をキャンセルして侍ジャパンの戦いを見届けたいと思っている。ガンバレ!侍ジャパン!


もうすぐ春ですねぇ~♪

2023-03-20 16:06:23 | ボランティア

 という見出しの後に、「というより、もうすでに春が到来したと言ってもいいかもしれませんね。」との書き出しで発行したのは、私がリーダーを務めるボランティアグループ「近美を愛するブリリアの会」の会報の№273である。

      

 冬の間は冬眠している道立近代美術館前の歩道清掃に取り組んでいる「近美を愛するブリリアの会」であるが、道路の状態を見ているとそろそろ始動しなければ、と思い始めた。そこで先日18日に冬眠をしている会員の皆さまの目を覚ましてもらうために会報を発行したのだ。

 私たちが活動を始めて今年で14年目となるが、これまで活動開始は4月に入ってからだったが、道路の状態を見てみると一日も早く路上を清掃してほしい、と訴えているようなのだ。というのも雪国の札幌では雪に覆われる路上を歩く人が滑らないように細かい砂利(微砂利)を大量に撒いている。その微砂利が、雪が消えると醜く路上を覆っている。それを除かなくてはと思うのだ。私としては今年の最初の活動日を、今のところ24日(金)に設定したいと思っている。

   

   ※ 近美前の歩道は写真のように微砂利が溜まっています。

 そこで本日午前、冬の間に雪害からART文字を象るクサツゲの枝を守るために結わえていた縄(棕櫚縄)を外す作業を行った。これはたいした作業ではないので私一人で行ったが、広い歩道の微砂利清掃となると、やはり多人数で取り組んだ方が効率が良い。24日には路上の微砂利を一掃したいと思っている。 

   

   ※ 枝を棕櫚縄で結わえられたART文字です。

   

 ※ 結わえた棕櫚縄を解き放った後のART文字です。これから徐々に形が整えられます。

 東京をはじめ本州各地からはサクラ開花の便りが届いているが、札幌はようやく周りから雪が消えようとしている時期である。私たちの活動もいよいよ本格的に始まる時期となった。心配は会員の高齢化のために、今年はどれだけの方が参加していただけるのか少々心配である。

 会の活動が本格化した時期にまたレポートできたらと思っている。

 なお、タイトルのもうすぐ春ですねぇ~♪」は、私たちの世代では誰もが口ずさんだ経験のあるあのキャンディーズの「春一番」の一節である。懐かしいですねぇ~。遠い昔のことになりますねぇ~。歳をとったということですねぇ~。

WBC情報  Vol.

   

 いよいよ明日はWBCの準決勝戦の対メキシコ戦が日本時間明日8時プレイボールである。テレビ各局はどの局もWBC一色の感がある。そうした放送を視聴しながら、私も徐々に緊張感が高まってきた。

 さて、各局に出演している解説者たちのメキシコの戦力の分析を伺うたびに「メキシコ恐るべし」の思いが強まってきた。まずメキシコの先発投手が大谷と同僚のエンジェルスのサンドバルと伝えられている。彼は左打者キラーといわれている。ところが日本打撃陣は1番~5番までの上位打線が全て左打者である。また、メキシコの中継ぎ陣も強力と伝えられている。一方、打撃陣も強力である。特に1番打者アロザレーナは走攻守ともに一級品だという。WBCでの出塁率が6割という高率だそうだ。他にも好打者ぞろいで、何せあの優勝候補のアメリカを予選リーグで撃ち崩している打撃陣である(11対5)。さらにはメキシコの監督がエンジェルスの一塁ベースコーチで大谷のことを熟知しているという。

 こう見てくると侍ジャパンの苦戦が必至のようにも思えてくる。ただ、ジャパンもこれまでの戦いぶりは完璧に近い試合運びでここまで駒を進めてきた。戦力的には甲乙つけ難いと私は見ている。問題はいつの試合でもそうであるが、相手に先取点を与えない試合運びが重要と思える。ジャパンの先発は佐々木朗希投手である。当然緊張はすると思うが、せめて3回くらいまでは零封してほしいと思う。相手に先制点を与えてしまうとラテン国のノリで一気に試合を決められてしまう恐れもある。ここは佐々木投手に期待して、接戦の形を作ることができると日本の形に持ち込めると思うのだが…。

       

       ※ 先発の佐々木朗希投手の健闘を期待したい。


道立文学館特別展「細谷源二と齋藤玄」

2023-03-19 11:43:35 | 作品展・展覧会等

 私にとってはまたまた新たな魔界に足を踏み入れた思いである。細谷源二と齋藤玄は戦後の北海道の俳句界を牽引した二人だという。彼らを特集した「細谷源二と齋藤玄 北方詩としての俳句」展を覗いてみた。

        

