3月18日・19日の両日、場所(ホテルロイトン札幌)を同じくして「資産形成フェア」と「みんなの終活フェア」が同時開催された。その中から私は「みんなの終活フェア」に関する4つのセミナーに参加した。そのレポート報告である。
本当のところは両フェアで開講された4つの特別講演の聴講が希望だったのだが、人気殺到だったようだ。私はことごとく外れて一つも聴けずじまいだった。その四つの講演の講師とは「資産形成フェア」の特別講演を担った東大名誉教授(経済学)の伊藤元重氏、経済アナリストの森永卓郎氏、「みんなの終活フェア」の料理愛好家の平野レミ氏、作家の桜木紫乃氏の4名の講演だったのだが、残念ながら一つも聴くことができなかった。
※ 資産形成、終活に関する会社などがブースを構え、相談に乗っていたが私はスルーした。
ただし、その後に希望したセミナーの方はかなり希望どおりに受講することができた。そのセミナーとは①「認知症を予防するための生活習慣」、②「ここが危ない、初めての終活」、③「楽しもうセカンドライフ」、④「カラダは食べた物からできている」の4つのセミナーである。以下、それぞれを簡単にレポートしてみたい。
※ 二つのフェアのセミナーなどがスケジュールにしたがって多数開催されていた。
■「認知症を予防するための生活習慣」〈講師〉医療法人 重仁会 管理栄養士 谷氏
・認知症を発症する場合は約20年前から脳の病変が始まっている。
・後天的な要因をすべて修正すると、発症の40%は抑えることができる。
・認知症予報に有効なこと次の4つのこと。
①質の良い睡眠 ②適度な運動 ③知的な活動 ④栄養の摂取
・食事や栄養による影響が大きい
・予防に必要な栄養素 地中海食(カラフルな食事)
・日本食パターンの度合いが多いほど認知症発症リスクが少ない。
・たくさんの種類を食べること。副菜を重視する。 等々…。
■「ここが危ない、初めての終活」〈講師〉元北海道新聞編集委員 福田淳一氏
・福田氏はまず終活全般について講義されたが、私は一度福田氏の終活に関するお話をお聞きしていたので、テーマに関して、エンディングノート作成の注意点、生前整理の注意点、終活全般に対する注意点をレポすることにする。
・《エンディングノート作成の注意点》①エンディングノートは主として自分の情報、自分の死後のことを記入するもの。②法的な効力を望むことは遺言書に、③暗証番号などは書かない。④遺族に負担となるようなことは書かないようにする。
・《生前整理の注意点》①「子どもの迷惑になるから、元気なうちに物を処分しよう」は本当に正しいのか。②「物を捨てなければ」と思いこむのはストレスとなる。③子どもと相談することも大切。
・《終活の注意点》①しなければならないという思い込みがストレスとなる。②言葉の一人歩きに注意する。(家族葬、墓じまい、生前整理など)
■「楽しもうセカンドライフ」〈講師〉北海道新聞くらし報道部編集委員 井田一憲氏
井田氏は道新の「くらし報道部」の記者として道内の高齢者の生き様を取材する中から、特色のある生き方をしている7人の方々のセカンドライフの様子を紹介してくれた。どの方も素晴らしいセカンドライフを過ごされていることに大いに刺激を受けた。ただ、私自身がこれから紹介を受けた方の生き方を参考とするにはいささか薹が立ちすぎていると言わざるを得ない。私自身はこれまでの生き方を継続していくしかないと思い定めている。
■「カラダは食べた物からできている」〈講師〉(株)明治北日本支社 中村仁美氏
・我が国では100歳を超えて生きている方が激増している。(2022年 9万5百人余り)
・平均寿命も延び続けている。健康寿命を伸ばしたい。
・BMIを適切に。(BMI=体重÷身長÷身長)23前後が適切で死亡リスクが低い。
・BMIを適切に保つためには、バランスの良い食事を摂ることが大切。
・バランスの良い食事とは…、①主食(炭水化物)、②主菜(たんぱく質、無機質、糖質)、 ③副菜(ビタミン、無機質)、④果物(ビタミン、炭水化物)、⑤牛乳・乳製品(無機質、たんぱく質、脂質) これらをバランスよく摂ることだと強調された。
・人間の筋肉は3ヵ月で全てが入れ替わるという。バランスの良い食事と、適度な運動 が大切であることを強調された。
※ セミナー会場の一つです。セミナー中は写真撮影NGだったため、開講前に撮りました。
同時開催された「資産形成フェア」の方は、資産も何もない私には関心外だったために、意図的に「みんなの終活フェア」の方に参加したが、それなりに役に立つ知識を得ることができた。問題はそれをいかに実践に移すことなのだが…。