 雑食性を自称する私であるが、そのことが思わぬ幸運を呼ぶこともある。何にでも興味関心を抱く私に、知人の方から時折り「チケットがあるので行ってみませんか?」とお誘いを受けることがある。今回もある方から「道立文学館で俳人を特集した特別展を開催しているので行きませんか?」とお誘いを受けた。俳句など私にとっては関心外の世界だが、未知の世界を覗いてみるのも悪くはないとの思いから、喜んでお誘いを受けることにした。

        

        ※ 道立文学館に掲げられた特別展の案内看板です。

 そしてスケジュールの空いた3月16日(木)午後、道立文学館に足を運んだ。当日は雨模様ということもあって特別展には誰も観賞している人はいなかった。

 私は前述したように俳句そのものについては、作品の良さなどについてまったく分からない。したがって、特別展では細谷源二氏と齋藤玄氏の人そのものを理解することに努めた。それをもとにお二人について簡略にまとめてみると…、

        

 細谷源二氏は東京生まれで、旋盤の町工場を経営しながら俳句の世界に入るも、戦時中の俳句弾圧に遭い拘留も体験した。その後東京空襲に遭ったこともあり、北海道豊頃村(現豊頃町)に入植するも失敗し、旋盤の腕を活かして砂川市にあった東洋高圧に職を得た。旋盤工をしながら作句も続け、仲間を募り同人誌「氷原帯」を発行するなど北海道の戦後俳句界を力強く牽引したそうだ。細谷氏は自らが旋盤工として働きながらの俳人ということもあり、「働く者の俳句」を志向し、リアリズムと冒険的な前衛性が特徴だそうだ。

 氏の代表的な作品は地の涯に倖せありと来しが雪」

        

 一方、齋藤玄氏は函館生まれで、早大商学部を出て旧北海道銀行に職を得た。大学時代に俳句の世界に魅かれ、俳人石田波郷に私淑する。銀行員としての多忙な生活のため一時作句を中断するが、銀行を退職し道央信用金庫の専務理事に就いてから再び作句を始めた。

齋藤の俳句は、「幽玄の世界」に深く分け入り伝統詩型の中に新局面を切り開いたとされている。

 代表的な作品としては「蘇る水の稲妻枯尾花」

 二人の俳句は上述のように目ざした俳句は異なるが、ともに新興俳句の精神を戦後北海道に根付かせ「北方詩としての俳句」という世界を創り出したという共通点を持つ俳人として後世に伝わる二人である。なお、二人が交流をもったのかどうかについて展示の中からは見つけることができなかった。

 特別展において、私は二人の俳人としての背景を知ることはできたが、彼らの俳句を味わうということは私の素養の無さゆえ叶わなかった。それでも北海道において戦後にこうした有能な俳人を有したことを知ったことだけでも有意義なひと時だった。


映画 №355 ある男

2023-03-18 17:43:01 | 映画観賞・感想

 ちょっと私には難しすぎたかなぁ、というのが正直な感想である。自らの出自を消すために “戸籍交換” をして生きる男X…。Xを追う弁護士もまた在日韓国人という自らの出自を隠したい思いがあり…。

※ タイトルにナンバーリングを付けているが、この数字は私が2007年に札幌に転居後〈つまり退職後〉に観た映画の通算の映画の数である。「映画は最高のエンターテイメント」と考える私にとって、これからも有料・無料にかかわらずできるだけ映画を観ていこうと思っている。 

        

 先日、今年度の日本アカデミー賞が発表され「ある男」という作品が、作品賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、監督賞と主要な賞を総なめにしたというニュースに接し、これは「ぜひ観なくては!」と思った。

 札幌市内においてすでにロードショーは終わっていたが、幸い受賞を記念してシアターキノが特別上映していることが分かった。そこで3月16日(木)に観賞することができた。私と同様、アカデミー賞受賞ということで多くの方が興味を抱いたようだ。平日にもかかわらずかなり多くの人が観賞に訪れていた。

 映画は前述したように複雑だった。原作も読まずに映画を観た私には、登場人物の相関関係を把握するのも大変だった。(その相関図を掲載します)

         

 映画は離婚して実家に戻った里枝(安藤サクラ)が住む山間の街に現れた谷口大祐・ある男X(窪田正孝)との出会いから始まる。やがて二人は好意を抱き合い結婚することになった。林業に従事していた谷口は山の仕事で事故に遭い死亡してしまう。そこからストーリーは思わぬ闇に突き進んでいく…。その闇の解明に努めようと奔走する弁護士・城戸章良(妻夫木聡)。しかし、城戸にも自らの出自(在日韓国人)をできれば隠したいという願望があった。(このことは主題ではなかったが…)

 谷口の死によって、谷口には里枝にも知らされていない驚くべき事実があった。それは谷口には戸籍交換をしたという事実があった。そこを突き詰めていく城戸の前には複雑に絡み合った人物たちが次々と登場するのだった…。

   

   ※ 谷口と里枝の仲睦まじい生活は長くは続かなかった…。

 う~ん。このことで私の頭の中はその関係を理解するだけで一杯いっぱいでストーリーを楽しむことができなくなっていた。

 谷口、そして谷口と “戸籍交換” をした本物の谷口という男。それぞれには自らの出自を消したい事情があった。城戸も含めて世の中には自らの出自を消したいと思う人がいるということをこの映画は示唆したのだろうか?

 この「ある男」が本年度のアカデミー賞作品賞等を受賞したということだが、私にとってはあまりにもストーリーが複雑すぎて映画を楽しむまでには至らなかった。映画を最上のエンターテイメントと考えている私にとってはやや残念な思いをしたのも事実だった。

 WBC情報  Vol.

    

  21日の侍ジャパンの準決勝の相手はメキシコと決定した。前回、前々回と準優勝だったプエルトリコとの対戦を回避できたことは悪い知らせではない。しかし、死の組といわれたDプールを勝ち上がってきたメキシコは強敵であることには違いない。ある解説者によると、これまでのBプールでの対戦チーム、準々決勝戦のイタリアなどの国々とは2段階レベルが上がるとも指摘している。非常に厳しい対戦となることは間違いない。

       

 日本の先発は佐々木朗希投手と予想されている。佐々木投手がどのような立ち上がりを見せるか?そこが一つのポイントだろう…。メキシコについて詳しい情報を把握していない。もう少し情報を収集したうえで対メキシコ戦を展望したいと思っている。


映画 №354 ゴッホ・青く揺らめく炎

2023-03-17 13:13:53 | 映画観賞・感想

 近代オランダが生んだ最大の画家:ヴィンセント・ファン・ゴッホは数多くの名作を残した。しかし、生前の彼は必ずしも恵まれた境遇ではなく、数奇な運命を辿り、哀しい最期を遂げた画家でもあった…。

        

 3月15日(水)の私は忙しかった。拙ブログで既にレポしたが、午前中はAIのお話を聞き(15日投稿)、午後は 今回レポする映画を観、夜は南こうせつのミニライブを聴く(昨日投稿)といった一日だった。

 15日、午後2時から札幌市民ギャラリーで「美術映画会」があり参加した。この「美術映画会」であるが、これまで2度ほど参加した経験があるが、美術音痴の私でも画家の特徴をとても分かりやすく解説してくれる。今回はオランダが生んだ巨匠ゴッホを取り上げるということで参加してみようと思った。

       

       ※ ゴッホの幾多の作品の中でも最も有名な「ひまわり」です。

 ゴッホというと誰もが思い浮かべるのが「ひまわり」と題する作品である。さらには彼自身を描く「自画像」、「赤い葡萄畑」などが有名であるが、その生涯では800点の作品を残したと云われている。

 映画はゴッホの生涯を彼の作品と共に簡明に伝えてくれた。それによると、ゴッホは1853年、オランダで牧師の子として生まれ、最初に就いた仕事は親戚が経営する店で複製画を売る仕事だった。ここで彼はレンブラントやドラクロアの作品に出会ったという。その中でも彼が最も気に入ったのがミレーの絵だったという。

        

        ※ゴッホ自身の自画像の一つです。

 ところが気性の激しい彼は一つの仕事に留まることができずに職を転々としたという。そうした中、27歳となって画家になることこそが自分が願っていることだと悟り、パリで絵を学び始めたという。そこで出会ったのが印象派の絵と日本の浮世絵だったという。               

 それらの絵に触発され、自らの絵に明るさを加えるために彼は南フランスのアルルに旅立ったそうだ。アルルに移ったゴッホはわずか2年という短い間に精力的に他の誰もが真似できないほど山のように作品を産み出し続けたという。しかし、彼の作品の良さは理解されず収入を産み出すことにはならなかったという。その間、彼を経済的に支えたのは彼の4歳下の弟で画商をしていたテオだった。彼の手によってようやく彼の作品が1点売れたそうだが、それが「赤い葡萄畑」だった。

   

   ※ ゴッホの生前、弟の奔走により唯一買い手が付いた「赤い葡萄畑」です。

 2年間のアルルでの生活の中で、一時ゴーギャンと共同生活を送ったそうだが、二人の間で諍いが絶えず、ゴーギャンが彼の元を去ろうとしたときにゴッホは自らの耳を切り落とすという衝撃的なことあったそうだ。作品を産み出しつつも、彼の精神は病み続けついには1890年7月、自らを猟銃で撃ち37歳という短い人生を閉じたのだった。                                                                

 今では一枚が100億円を超えるというような彼の作品が、彼の生前には見向きもされなかったということにゴッホの悲哀を感ずるのだが、生きた時代が早すぎたということなのだろうか? ゴッホの生涯を理解する一助となった良い映画だった。 

※  掲載したゴッホの作品は全てウェブ上から拝借しました。

WBC情報  Vol.

   

 快進撃を続ける侍ジャパンは、昨夜の準々決勝戦の対イタリア戦を9対3と順調に勝利し、アメリカ・マイアミでの準決勝戦に駒を進めた。順調と表現しては相手のイタリアに失礼かもしれないが、まずは危なげなく勝利することができたのではないかと振り返っている。

 その第一の勝因はなんといっても先発の大谷投手が相手に先制を許さなかったことだと思う。大谷投手があの満員の東京ドーム内に響き渡るような気合を入れた一球一球の投球はまさに鬼気迫るものがあり、自らだけではなくチームメイトの士気を大いに盛り上げたように思われた。続く伊藤、今永、ダルビッシュ、大勢の投手陣もイタリアに対して隙を見せないところはさすがだった。

 対して打撃陣では、これまで打線を引っ張ってきた1~3番まではどちらかというと脇役に回り、4番吉田、5番村上、6番岡本、といったところが主役に躍り出たところに日本打撃陣の厚みのようなものを感じた試合だった。特に不振に陥っていた村上が2安打1打点と復活の兆しを見せ始めたところは今後に期待を抱かせてくれるものだった。

         

       ※ 2安打1本塁打5打点と大活躍だった岡本選手です。

 とこれまでのところ侍ジャパンは王者のような戦いを私たちに見せてくれているが、1点だけ昨夜の試合で指摘したい点がある。それは投手リレーに対するベンチワークについてである。

 先述したように先発の大谷投手はプレーボールから一球一球に魂を込め、全力投球で相手に立ち向かっていた。それだけに疲労が溜まるのも早かったと思われた。4回頃からは明らかにボールのコントロールが甘くなっていたように見えた。(いわゆるすっぽ抜けたボールが何球かあった)それが1安打、1四球となり二死一二塁のピンチで、相手にレフトに大きな当たり撃たれたが、レフト吉田の好捕によって難を逃れた。

 私は「あゝ、これで大谷は交代だな」と思っていた。ところがベンチは続投させた。その結果5回に大谷はイタリアに2点を献上することになり、5回途中で伊藤と交代することになった。ベンチはなぜ大谷の疲労状態を察知し交代させなかったのだろうか?たとえ大谷と話し合っていたとしても、あるいは大谷が続投を志願したとしても、そこはベンチが威厳をもって代えさせるべきではなかったのか?私は結果論からそう言っているのではない。いくらスーパーマン大谷とは言え、まだシーズンイン前であり、体力的にも十分な状態とはいえない時期である。

 選手に対する “優しさ” が栗山監督のキーワードのように報じられているが、これからの厳しい戦いの中では時には “鬼” になって采配を振るってほしいと願っている。

 さあ、現時点ではまだ準決勝の相手が決まっていないが、21日(火)朝8時、固唾をのみながら準決勝戦を見守りたい。


天売オロロン鳥復活物語 with南こうせつミニライブ

2023-03-16 17:20:30 | 講演・講義・フォーラム等

 本音を隠さず言えば、私にとっては久しぶりに南こうせつの生歌が聴けるというのが参加の動機だったが、天売島のオロロン鳥が絶滅の危機から復活の兆しが顕著になったという報告もとても嬉しいニュースだった。

       

 昨夜(3月15日)、共済ホールにおいて、「天売島ウミガラス100羽記念祭~海と海鳥と私たちの未来~」と題するイベントがあった。イベントの告知は昨年末にあり、ゲストとしてシンガーソングライターの南こうせつが登場すると知り「これは行かなくては!」と思い立ったのだった。参加は無料でも可能だったが、主催者が海鳥保護活動の継続のためにCF(クラウドファンディング)に取り組んでいることを知り、僅かばかりの募金をさせていただき、そのリターンとして入場券をいただいていた。

   

   ※ 会場に映し出されたスライドの最初のページです。

 天売島のウミガラス(オロロン鳥)につて語る時に寺沢孝毅という人物を欠かして語ることはできない。というのも、彼はもともと新卒で天売島の小学校に赴任した一教師だった。その彼が赴任した時、ウミガラスの激減を目の当たりにし調査を開始し、ついには10年後に教師の職を辞して天売島に永住することを決意し、以来自然写真家として生計を立てながらウミガラス(オロロン鳥)をはじめとする海鳥の保護・調査の中心となって活動し今日に至っている人物である。

         

         ※ 寺沢孝毅氏です。

 この日はその寺沢孝毅氏と北大大学院で長く野鳥の研究に携わっている綿貫豊教授の二人が司会・解説を務めながら、映像と音、そして解説を加えながらオロロン鳥が絶滅の危機から様々な取り組みの試行錯誤の中から、2022年の目視調査で100羽を超えたことを確認したことについて報告された。そのプログラムは以下のとおりである。

  第1部 ウミガラス100羽の歩み 
    ○海鳥繁殖地「天売島」とは?○4万羽から13羽へ ○デコイ&音声作戦
     ○天敵カラス・オオセグロカモメ対策 ほか
     人形浄瑠璃上演『オロロン鳥の子守唄』
  第2部 海と海鳥と私たちの未来 
   ○環境指標としての海鳥 ○プラスチックと海鳥 ○ネコなど外来生物の影響は?
   ○気候変動と海洋 ほか
    『多様な生命 未来へつなげ!』南こうせつ ミニライブ 

 私は2014年6月に天売島を訪れた経験があるが、その際天売島に80万羽が生息するといわれるウミウの帰巣風景を目にして驚いたことがあった。しかし、オロロン鳥を観察できるという小屋から望遠鏡で覗いても一羽も確認することができなかったことが思い出された。環境省の調査では2014年には35羽のオロロン鳥が確認されているようだが…。その際に寺沢氏が開設した「海の宇宙館」にも立ち寄り、寺沢氏ともお話させていただいたことから、今回の復活劇のお話は私にとっても嬉しいお話であった。

   

   ※ CFのリターンとして送られてきた寺沢氏撮影のオロロン鳥のポストカードです。

 さて、「南こうせつミニライブ」である。私が南こうせつのライブを初めて体験したのは道東の中標津町で開催された「ムツサント」という作家の畑正憲さんとのジョイントコンサートだった。(おそらく1980年前後だったと思われる)以来、彼の虜になって近隣に彼が来た時には必ず駆け付けていた。近年はそれも少なくなり2011年の岩見沢で行われた「フォークジャンボリー」が最後となっていた。それから12年も経って、彼は76歳にもなっていた。しかし、彼の声、姿は10数年前とそれほど変わってはいなかった。彼の独特のきれいな高音は相変わらずだった。わずか3曲というミニライブだったが、その短い間私は十数年前にタイムスリップして彼の歌に酔ったのだった。その3曲とは…、

         

        ※ この日のこうせつのメガネの枠は赤色でした。

◇北の旅人

◇オロロンの伝説

◇神田川

そしてアンコールでは南こうせつお得意の◇「うちのお父さん」で全出演者、会場が一体となってイベント全体を締め括った。

 ほんの一瞬ではあったが、幸せなひと時だった…。

WBC寸評 Vol.

 いよいよ今夜は「負けたら終わり」の準々決勝戦対イタリア戦である。

 それにしてもテレビのワイドショーはどの局もWBC関連で大盛り上がりである。誰がこれほどの盛り上がりを予想したであろうか?願わくばこの盛り上がりがあと一週間は続いてほしいと願うのは私だけではないはずだ。

 そのためには、今夜はどうしてもイタリアに勝利してもらわねばならない。戦力的に比較すれば、これまでの戦いぶりから見て日本がやや有利とは思えるが、ただの一試合で雌雄を決するのだから、勝負がどちらに転ぶかは全く分からないというのが正直なところだろう。

  

  ※ 日本中の期待を背負って、大谷は必ず期待の応えてくれるはずです。

 日本の勝利のためには先発の大谷が絶対に失点をせずに、日本が先制することで心理的に優位に試合を進めることだと思う。もし、相手に先制を許すような試合展開になると、これはもう胃が痛くなるような観戦となってしまう。そうならないように祈りながらテレビの前から声援を送りたいと思っている。ガンバレ!サムライジャパン!


AIって何? AIの描く未来は?

2023-03-15 20:45:14 | 講演・講義・フォーラム等

 AI(Artificial Intellgence)…、日本語では「人工知能」と称されているが、「AIは人間の知能を超えるのか?」とか「AIに人間が使われる」などの言辞を見かけるが、はたして真実は?そしてAIが世界を席巻する未来は?といったことについてAI研究の第一人者からお話を聞いた。

   

 本日(3月15日)午前、ニューオータニイン札幌において札幌商工会議所が主催するMeCCS推進会議なるものに参加した。私がお門違いとも思えるこの会議に参加したのは、この会議の講演が「AI技術 × ポジティブヘルス増進~もみじ台団地で進める看護MaaSの取組と今後の課題~」と題して、AI研究の第一人者である札幌市立大学々長の中島秀之氏が講演することから、AIのことを少しは知りたいと思い参加を決めたのだった。

 ※ MeCCSとは、Medical Cluster City Sapporoの頭文字を取ったもので、札幌商工会議所が主唱して札幌が誇る最先端医療を核とした新たな産業集積を図ろうとする推進会議だという。      

 中島氏はMIT(マサチューセッツ工科大学)のAI研究所に留学したり、東大大学院で工学博士の称号を得たりした後、電総研で研究を続け、2004年からは公立はこだて未来大学の学長、そして2018年からは札幌市立大学の学長を務められている。その間、AIに関する著書、共著を多数著している方である。

   

   ※ 講演をする札幌市立大学々長の中島秀之氏です。

 中島氏は最初に「人工知能の研究とは、①コンピュータを用いて人間の知能を研究すること、②知的な作業のできる機械を作る」ことだとした。その二つの中で現在注目を浴びているのが②の知的な作業のできる機械を作ることだとした。

 そこで中島氏は大切な留意点を示した。それは「AIは賢い道具である」と指摘した点である。そしてAIを擬人化してはいけないとした。つまり「AI○○する」のではなく、「AI○○する」と考えることが大切であると強調された。

 そして話はAIの可能性へと言及された。中島氏はさまざまな可能性について言及されたが、その中からサブテーマである「もみじ台団地で進める看護MaaSの取組と今後の課題」について言及した。その前に、MaaSについて説明しなければならない。MaaSとは、Mobility as a Serviceの頭文字を取った略語で、その趣旨は地域住民の一人一人が移動する要望に対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括して行うサービスを指すという。そして看護MaaSはそのサービスに医療関係者の移動も併せた形でのサービスの構築も目指すというものである。  

   ※ もみじ台団地における看護MaaSの取組の概念図です。

 つまり札幌市内において高齢化が顕著なもみじ台団地の住民の方たちの生活・医療のための移動を、AIを活用することによって2040年を目途にその仕組みを具体化しようと動いているプロジェクトだという。こうした複雑な仕組みを一挙に解決できるのはAIをおいて他にないということだ。

 その他には中島氏はAI技術の可能性について2~3紹介してくれたが、その中で私が注目したのは、「健康脆弱化予知予防」にAIを活用するという考え方である。人間の健康度には「健康」、「未病」、「治療」の三段階があるが、「未病」領域に入る前の「予兆」を感知し、それを「予知」することがAIで可能となる、ということなのだ。それについて、中島氏は「アマゾンなどで本を購入すると、『この本を購入した人は、こちらの本にも興味を示しています』というメッセージを目にするが、同じように体のちょっとした変調(予兆)から、いろいろな可能性を示すことにより対応策を講じることができるのではないか」と話されたが、面白い話だなぁと興味を覚えた。

 

※ AIによつて、「予兆」の段階で「予知」し、対応策を講じることによって病気の発症を予防できるのではないか、という図示です。

 中島氏のお話はAIの可能性について多岐にわたってお話されたが、私が理解できた範囲においてレポさせてもらった。もみじ台団地における取り組みについて、今後の動きを関心をもちながら見守っていきたいと思っている。                    


歌曲はどうも…

2023-03-14 16:23:37 | ステージ & エンターテイメント

 クラシック初心者(いつまでたっても初心者の域を出ないのだが)にとって歌曲を楽しむという心境には正直に言ってなれなかった。18~19世紀ヨーロッパにおいては多くの人々から愛でられたものだったのだろうが…。

        

 コンサート三昧が続く昨今だが、3月12日(日)午後はドイツ歌曲を聴くというコンサートだった。会場はザ・ルーテルホール。コンサートは題して「二人のメンデルスゾーン 二人のシューマン」 河口しほり 小泉香織リートデュオ・リサイタルであった。(私はここで コンサートとリサイタルを同義語として使っているが、違いを主張する方もいるようである)

 チケットは知人が用意してくれたことで参加を決めたのだった。その知人によると「リートデュオ」とは、歌曲をピアノ伴奏で歌うという形式だということだった。今回のコンサートでは河口しほりさんのソプラノを小泉香織さんがピアノ伴奏するという形であった。

        

 コンサートは表題どおりドイツが生んだ二人の作曲家メンデルスゾーンとシューマンが作曲した歌曲を歌い上げるものだった。

 その二人の作曲家の名に「二人の」と冠が付いているのは、メンデルスゾーンの場合は表に出た弟フェリックス・メンデルスゾーンに音楽的才能が豊かだった5歳姉のファニー・メンデルスゾーンという方がいたことから「二人の」としたようである。ところが19世紀のドイツでは女性は職業に就かず家庭を守ることが一般的とされ、父親はファニーが音楽活動をすることを許さなかったそうだ。姉の音楽才能を認めるフェリックスは、彼の作品の一部に彼の名を付けてファニーの作品を発表したそうだ。(そうした曲も披露されたのだが、私にはその曲を意識して聴くだけの余裕がなかった)

 一方、シューマンの方は本人のロベルト・シューマンの妻がクララ・シューマンという「二人のシューマン」である。クララは作曲家ではなく有名なピアニストとして知られている。クララの場合も当時のドイツでは女性が作曲することは世間的に認められていなかったために、ロベルトの作曲に協作という形で参加した曲があったそうだ。こちらはクララの曲を7曲もまとめて披露されたのだが、私の耳には残念ながらその違い聴き分けることはできなかった。

 と二人の作曲家の背景をちょっと調べてみたが、肝心のコンサートの方は前述したようにその良さを私自身が感得することはできなかった。ただ、河口さほりさんのソプラノは本場ドイツにおいて、地元紙から「鈴の音のように澄んだ明るい声」と評されたというが、その評どおり高音の澄んだ声が印象的だった。

 また、伴奏の小泉さんのピアノは河口さんのソプラノが一層効果的になるよう、時には細やかに、時には華麗に演出する音色が印象的だった。

   

  ※ コンサート前、ピアノが「STEINWAY & SONS」であることが分かり一枚撮った。

 この種のコンサート(リサイタル)では、一切のMC的発言がなかった。それが本場ヨーロッパなどでは正式なコンサートのあり方なのだろうと思われる。しかし、最近では曲の解説をしてくれるコンサートも増えてきた。時にはこうした歌曲のコンサートでも、解説付きのコンサートに参加してみたいと思う。

 皮肉だったのは、アンコールで披露された「野バラ」、そして「隅田川」の二つの曲においてお二人の演奏の素晴らしさをようやく感得することができたことだった…。

 う~ん。歌曲はどうも…。


中の島小ジャズバンド 卒業ライブを聴く!

2023-03-13 16:21:48 | ステージ & エンターテイメント

 23名の小さなジャズメンが小学校生活最後の卒業ライブで弾けた。父母をはじめ中の島小ジャズファンの多くの聴衆にも臆することなく、堂々の演奏を披露するのを私も楽しませてもらった。

        

 昨日(3月12日)午前、中の島小学校体育館において「中の島小学校ジャズバンドBECONの卒業ライブが開催されたので、私も駆け付けて楽しませてもらった。

 中の島小学校は地下鉄南北線の「中の島駅」からそう遠くないマンションなどのビルが立ち並ぶ中に、新築の立派な校舎が建っていた。

   

   ※ 新築からそう年数は経っていない立派な校舎です。

 会場の体育館はバンドのスペース以外はパイプ椅子がいっぱいに用意されていた。

 黒シャツに、黒パンツ、赤いネクタイを施し、黒い帽子に色とりどりのラメ(っていうのかな?キラキラと光る素材)、そして赤いネクタイを施した衣装を身にまとった小さなジャズメンたちが勢いのある演奏を始めた。20分間の休みを挟んで次の15曲を披露してくれた。

   

   ※ 会場入り口で演奏衣装を纏った団員たちが歓迎してくれました。

 ◇Autuwn Leaves ◇Caravan ◇Children of Sanches  ◇Cissy Strut

 ◇C Jam Blues ◇Fly me to the moon ◇I can’t Turn You Loose  ◇Lovin’ you

 ◇Monster’s Inc ◇Now’s The Time  ◇Paradise Has No Border

 ◇Return of The Prodigal Son  ◇Triste ◇Watermeion Man

表記がいずれも英語表記なのにも驚いた。(元曲が英語なのだから仕方がないが…。

   

   ※ 演奏前の会場です。平場と壇上と2段に分けての演奏でした。少し広がりすぎでは?

 構成は次のとおりだった。

 ◇トランペット  7人 ~ 2年、3年(2)、4年(2)、5年、6年

 ◇トロンボーン  4人 ~ 4年(3)、6年

 ◇ユーフォニアム 3人 ~ 3年(2)、4年

 ◇アルトホルン  4人 ~ 4年(3)、6年

 ◇パーカッション 5人 ~  3年、4年(2)、6年(2)

 6年生が5名在籍するが、4年生が11名在籍する若いチームである。

 私は「中の島小ジャズバンドBECON」のことを数年前の札幌シティジャズの「パークジャズライブ」で知って、その後地元の豊平区で開催されたライブにも駆け付けたが、拙ブログの2月27日付でもレポしたが、MUSIC LAMPに出演した「中の島小ジャズバンドBECON」を久しぶりに聴いて感動し、そこで卒業ライブの開催を知って駆け付けたのだ。

   

   ※ 壇上で演奏するトランペット奏者たちです。

 演奏は体育館とあって音が割れたり、音響設備が整っていなかったりと不利な条件下のため、Kitaraで聴いたときほどの感動はなかったが、それでも23名のメンバーはジャズテイストに満ちたナンバーを数多く聴かせてくれた。2年~4年生が大半を占めるバンドで、それなりのレベルでの演奏をするには指導にも相当なご苦労があったのではと想像するが、彼らの元気な演奏として結実すると指導者もきっと満足されたに違いない。

 今年の夏、また札幌シティジャズの「パークジャズライブ」で再会できることを楽しみにしたい。

WBC寸評 Vol.5

   

 昨夜のWBC第一次予選ラウンドBプールの侍ジャパン最終第四戦の対オーストラリア戦は、7対1と日本の完勝といえる内容だったのではないだろうか。投げては山本、高橋(奎)、大勢、湯浅がきっちり投げて、打っては初回から大谷に待望の3点ホームランを飛び出し、その後も着々と追加点を挙げてオーストラリアの反撃は最終9回のホームラン一発だけに止めて危なげない勝利となった。

 これで侍ジャパンは文句なく1位通過となった。今回の侍ジャパンの予選ラウンドの戦いぶりはまさに優勝候補に相応しい戦いぶりだったと思う。ベンチが動く必要も全くなく、観ている方も安心しながら観戦することができた4試合だった。これまでの世界レベルの戦いはどの試合もヒリヒリするような目の離せない接戦が多かったが、今回はどうも様相が違う。投手陣も安定し、打撃陣も好調ときているのでゆったり気分で観戦している。

 ただし、次戦からは負けると終わりのノックアウト方式である。対戦相手も勝ち残った強豪である。これまで好調だった選手はそれを維持し、調子の出ていない選手はなんとか調子をあげて次戦に向かってほしい。特に村上様の復調は日本中が願っている。彼の打撃が16日の準々決勝の対イタリア戦において大爆発してほしいと切に願いたい。

  

  行ったレ! 村上!                   

   


さすがにプロの音 札幌の奏響 Ⅲ

2023-03-12 13:00:45 | ステージ & エンターテイメント

 「札幌の奏響(ひびき)Ⅲ」は3年ぶりの開催ということだったが、さすがにプロの音楽家たちの集まりである。札幌音楽家協議会の面々が奏でるベートーヴェンの「英雄」は聴き応えのある演奏だった。

        

 昨日3月11日(土)午後、札幌コンサートホールKitaraの小ホールにおいて標記コンサートが開催され、友人二人と共に鑑賞させてもらった。

 札幌音楽協議会なる存在については不案内だったので、HPを拝見すると次のような一文が掲載されていた。「札幌音楽家協議会は札幌をはじめ道内に在住する音楽家たちが、開かれた民主的な音楽活動を目指して、音楽文化の発展と会員相互の連携と親睦をはかる目的で作られた、60年の歴史を有する公的な団体です」とあった。

 “民主的な” という言葉に少々違和感を感ずるが、どなたか大御所に師事するのではなく、一人ひとりが自立した音楽家として活動しながらお互いの連携と親睦を図るという意味だろうと解釈した。

 コンサートは大きく二つの部で構成されていた。第一部は声楽家を中心として合唱曲を聴かせるステージだった。そして第二部は管弦楽の演奏という構成だった。

 演奏された曲目は、文字が小さくて読みづらいが下に掲載したプログラムのとおりである。

         

 正直に吐露して第一部のJ.S.バッハの曲は教会音楽といった趣きのため、私にはその意味や良さを感得できなかったのが正直なところである。それでも三曲目の教会カンタータ 第12番「泣き、嘆き、憂い、おののき」 BWV12は、人が生きてゆくことの辛さの感情を歌い上げたものだったのだろうと理解した。

 対して第二部の管弦楽ベートーヴェンの交響曲「英雄」はこれまでいろいろな団体の演奏を聴いていたこともあり、それらと比較しながら聴くことができた。そして実際に聴いた今回の演奏は、冒頭にも記したとおり「さすがにプロの演奏」というものだった。普段はそれぞれ単独、あるいはグループで活動していて、多人数での演奏の経験は少ないものと考えられるが、そうしたハンディを乗り越えてプロの技を聴かせてもらった思いである。      

 気になった点が一つある。それは総勢38名の管弦楽団として演奏だったのだが、その中で12名の方が賛助出演という形だったことだ。内情は良く分からないが、いろいろと複雑な事情があるのかもしれない。

 今回のコンサートは音楽家協議会とKitaraの連携プロジェクトとも明記されていた。「札幌の奏響」がⅣ、Ⅴ、Ⅵと継続されることを期待したい。

WBC寸評  Vol.

   

 昨夜のWBC第一次予選ラウンド Bプールの侍ジャパン第三戦対チェコ戦は、結果として10対2と大差で順当に勝利した。しかし、この日も贅沢をいえば万全だったわけではない。先発の佐々木がエラー絡みで1点の先制を許し、打撃陣はチェコの軟投派の先発に苦しめられ初回、2回と零封されるというイヤーな出だしだった。幸い3回に吉田、山田の連打で3点を得点したことでホッとしたが…。それからはワンサイド的な展開となり大勝の結果となった。

 個々の選手について振り返ってみると、投手では佐々木は期待どおり日本の柱として機能してくれそうだ。第2先発の役を担った宮城が残り5インニングを投げ切ったが、いきなり2安打を浴び1点を献上したが、その後は安定していた。分からなかったのはベンチが宮城を使い続けたことだ。まだ一度も登板していない大勢、栗林、高橋奎二といったリリーフ陣を一度投げさせた方が、と思ったのだがベンチには違った思惑があるのだろうか?

      

      ※ 期待どおりの投球を見せた佐々木朗希投手です。

 一方、打撃陣は近藤、大谷、吉田が好調である。村上、山田にもヒットが生まれた。

 さあ、今夜は好調を伝えられている対オーストラリア戦である。大黒柱の山本が豪打線をきつちりと抑え、打線が爆発してくれることを願いながら対戦を見守りたい。

       

      ※ 対オーストラリア戦での好投が期待される山本由伸投手です。